暮らしのことば

断熱・メイスリンヒーター追加リフォーム 軽井沢町

軽井沢町|田続様|2014年
リノベーション・リフォーム

電気ポットの中の水が凍るほど寒かった改修前の家とエネルギー効率の悪い薪ストーブ

記者:
設計士塩原との出会いを教えてください。

ご主人:
薪ストーブ用の薪を保管するためのラックが必要だということでホームセンターなどで売っているかと思いましたが、そんな簡単なものではないと気がつき、自分で作るにも大変だと思っている中でインターネットでグリーンラックを見つけました。最初のグリーンラックを購入した後、2台3台と増やしていく中で、塩原さんが住宅をメインにしていると知り、この家について相談しました。
当時この家はとても寒く、東京から家族4人で来るとあまりに寒くて冷蔵庫を開けて頭を突っ込み温まるほどでした。外がマイナス20℃なら家の中もマイナス20℃と、外気温とほぼ変わらない状態で、電気ポットの中の水が凍っているのを見たときは「何だこれは」と思いましたね。

記者:
冷蔵庫の中の方が暖かいというのは大げさな話ではなく?

ご主人:
全然大げさじゃないです。驚く事ばかりでした。
子どもたちがスキーをやるので毎週ここ(軽井沢)に来ていたんですけど本当に寒くて、到着するとすぐに灯油のストーブを2箇所とオイルヒーター4台を同時につけていたんですが、その晩は寒くて寝られなかったです。
4年前に薪ストーブを導入してからは薪ストーブをメインの暖房にして改善しましたが、それまではとても辛い思いをしていました。
実は、この家は間違えて大きくなっちゃったんで、暖房が大変なんですよ。

記者:
間違いと言うのは?

ご主人:
最初の図面を見た時に小さく感じてしまって、「一回り大きくしてよ」なんてお願いしたら思ったより大きくなってしまって暖房が大変になってしまいました。それで最初は灯油ストーブとオイルヒーターを組み合わせて使っていましたが、薪ストーブが暖かいという噂を聞きつけて「よし、じゃあ薪ストーブだ!」と導入しました。
薪ストーブはガンガン焚くと確かに暖かかったですが、その後に色々な本を読んで「断熱」というキーワードにたどりつき、薪をたくさん燃やせば確かに暖かくなるけど、断熱ができていなければ熱は外に逃げていくだけという事に気がつきました。また、薪ストーブは煙突から3割~4割熱が逃げていくということが分かった時にすごく「もったいない」と思うようになり「どうにかしたい」という気持ちが強くなりました。

記者:
それで、断熱と薪ストーブのエネルギー効率という問題を解決しようと思われたんですね。

ご主人:
薪を燃やして得られた熱を逃がさない蓄熱式の薪ストーブが暖房器具の完成形だと思っていて、そんなストーブがあったら良いな、いやあるはずだと確信していました。
そんな中、グリーンラックをきっかけに断熱工事をお願いすることになった塩原さんに「こんなストーブ無い?」と聞いてみたら「ありますよ。知り合いが作ってます。」とさらっと返事か返ってきたので小野沢さんを紹介してもらいメイスンリヒーターを作ってもらう事になりました。

【記者感想】
軽井沢がかなり寒い地域というのは知っていましたが想像以上でした。その上で紆余曲折があり暖房の形態がどんどん変わっていくお話を興味深く聞かせていただきました。
建ててから改修などで追加の費用が掛かってしまうことを防ぐためにも、寒冷地に家を建てるすべての人に断熱性能の高い家と、それに適した暖房器具を知ってほしいと思いました。

以前の薪ストーブ

探し求めていた暖房器具の完成形「蓄熱式薪ストーブ メイスンリヒーター」

記者:
塩原に相談したら捜し求めてた物が意外と簡単に見つかった訳ですね。

ご主人:
ネットで「蓄熱式薪ストーブ」で検索しても電気式のものばかり出てきてしまってあまり情報が得られませんでした.ティッケルヒーターという蓄熱式薪ストーブがあるんですけど外観がつるんとした買ってきて置いたストーブという感じで、存在感や雰囲気、インテリアとしても楽しめて職人さんが作り上げる作品という意味でも気持ち的にはメイスンリヒーターのほうが圧倒的に優れていると思っています。

記者:
こんなストーブが家にあればいいなと思いますね。

ご主人:
本当に優れものですよ。
考え方としては昔からあったと思うんですよ。ロシアのペチカや韓国のオンドルなんかも同じ流れだと思うんですけど、石油ストーブやファンヒーターが出てきて温度を設定してポンっとスイッチを押すだけで暖かくなる便利さから、皆の記憶から消えていってしまったんじゃないかと…
元々は普通に存在していた暖房器具だったのが、他の暖房が普及する中で贅沢な暖房という位置づけになってしまったんじゃないかと思っています。

記者:
メイスンリヒーターは日本でもあまり導入事例が無いようですが、実際はどうなんですか?

ご主人:
良くわからないですけど、最近作った個人住宅では数軒しかないと思います。
滋賀県の会社でも作っているようですが、そこでも完全に個人宅ではそれほど実績は無いようです。
ウチのを作ってくれた小野沢さんが去年の夏に白馬あたりで小さ目のものを作ったようです。
あと、岩手県に外国人の職人さんが昔作ったものが使い方が分からなくて眠っていたようですけど、それが最近になって稼働し始めたと聞いています。

記者:
お話しを聞く限り、使用に関してはメリットしか感じないですが、導入に関してデメリットは?

ご主人:
前例が無くどのくらい暖かいか分からないところ。
小野沢さんに何度か電話で聞いてみましたが、本人も説明できないんですよ。
薪の使用量や使用感の概念が全然なかったです。

記者:
それでよく導入されましたね。(笑)

ご主人:
どうしても欲しかったんです。(笑)
でも、作るのに時間がかかり本当に大丈夫なのかと心配になりましたね。どうなっちゃうんだろうと不安になりました。(笑)
買ってきてポンと置いてハイ!と言う訳に行かないですからね。
毎日と言う訳ではないですけど作るのだけで3~4か月くらいかかってますからね。

記者:
それは不安になりますね。
しかも1段ずつ積まれていく訳ですからね。

ご主人:
そうそう。外にレンガを切ったカスがあるんですよ。
「こんなにたくさん切ったんだ、でもまだこれだけなの」と不安で不安で。
女房は僕が不安に思っているのを察したようで「少し進んだじゃない」と声をかけてくれたりしました。(笑)
そんなことで、完成した時は嬉しくて嬉しくて。
それで最初の慣らし運転の時に、小野沢さんにどれくらいで暖かくなるんですかと聞いたら「はっきりとは分からない」と言われ(笑)。普通、待てたとしても2~3時間くらいじゃないですか?それが金曜の夜に来て8時に火を入れて11時に全く暖かくないんですよ。「この燃やした熱はどこ行ったの?」みたいな感じで目の前が真っ暗になったんですけど。次の日の朝に触ったら暖かくてホッとしました。
全然情報が無い状態で導入したので仕方ないと思いますけど。(笑)作者の小野沢さんも大きさや排気の作り方によっても違うから分からないという事でした。

記者:
言ってみれば、データが取れるほどの個数が出ていないという事ですね。

ご主人:
そうだと思います。
これでいいはずなんだけど…とか、表面も触れると思います…とか(笑)

記者:
すごいですね。
依頼主にも精神的な余裕がないとできないですね。

ご主人:
この話が世に出て、誰かの目に触れればメイスンがそういう物と分かると思います。
私も実物を見たことも無かったですし、何時間でどれくらい暖かくなるのかも分からなかったですから。

記者:
では、下調べはしっかりされて依頼されたわけですが、実際に使ってみたら思ったよりも待ち時間が長かったという感じですか?

ご主人:
僕の中で、蓄熱がストーブの完成形ではないかと思っていました。
電気でできる事が薪でできない訳がないと確信していましたが、どういった形になるのか実際の使い勝手は分からず不安に感じていました。

記者:
もし、メイスンリヒーターを検討している方がいて、何かのきっかけでこのメイスンリヒーターの存在を知り、見学をしたいとお願いされたらどうしますか?

ご主人:
もう、いくらでも見てもらいたいです。
だってこんなに良いもの他に無いですから!
見てください。触ってくださいという感じです。
一般住宅の暖房としても十分お勧めできます。
存在感もすごいですし、これを見てると自分自身に「中途半端な仕事すんなよ」という気になってきます。
偽物じゃない、昔からの知恵を組み合わせた工業製品とは違う本物が目の前にあると、気が引き締まります。

記者:
現実的な問題として基礎からやり直さなければいけなかったり、製作に3ヶ月以上かかることから導入にはかなりの費用が掛かると思いますが。

ご主人:
たぶん、薪ストーブの2~3個分(300~400万円)くらいだと思います。
あとは家をどこまで直さなければいけないのか、製作にかかる人件費だと思います。
薪ストーブよりはかなり高いですが、一つの作品としてほしい方にはおすすめできます。
ランニングコストとして薪ストーブの3割減、2/3の薪の使用量になります。
あと、オーブンとして活用することもできます。
ピザなんかもしょっちゅう焼いてますよ。
美味しく出来ますよ。

記者:
暖房と調理を兼ねるとなると、店舗などでもいいかもしれませんね。

ご主人:
店舗の場合、一回設置すると取り外しはできないので、覚悟を持って設置する必要はありますね。でも、覚悟さえあれば存在感ありますし、目玉にもなるので一般住宅より店舗の方が良いかもしれませんね。
あと、薪ストーブより手がかからず楽です。
薪ストーブの場合、1時間半おきぐらいにくべなければいけないですけど、これは一回バーっと燃やせばそのあとずっと暖かいですから。

【記者感想】
オーナー様、メイスンリヒーターにベタ惚れです。
実際に目の前にある巨大なレンガの塊であるメイスンリヒーターを見ると、その存在感に圧倒されます。確かにインテリアというかオブジェというか、「作品」と表現されるのも頷けますね。
全国的に見ても一般住宅に導入されるのはかなりのレアケースな様です。
見学OKとのことですので、メイスンリヒーター導入を検討されている方はRebornまでお問い合わせください。

「このままだと家が傾くかも。」なぜこんなことに。

記者:
この家は建てられて16年とのことですが、今回以前に改修は?

ご主人:
ほとんど手を入れずに来て、今回の改修をメイスンリヒーターを含めて2年がかりで段階的にやってもらいました。
1年目はリビングを除いた床下や屋根の断熱改修をやってもらい2年目にメイスンリヒーターを含めたリビングの改修をしてもらいました。
というのも、リビングは床下が大変なことになっていましたが、何が原因かよく分からなかったので手を出せず、じっくり検証して原因を探るために保留にし、結果リビング周りの土間コンが原因で排水が行われず土台を腐らせていたことが分かったので2年目にそれを壊した上で断熱改修をしてもらい、ちょうどその頃に導入を決めたメイスンリヒーター用に基礎もやり直してもらいました。

記者:
メイスンリヒーターは基礎からやらないといけないんですか?

ご主人:
そうです。基礎から全部やり直しです。だってあれ3トンありますからね。
レンガを果てしなく積み上げてますから、普通の基礎では全然アウトです。
改修とメイスンの導入が重なって一緒にできたので、タイミングも良かったんですね。

記者:
躯体も改修したんですか?

ご主人:
腐っていたところ以外は柱などには手を入れていないはずです。

記者:
リフォームを依頼するにあたり、家の問題を指摘された時にどんな気持ちでしたか?

ご主人:
塩原さんの方から指摘された訳では無いんですよ。
グリーンラックを購入する中で塩原さんが建築のプロという事が分かり、相談に乗ってほしいとこちらからお願いしました。
で、実際に見てもらったら「失礼かもしれないけど、このままだと何年かしたら家が傾くかも」と言われました。
そんな経緯でスタートしたんです。
とにかく寒いというのと、何か問題があるなと分かってはいたんですが相談する相手がいなかったので、グリーンラックを入れた時にちょっと聞いてみたのがきっかけで、セールスのように売り込みがあっての話では無かったので、それも信頼できたポイントかもしれません。

記者:
元々の建設会社に相談はされなかったんですか?

ご主人:
地域の工務店さんで信頼していましたが、15年以上前のスタンダードと今のスタンダードが違うというのを差し引いても、少し手を抜かれていたと感じています。
塩原さんに相談したときに、「構造についてはしっかりしているが断熱についてはもう少しですね」と言うくらいだったら信頼感は残っていたかもしれませんが、実際に見てもらったら「結構やばい」という事で信頼感は薄れていってしまいました。
断熱工事2年目にその業者さんにリビングの床下を見てもらい「確かにこれはダメだ」と認めてもらいました。その上で改修工事の費用を少し負担してほしいとお願いしましたが、その後のやり取りでさらに信頼感は無くなっていきました。
そんな経緯で結局塩原さんに全てお任せすることになりました。
地域的なこともあり、何かあったときにすぐ来てもらえると助かりますから、その業者さんも信じたかったんですけどね。
気分的には少ししんどかったです。

記者:
すみません、嫌な事を思い出させまして。
リフォームとなるとどうしてもその辺の経緯が避けて通れない要素になりまして。

ご主人:
避けられないですね。
前の所がしっかりやっていてくれていれば、そこまでリフォームしなくていいという話になりますからね。

記者:
何十年も前に建てた家ならば仕方ない部分もあるとは思いますが、10数年前となるとちょっと切ないですね。
そういった経緯もあり塩原を信頼して工事を依頼されたということですね。
リフォームの工事中は何度か見に来られたりしたんですか?
その時のエピソードなどありましたら教えて下さい。

ご主人:
リフォーム中も基本的には毎週来ていました。(笑)
エピソードですか…
大工さんが「塩原さんはうるさいんですよ。だから一生懸命やりますから見ててください。」「数センチごまかそうと思っても分かっちゃうんですよね。」なんて言ってるのを聞いて「監理がしっかりできているな」と思いました。
僕も細かいことはあまり言わないのですっかりお任せしている状況でしたが、大工さんたちが一生懸命やってくれているのが分かったので信頼感はありましたね。

記者:
ここはイマイチだったなと思う部分は?

ご主人:
う~ん…
一つあったのがちょうど僕たちがお願いしている時期が忙しかったと思うんですが、時間的に「今日終わってるはずじゃなかったの?」ということがあるにはありました。
天気や大工さんの人手の問題も重なったりしたとは思いますが、スケジュール通りに進んでいない時もありましたね。
全体のスケジュールは遅れてはいないはずですが、リフォームの場合、開けて見なければ分からない部分もあるので、作業の中でイレギュラーな事が発生すると、その度にスケジュール引きなおしたり調整したりというのが見ていて分かりましたね。
それくらいですね。他にはないです。

記者:
最近は体制も整って色々分担できるようになりましたけど、その時は塩原一人で何でもやらなくてはいけない状況でしたからね。

ご主人:
そうですね。見ていてかわいそうでした。
本当はたぶんすごく細かい方だと思うんですけど、私たちと一緒にいる時はそういった面を出さずにいてくれるので付き合いやすいです。人柄ですね、最終的には。
色々なことをストレートに言われたりもしますけど、たぶんそれは正しい事なんだと思っていますので「そうですね」と素直に話を聞く事ができます。
建築や薪関係の方は怪しい人が多かったり、よさげに見えて実は。。。なんて人もいる印象で、何となく色眼鏡で探る感じで話をしますけど、そういう中でも良い事はイイ、だめなものはダメとはっきり言ってくれるので、色々憶測しなくて付き合えるのが楽ですね。
こちらも正直に、向こうも正直に付き合えるのがいいですね。
お互いに腹を探りながら値段交渉するのも大変ですし、値段を下げるのが品質が下がることにもつながると思います。
信頼関係ができていないと黙って「値切られたからあそこ抜いてやろう」とか「安いもの使ってやろう」という対応になってしまうかもしれませんけど、塩原さんの場合は「これ以上安くするとあそこダメになっちゃいますよ」とか「これ無くなっちゃいますよ」とかはっきり言ってくれるので分かりやすいですね。

記者:
出会った当初からそういう印象でしたか?

ご主人:
知り合ったのは塩原さんが開業してグリーンラックを売り始めた頃でした。
最初にグリーンラックを購入した頃に前の会社でのごたごたを聞いて「この人、今すごく大変なんだろうな」「しんどいだろうな」と顔を見て感じたと同時に、ちゃんとお付き合いして色々な物を作ってもらいたいと思うようになりました。
その後、グリーンラックを追加で購入して、今では20台近くのグリーンラックがありますね。

記者:
すごい!それだけあると薪を保管し放題ですね。
薪の調達はどうされているんですか?

ご主人:
軽井沢町民の場合、針葉樹の薪は軽井沢町の貯木場からタダでもらってこられるんですよ。
業者が建材なんかの廃材を置いて、欲しい人が取りに行く形です。
その代り切ったり割ったりは自分でやってね。という感じです。
ただ、広葉樹は薪屋さんに売れるらしくあまり出てこないですね。

【記者感想】
グリーンラック購入をきっかけに相談された結果、思いもよらぬトラブルが発見されてしまったのは、オーナー様の心境を考えるとショックですね。しかしそのタイミングで改修を行わなかったら後にもっと大事になっていたと考えると良かったとも思えます。
潜在的な住宅の問題を明らかにするインスペクションの重要性を改めて感じました。

平日は東京、休日は軽井沢。オンオフの切り替えが出来る今の生活。

記者:
元々軽井沢に別荘を建てられた経緯は?
お子様のスキーのためですか?

ご主人:
会社を作ったのが20年前で、最初の1~2年は全然儲からなくて辛かったんですが、何とか続けていたら4年目にいきなり回りはじめましてグワッときました。
実を言うとその時まで車を買えずスクーターで営業している状態でしたが、そのタイミングでポルシェを買ったんですよ。

記者:
スクーターからポルシェですか!
すごいサクセスストーリーですね。

ご主人:
車を買ったので、ガイドブックを頼りに日帰りで行ける色々な場所に出かけました。
今週は伊豆下田、次は水戸。なんて感じで出かけている一つが軽井沢でした。
ちょうど軽井沢に来たのが6月頃、緑がきれいな最高の季節だったので気に入ってしまい、その帰りには不動産屋さんに寄ってましたね。
それでこの家を建てて今年で16年目です。

記者:
東京のご自宅は?

ご主人:両国に住んでいます。相撲取りしかいないですね。(笑)
東京では仕事と学校などのための場所と考えてマンションに住んでいます。
よほど来ちゃいけない事情が無ければ、休日はほぼ毎週ここ(軽井沢)に来ていますね。
将来的にはここに定住することも考えています。

記者:
ご出身はどちらで?

ご主人:
浅草です。
ちゃきちゃきの下町っ子です。
女房は大阪の出身です。
軽井沢に別荘を建てるまで自然の中で生活することは全然なかったんですが、
根本的にはこういった生活が好きだったんじゃないかと思っています。
若い時はそういう環境にいなかったので分からなかったですけど。

記者:
私は田舎に住んでいて山や森が近くにありますけど、周りの人間で自然や森や山に関心のある人はほとんどいないですね。
やはり自分の生活にない物を求めてしまうという事でしょうか?

ご主人:
人の性格にもよるし、あとはバランスかなと思います。
平日は東京で仕事をして週末は軽井沢で過ごしてと言うバランスでやってます。
年齢を重ねることで軽井沢にいる方が楽になっていくのかもしれませんが、しっかりガチで仕事をしようと思うとこの雰囲気はゆったりしすぎてダメですね。
仕事でのトラブル対応や交渉、スケジュールなど色々な事を考えなければいけない状況では、この雰囲気ではゆっくりしてしまいますね。

記者:
では、こちらにいる時は完全にオフですね。

ご主人:
オフです。(笑)
こっちにいる時は仕事の話をしたくないので携帯の電源も切ってますね。
オンオフの切り替えができるのがバランス的にちょうどいいのかなって気がしますね。
軽井沢がなかったら結構殺伐とした人生になっていたんじゃないかと思います。

【記者感想】
会社を立ち上げ苦労の末に平日は東京でバリバリ仕事、週末は軽井沢の別荘で過ごす。そんな夢のような生活スタイルを実現されたオーナー様。別荘での取材だったのでオフの顔しか拝見できませんでしたが、とても自然体でこの生活を楽しんでいられる様子に憧れました。

断熱の効果とメイスンリヒーターの蓄熱式暖房で薪の使用量が半分に

記者:
リフォーム以前と以後の生活の違いについて

ご主人:
リフォーム前の不満はとにかく「寒い」それにつきますね。
寒くて他の事はあまり考えられない。笑
それから派生することは全てですね。
冷蔵庫で暖をとっていたのも冗談ではないです。
悲しかったです。
最初は夏をメインで考えていたので涼しくていいんですけど、住んでみたら冬がすごく良かった。
子どもたちも軽井沢でスキーを始めたので、むしろ冬の方が気合を入れて通うようになりました。
この家が無かったらスキーもやってなかっただろうし、子どもたちの人生も違うものになっていたと思います。

記者:
改修前は薪ストーブの薪を大量に消費していたとのことですが。

ご主人:
そうです、すごかったです。
断熱不足が原因だと思いますけど、今と同じくらい暖かくしようと思うと1日100㎏使っていたと思います。
一束8㎏くらいだと思うので10束以上必要だったと思います。
それくらい使っても、今くらいの暖かさになっていなかったと思います。
原木で買って自分たちでチェーンソーで切っているのでそこまで高くないですけど、でもやっぱりすごいですね。
今、メイスンに変えて1日50㎏使うか使わないかです。
家の規模や地域にもよると思いますけど、そんなに大量に消費している訳ではないと思います。
とにかく暖房としての性能は高いです。

奥様:
薪ストーブの時は、それだけ燃やしても家全体は暖かくならなかったし朝は寒かったです。

ご主人:
結局、当時は断熱がしっかりできていなかったというのありますけど、色々な要素が重なって辛かったですね。

記者:
燃焼がかなり早い印象でしたが。

ご主人:
中がかなり暖まっているのでドラフトが効いて早く燃えましたけど、抜けきらないで蓄熱するのが良いですね。

記者:
レンガが蓄熱するのにかかる時間と持続時間は?

ご主人:
まず、薪を燃やした熱が表面に伝わるまでに6時間かかります。
もちろん測ればすこしずつ温度が上がってきてはいると思いますが、暖かくなってきたなと思うまでに6時間かかるんです。
最初は中でガンガン燃えていてもレンガは冷たいんです。ずっと。
で、一旦暖まれば追加で薪を燃やさなくても熱は20時間持続します。冬なら朝晩1回づつ燃やせば一定の温度をキープしますね。一度燃やしてしまえば20時間熱が持続するので、その間ずっとレンガから熱が放熱している状態になります。

何かで読みましたが、単体のレンガで端に火を当てると反対側に熱が伝わるのに12時間かかるなんて話もあります。レンガはすごいんですよ。
そんなレンガを蓄熱材に使い、しかもそれが何重にもなって迷路のような空気の層を作り、その中を薪を燃やした熱風がグルグル循環した後、そこそこ冷えた空気が煙突からポヨヨンと出る、それがメイスンリヒーターなんです。

記者:
出涸らしのような(笑)
ストーブの周りを完全にレンガとモルタルで固めた物かと思っていました。

ご主人:
そうそう(笑)
うまい感じで空気が通って、たまにバイパスなんかもあったりしてやってるらしいです。

記者:
見た目に反してハイテクな暖房器具ですね。

ご主人:
材料はハイテクな物ではないと思いますが、空気の通らせや排気の仕方はハイテクな感じがしますね。
吸気は空気の取り入れ用窓と開閉窓の上下に別の取り入れ口があります。

【記者感想】
薪の使用量が半分近くになり、20時間放熱が持続するメイスンリヒーターの効率の良さに驚きました。
また、ストーブ内で勢いよく燃えている状態で煙突を見ましたが、本当にわずかな空気の揺らぎが確認できる程度の排気だったことにも驚きました。まさに完全燃焼と言う感じでした。

建て直しや、もう一軒建てるとしたら間違いなく塩原さんに頼みます。

記者:
断熱やメイスンリヒーターと具体的なお話を聞く中で、想像されていた暮らし=理想があったと思いますが、それと比較してリフォーム後の暮らしはいかがですか?
理想と現実のギャップなどはありますか?

ご主人:
理想と現実の違いですか?
断熱に関しては壁の一部がリフォームできていない部分があるんですが、最初の時点で塩原さん知っていればよかったなと思います。
メイスンに関しては自分で考えていたより数段良いものでした。
たぶんこんなものだろうと考えていたよりも見た目も存在感も機能もはるかに上で「世の中すごいものはあるんだな」と言う印象です。
地域にもよると思いますが、家の暖房はパネルヒーターとメイスンリヒーターでとてもバランスが良い状態ですね。

次は薪ボイラーの導入を考えています。
今は灯油のボイラーなのでそれも薪にしてしまおうかと思っています。
どっちも薪で併用できるようにすれば灯油も使わずに済みます。

今、1月~2月は一日平均10リットル灯油を使いますが、それも減らしつつ将来的に定住も考えているので薪ボイラーを入れる事でお金をかけずに生活できるようになるのかなと考えています。

記者:
家づくり、リフォーム検討中の方に重要な事は?
業者選びのコツを教えてください。

ご主人:
リボーンにお願いする事がベストかというとよくわからないです。
それは人それぞれ何がベストなのか分からないですが、必ず候補にいれて良いと思います。
ただ、もしこの家を建て直すとか新しくもう一軒建てるとなったら間違いなく塩原さんに頼みます。

記者:
お施主さんからそれだけの信頼を得るというのは大変なことだと思います。
その理由は?

ご主人:
しっかりやってくれるというのが分かっているからというのが大きいです。
あと、自分のことをあまりアピールしないのが良いですね。
「あれができる」「これができる」と多く語らないことが信頼感の一つになっているかもしれませんね。
口がうまい=信頼できるとはは限らないです。口がうまいだけの人間はたくさん見てきましたから。
そういうことではない所にお願いしたいですね。

記者:
私は、塩原は将来的には設計士とは違う何かになるんじゃないかと思っています。

ご主人:
本人的には法律を勉強して住宅関連に特化した弁護士になりたいと言ってたこともありましたね。
ポロッと言ってただけですが向いていると思います。
家はトラブルも多く金額も大きいし、建ててみて初めて分かることも多いですからね。

【記者感想】
将来的には石油エネルギーに頼らない生活を目指しているオーナー様。
薪という環境にやさしい燃料を通じて繋がったオーナー様と塩原設計士、考え方や仕事の仕方で信頼を得て強い絆ができていると感じました。

長生きのためにも家が暖かいというのは重要。暖房の楽しさを知ると人生がもっと豊かになる。

記者:
断熱リフォームについて
別荘を断熱リフォームする意味、意義とは?

ご主人:
ずっと住んでいる訳では無いですが毎週来てますし将来的には定住も考えています。
通常の使い方と比較するとかなり使用頻度は高いので断熱改修の意味はあります。
また、軽井沢はとても寒いので必要な断熱性能も高いものが求められます。
長生きのためにも家が暖かいというのは重要な事だと思います。

記者:
快適な暖房ということで考えると温風が噴き出さないというのは重要なポイントですか?

ご主人:温風が噴き出すのはホコリも舞い上がりますし、しんどいですね。
全てがゆっくり暖まっていくのが一番良いと思います。

ご主人:
これからリフォームを考えている人にこんなところは妥協してよい、逆に妥協してはダメなところは?

ご主人:皆さんそうだと思いますが、特に男の人に自分の家に対して興味をもった方がよいですよと言いたいです。もっと気を使ってあげれば、ドーンとお金を使わなくてもいいものが出来ると思います。

思ったよりも家づくりは難しく3軒建ててようやく理想の家ができるといいます。
たとえば薪ストーブを導入すると薪の流入ルートや予測できない事が多く出てきます。予測できない事を予測する想像力が大切だと思います。想像力を持って家づくりをしましょう。ということです。
あと、何かあった時に柔軟に対処できるように余裕を持って家を建てる事が大切です。土地にしても建物にしてもキチキチに作ってしまうと、後の変化に対応することが難しい状況になってしまいます。
余裕の部分で後から対応できるようにした方が良いと思います。

ご主人:
分かります。
ウチも小さな物置すら置く場所が無くて困っています。
最後に、これは伝えておきたい事は何かありますか?

ご主人:
何だろう。
暖房の楽しさ。それを分かってほしいです。暖房って楽しいですよ。
家を温める楽しさ。寒くて辛いから暖めなきゃではなくて、暖める楽しさを分かってほしいです。薪ストーブも楽しいし、メイスンも楽しいです。
指でポンと押してブワーと噴き出すのは楽しくないです。
暖房の楽しさを知ると人生がもっと豊かになる気がします。

ずっと火を見てられる、それだけでも楽しいです。

決して薪ストーブでなければいけないという事では無いですが、そんな楽しみがあってもいいんじゃないかと思います。

【記者感想】
初めて「暖房を楽しむ」と言う言葉を耳にしました。寒い=不快→暖めるというネガティブな暖房では無く、やさしく暖める性能だけでなく存在感や雰囲気までも楽しめるメイスンリヒーターとそれを受け止める断熱性能で楽しむ暖房。いつかそんな生活をしてみたいと感じさせていただきました。

外観
別荘地に佇む田続邸
傾斜地のための高さのある基礎
基礎の高さを利用した収納庫
リビングを外から見る
キッチンからアクセスできるウッドデッキ
オーナー様たってのご希望のメイスンリヒーター
リビングで圧倒的な存在感を示します
上部にはオーブン
サイドには暖かい椅子
循環を説明するオーナー様
「暖房を楽しむ」とオーナー様談
燃焼中でも排出されるのはわずかな熱
斜め天井に300㎜の引き込みグラスウール
玄関ホール他に合計12台の温水パネルヒーターを設置
床下、壁などを断熱改修
建具などは既存の物をそのまま利用
建具は海外製の無垢材のもの
二階バスルーム
吹き抜けを利用し煙突を配管
二階寝室、吹き抜けからストーブの熱を取り入れる穴
ボイラー室兼トレーニングルーム
リフォーム前のメイン暖房はサンルームに移設
自然体で別荘ライフを楽しむオーナー田続様
田続様
軽井沢町 田続様
家族構成ご主人様、奥様、お子様2人
家の仕様木造在来工事
竣工2014年
断熱天井=グラスウールブローイング300㎜
床=高性能グラスウールブローイング160㎜
家のスペックサッシ:
そのまま(マーヴィン木製ペアガラス)
改修部はアンダーセン木製 ペアガラスLOW-Eアルゴンガス入り
暖房:
ゲストルーム=薪ストーブ
リビングダイニング=メイスンリヒーター
PS温水パネルヒーター全館暖房
換気:
スティーベル第1種熱交換型を新規導入
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