機能性もデザイン性も重視し、断熱性能等級7(HEAT20のG3レベル)を叶えた“2050年を見据えた家”
「2050年カーボンニュートラルの実現」に向け、日本では国全体で脱炭素化に向けた取り組みが進んでいます。住宅の断熱性能の要求水準も段階的に高まるなか、RebornではHEAT20のG3レベルの基準を満たす最高等級の断熱等級7を実現しました。G3レベルとは、真冬に暖房をつけなくても室内温度15℃以上を保つ断熱性が基準です。そのうえで、外観デザインや間取り、仕上げ材など、随所にRebornの設計士・塩原真貴さんの経験や考え方を盛り込んだ理想の住まいが誕生。題して「2050年を見据えた家」です。

設計士兼現場監督への信頼感
長野市中心部からほど近い、昔ながらの閑静な住宅街。通勤や通学、買い物にも便利な人気のエリアです。今回ご紹介する建築主の國分恭太郎さん・優希さん夫妻は同級生で、それぞれの実家がある、住み慣れた地域でもあります。

中心市街地に近く、ベッドタウンとして人気のエリア

恭太郎さん・優希さん夫妻と、3歳半の長男・理央くん、10カ月の長女・麗良ちゃん
子どもの誕生を機に、それまでのアパート住まいから新築の戸建てへと家づくりを考えるようになった夫妻。当初は妻の優希さんの実家を建て直して二世帯住宅にする話もあったそうですが、検討の結果、実家とは別で新居を建てることになりました。そんな折、夫の恭太郎さんが父から紹介されたのが塩原さんでした。
恭太郎さん:
「Rebornの塩原さんは面倒見がいいから、いろいろ聞いてみなよ、と言われたんですよね」
というのも、実は恭太郎さんの父は、Rebornの取引先である断熱業者、株式会社信越ビー・アイ・ビーの國分専務。“元祖断熱職人”として、Rebornの動画やブログなどに登場したこともある、知る人ぞ知る存在です(ご存知のあなたは“Reborn通”!)。塩原さんとは20年以上の付き合いになり、國分専務の断熱技術を頼りにしてきたそうです。
【リノベーション~初代断熱職人登場!グラスウールで断熱するワケは??】
そして恭太郎さん自身も、住宅設備メーカーで現場管理の仕事に携わる建築業界の関係者であり、いわゆる“建築のプロ”。もともと父の会社に断熱材やパネルヒーターなどを依頼する予定だったこともあって、住宅会社のアドバイスを求めたと言います。そして、父の口利きで参加したRebornの完成見学会が、いわゆる運命の出会いになりました。
恭太郎さん:
「実際に塩原さんに会って温かみがある人柄に惹かれましたし、元々は現場監督から勉強して設計士になり、今も設計をしながら現場監督を兼ねている点も魅力的でした。私自身が仕事で建築現場を見ていると、現場監督や大工と設計士が協力できていない会社が多いと感じていたんです。でも、塩原さんは現場のこともお施主さんのこともよくわかっていて、大工さんへの納まりの説明も的確で、設計に無理がありませんでした。塩原さんのようにオールインワンで建築がわかっている人はあまりいませんよね」

現場監督として多くの施工に立ち会ってきたものの、担当エリアは東信方面のため、これまで仕事ではRebornの現場に立ち会うことはなかったという恭太郎さん

水回りを中心に、恭太郎さんの勤務先であるLIXILの設備を導入
さらに、漆喰や国産材を使った家の落ち着いた雰囲気も魅力で、当時0歳児だった長男の理央くんが、見学会の家の床で突然ゴロゴロと気持ちよさそうに寝転んだことも決め手になったそう。
恭太郎さん:
「普段はあまり床で寝転んだりしないので驚きましたし、やはり子どもの感覚的にも無垢の木は気持ちがいいんだなと実感しました」

國分邸の1階フローリングは北海道産のナラ材を採用

2階は安曇野産のアカマツ。無垢の床材は肌触りもよい
実は優希さんの実家を建て直す計画をしていた頃はハウスメーカーも見学に行っていたそうですが、塩原さんに会ったことでRebornにお任せすることを決めたという夫妻。その後は毎回、Rebornの見学会に足を運び、家づくりのイメージを固めていきました。
土地探しからスタート
一方で、設計の依頼はRebornに定めたものの、建築地は未定の状態。そこで塩原さんに相談すると、土地探しから進めることになりました。希望していたのは、優希さんの実家から徒歩10分圏内のエリア。長期戦もありうる人気地区で、実際に売土地はあったものの、線路脇だったり変形地だったりと、なかなか納得できる土地が見つからなかったと言います。
そんななか、Rebornの不動産を担当している笠井美英さんから連絡を受けて見に行ったのが、現在の土地でした。
恭太郎さん:
「まだ以前の建物が建っている状態の土地でしたが、立地は悪くなく、目の前の道路も広くて実家からも遠くない。土地の大きさ的に駐車場のスペースが取れるかという心配はありましたが、塩原さんにメールで『ここで建てるとしたらどんな家になりますか』と相談してみたんです」
実際は南北に長い敷地を東西2区画に割って分譲される予定の土地だったため、どちらの区画がよいのかも含めて調査依頼。すると、道路が2面に接している東側の土地が勧められ、その敷地にRebornの31坪規格プランをもとにした手書きの図面が提案されました。
その図面をもとに、駐車場やガレージなど夫妻の希望を塩原さんに伝え、より詳細なプランに。その提案に納得したことあら、数日後には土地の契約へと進みました。Rebornの見学会に初めて参加してから半年ほどというスピード感です。

建物東側に設計されたガレージ

収納力があり、靴や上着だけでなく、タイヤやアウトドア道具なども置けるシューズクローク(写真は竣工当時)
ファーストプランで希望を全てカバー
こうして基本設計に取り掛かり、土地購入から1カ月ちょっとで提案されたファーストプラン。第一種低層住居専用地域で南北に長い敷地条件を最大限に生かし、敷地面積約47坪の土地に35.25坪の住宅が設計されました。
採光や空間の広がりを考慮した、やや独創的な設計ながら、夫妻の希望は全て詰め込まれたプランに満足だったと恭太郎さんは振り返ります。
恭太郎さん:
「こちらが希望したのは、ガレージとシューズクローク、子どもたちがお昼寝できるようなスペース、本を読める2階のワークスペース。あとは車が3台停められたらいいと伝えていましたが、土地が47坪と狭いので諦めていました。間取りなどはお任せでしたが、出てきたファーストプランは希望を全て叶えてくれていました」

4.5寸勾配の切妻屋根の総2階建てのボックスに、1.5寸という緩勾配の屋根のポーチの平屋棟が合体した建物

駐車場は3台分を確保
恭太郎さん:
「塩原さんのブログを見ると、建物の形を決めてから柱や梁の構造を計画し、間取りを検討するというプランニングだったそうで、ファーストプランを平面図で見たときに、構造的に均整が取れて無駄がないきれいな建物だなと感じました。総2階のローコスト住宅とは違い、全てが機能的で、きちんと手の届くところに配置されている。自分の工事現場の平面図でも、これだけいろいろなことが考えられている、すっきりとした一般住宅は今まで見たことないと感心しましたし、純粋に『すごい』という印象を抱きました」

東側のガレージの奥に配置された玄関

モルタル仕上げの玄関土間。左側のシューズクロークは、普段は突っ張りロールスクリーンを下げて目隠しに。右側の下駄箱も造作
恭太郎さん:
「小下がりのリビングや、小上がりの空間とムカデ収納など、これまで見学会や施工事例で見ていた要素がファーストプランに入っていて、塩原さんのいろいろな経験がぎゅーっと詰め込まれている印象もありましたね」
こうして、外壁や窓のサイズなどいくつかの変更はあったものの、形や間取りはほぼ変更することなくファーストプランが採用されました。その2カ月後にはライトなど電気類の備品を全て購入していたというから、いかにトントン拍子で計画が進んでいったかがわかります。

ファーストプランからの大きな変更点は外観。提案は板張りだったが、夫妻がこれまで参加した見学会を参考に、モダンで洗練された雰囲気のスイス漆喰(カルクファサード)のグレージュ色の左官仕上げに

施主支給の照明は見学会を参考に選んでいった
265㎜の“付加+付加(フカフカ)”断熱
プランが決定し、着工準備、基礎工事等を経て、断熱工事で活躍したのが、やはり恭太郎さんの父である國分専務です。外壁の断熱はRebornの標準仕様である210mm(充填断熱105mmと外張り断熱105mm)に高性能グラスウール16K品を55㎜追加し、トータル265㎜の“付加+付加”断熱で施工。Rebornとして初となる実験的な試みでした。
恭太郎さん:
「断熱については、塩原さんから『お父さんが張り切っているよ』と言われました(笑)」

付加断熱に高性能グラスウールを160mm外張りしていることで、基礎と比べて壁厚がある

いくつかの窓は外壁中央にまとめて配置。黒のサッシに合わせて黒い塗装の板張りで意匠性をアップ
集中配置した窓の周囲の板張り部分は断熱材にネオマフォーム100mmを使用し、160mmのグラスウールの壁面よりも引っ込めることで段差を生み出し、よりデザイン性を高めています。ネオマホームは製造時に化石燃料を消費するプラスチック系断熱材のため、Rebornでは今回初めて使用した素材ですが、グラスウールと同等の性能をおよそ半分の量で実現するため、壁厚を抑えることができるそう。このデザイン面も塩原さんにお任せだったと言います。
恭太郎さん:
「見学会で何度も見ていたので、設計は塩原さんに任せておけば問題ないだろうという安心感がありましたね」
窓の樹脂サッシはトリプルガラスのトリプルシャノンで、フレーム内部にウレタン断熱材が充填された「シャノンUF-L」というフルスペックタイプに。断熱性がより向上し、結果的にUa値=0.22、断熱等級7を実現しました。今後、断熱性能に関する基準がより厳しくなる世の中の動きを踏まえると、なんとかコストを抑えて省力化に努めることで、今回の國分邸の仕様がこれからのRebornのスタンダードになっていくようです。
ちなみに、樹脂サッシや内装用の無機質塗料・ビオシールも信越ビー・アイ・ビーから仕入れたもの。内装は國分専務だけでなく、同社の社員も多数集まって塗られたというから、施主の父としての力の入れようが伝わってきます。

カルクファサードはスイスの石灰石を主成分とした無機素材で、耐候性も高い

南側のウッドデッキは駐車場を考慮して斜めにカット。植栽を依頼した造園業者がデッキまでの石段をつくってくれた
Rebornでお馴染みの、施主による室内のDIY塗装も楽しかったそう。当初は二人で塗り、後半は優希さんが第二子の麗良ちゃんを妊娠中だったため、恭太郎さん一人での作業になりましたが、作業自体は好きだったこともあり、次第に上達も感じられてやればやるほど楽しかったと言います。
ただ、3m近くの高さがある2階の勾配天井の塗装は大変で、さらに苦労をしたのが1階の塗装だったとか。壁の下地クロスの施工が当初の予定より大幅に遅れ、通常は3週間から1カ月ほどかけて塗るのに対し、1週間ほどで仕上げなければいけなくなりました。恭太郎さんは仕事後に深夜まで一人で塗り続け、1週間で2度塗りまで完了させたと言います。
恭太郎さん:
「塩原さんには『さすがに一人では終わらないかな』と言われたので、かえって終わらせてやろうと頑張りました(笑)。でも、やはり自分で塗ると愛着が深まっていいですね」

2階はオール勾配天井

1週間で仕上げた1階の塗装

新居の完成後に生まれた第二子の麗良ちゃん

塗装は耐久性や透湿性が高い無機質塗料のビオシールを二度塗りしている
太陽光発電パネルは住宅用を最大限まで設置
高い断熱性能に加え、東西の屋根面には太陽光発電パネルを4.98kWずつ、合計9.96kW搭載しています。こちらも信越ビー・アイ・ビー経由で導入したもの。住宅用太陽光発電容量の10kW未満になるよう、9.96kWにしていますが、最大量で発電するのは夏場のみで、大体は半量だそう。それでも日中使用する電気は、オール電化住宅でも十分間に合っているそうです。
恭太郎さん:
「光熱費はあまり気にせず使っているので安いという感覚はありませんが、電気代が高騰しているなかで第二子が生まれ、電気代の負担がかかるお風呂の湯沸かしをガンガン使っても高い印象はありませんね」
段差を生かしたLDK
こうして、ファーストプランの提案から1年経たずに完成した國分邸。夫妻の希望と塩原さんの経験が詰まった、抜群に使い勝手のよい住まいとなりました。

玄関が奥まっているため、開閉時も道路から室内が見えにくい

玄関(写真左側)から室内に入り、正面に階段を設置。玄関の位置と階段を近接させることで余計なスペースを省いた効率のよい間取り
切妻屋根の建物は中心部が暗くなりがちですが、玄関ホールが吹き抜けなので、2階からの採光で明るい空間に。スケルトン階段でさらに開放感がアップしています。

スケルトン階段

階段下には造作のデスクコーナーを設置。引き出しは希望して付けてもらったもの
南側に配置された18畳ほどのLDKは、リビングの床面をダイニングから25cm下げてダウンフロアにし、ワンフロアがゆるやかに仕切られたメリハリのある独特の空間に。リビング部分の天井が高くなり、床面が下がった分、キッチン・ダイニング側からリビングを見渡すとソファなどの高さが目線よりか低くなって、空間が広く感じられます。また、少しこもり感のある落ち着いた空間にもなっています。

ダイニングの床面から25cm下がったリビング

段差を利用し、現在はキッズスペースのような空間に。奥のテレビ台は造作

リビングの天井のみ無節のスギの板張りで、勾配天井の屋根のなりをそのまま生かしている。間接照明だけで十分明るい

広い開口が空間の広がりを感じさせる
ダイニングの一角の畳スペースの小上がりは「子どもたちがお昼寝できるようなスペース」として希望したもの。おむつ替えにも重宝しています。また、来客時は段差を利用して椅子のように座ることも。さらに、小上がりの床下を有効活用し、空間を有効に使え、収納量が豊富なムカデ収納にしています。
恭太郎さん:
「ムカデ収納にオムツが入っているので、オムツ替えですぐに取り出せて便利です。オムツ1袋がぴったり収まるサイズで、ほかにお昼寝用の布団なども入れておくことができます」

畳スペースの小上がり。一角はルンバ基地に

3つの大きな箱が連結したムカデ収納。2列あり、全6個の箱が収められていて収納力は抜群
快適な輻射式冷暖房設備・HR-C
ダイニングとリビングの間に設置されているのは、PS社の除湿型放射冷暖房システム・HR-C。ラジエータの中に不凍液を循環させ、季節に合わせて送水温度を調整して運転することで、放射と自然対流により、自然な温度変化で空間全体の快適性を保つ輻射式冷暖房設備です。エアコンやファンヒーターのように風を伴わない輻射式なので、空気が乾燥しにくく、肌や喉に負担がかかりません。床・壁などの表面温度が上がり、間接的に人体を温めて(冷やして)くれ、音も静かです。エアコンは導入しておらず、HR-Cは全3台設置。1階の冷房はこの1台でまかなっています。
恭太郎さん:
「キンキンに冷やして使えば夏場も涼しいですね」

ダイニングとリビングの間に設置されたHR-C。空間のほどよい間仕切りにもなる

HR-Cのほか、パネルヒーターも使用。LDKの広い窓の下にもパネルヒーターを設置している。色は全て優希さんがセレクト
恭太郎さん:
「以前のアパートでは寒いと子どもがすぐに風邪を引いていましたが、今は布団をかけずに寝ているほど。お風呂上がりも寒くありません。さらに、以前のアパートでは子どものトイレトレーニングも冬は寒くてできませんでした。そういう点でも室内が温かくてよかったですね」
屋外の気温がマイナス5~6℃の極寒期でも、室内は21℃ほど。屋外が寒いことを忘れてしまうほど快適だそうです。

裸足で走り回る元気な理央くん

トイレの棚も造作
細部にこだわりが詰まったキッチン
アイランドキッチンは優希さんの希望。バックガードがないフラットな対面式を選びました。天板は熱や傷に強いセラミックにこだわり、この天板に合わせ、大工の北村さんが木の皿出しカウンターも平らになるように施工。そのうえで、キッチンを設置した職人さんが、皿出しカウンターの施工後に再度コーキングに来てくれ、最終的に美しいフラットな仕上げになったといいます。

ワークトップと皿出しカウンターがフラットになったアイランドキッチン

アパート時代はステンレスの天板でパスタを打ち、へこんでしまっていたが、セラミックは気にせず料理が楽しめる
恭太郎さん:
「キッチンのストレスがなくなりましたね。アパートのキッチンは作業スペースが狭く苦労していましたが、今はゆったりと調理ができ、自分たちで決めたので愛着もあります」
また、キッチンのエンドパネル部分には熟練の北村さんならではの技術も。本来、15mmほどの厚さがあるエンドパネルは巾木の取り合いが難しく、エンドパネルの上に巾木を貼ると段差が生じてしまいます。北村さんはこの段差をつくりたくないと、エンドパネルの下に巾木が埋め込まれるように施工。細かな工夫でミニマムな納め方になっています。
恭太郎さん:
「巾木があると納まりがきれいではないと、北村さんと事前に打ち合わせをし、細かい納めをしてくれました」
北村さんもまた、塩原さんとは前職時代からの付き合いで、Reborn御用達。「北村さんがいなかったら今のRebornはない」というほど、塩原さんが全幅の信頼を置いている大工で、北村さんが孤軍奮闘した國分邸は、北村さんの技量も最大限に生かされています。

巾木が見えないように施工されたキッチンのエンドパネル

ファーストプランではリビングとシンメトリーになるようにキッチン南側の壁面にFIX窓が入っていたが、造作の吊り戸棚を設置するために耐力面材を用いた壁に

キッチンからダイニングやリビング、畳スペースまで見渡せる。家電棚や食器棚も造作

ダイニングから続くウッドデッキでは、冬期以外はバーベキューをして楽しんでいたとか
回遊性のある動線
キッチンからパントリー、脱衣室兼ランドリー、浴室の裏動線は一直線に連続した空間。ランドリーでは洗濯から物干し、収納まででき、かつてのアパート暮らしで上下階を行き来していた煩わしさがなくなって非常に楽になったそうです。季節を問わず洗濯物が1日でカラッと乾くので、生乾き臭が全くないのも魅力。
造作のカウンターの棚は見学会で見たものを参考に希望し、タオルや下着など、すぐに使うものを収納しています。カウンター上部の棚は、ハンガーで洋服を干す際、当たらないように10cmほど奥行きを下げて作られています。
恭太郎さん:
「実際にハンガーに洗濯物をかけると、ギリギリ当たらないほどのサイズになっています。ファーストプランで間取りがほとんど変わらなかった分、造作などを検討する時間が多く取れました」

キッチンから奥の浴室まで一直線につながる裏動線

脱衣室兼ランドリーの収納力がある造作のカウンター。ハンガーも気兼ねなくかけられる
脱衣室兼ランドリーから、玄関脇の玄関ホールへと行き止まりのない回遊動線に。こうした回遊できる間取りも塩原さんからの提案によるもので、非常に便利だそう。トイレは玄関ホールの端、LDKから離れて配置されているため、落ち着いて使用できます。

洗面台は造作。棚は扉付きを希望

玄関ホールにも造作の収納棚。隣がトイレのドア
台形窓と吹き抜け空間の明るい2階
2階はオール勾配天井で、吹き抜けのホールを中心に、南北がほぼシンメトリーに作られた間取り。南側が12帖の子供室で、北側が9帖の寝室です。どちらも妻壁に台形のFIX窓を設け、高い角度からも採光を取ることで、部屋の奥まで広範囲に効率的に光を取り込んでいます。

台形のFIX窓と、その下にドレーキップ窓を設置

室内窓も台形FIX窓を設けることで全体に光が行き渡り、デザインも統一感のあるものに
子供室は将来的に二つの部屋に仕切れるよう、飾り梁がかけられており、HR-Cの支えにもなっています。HR-Cは子供室と寝室に各1台入っていますが、暖房に限ると2階は1台で十分まかなえるそう。実際はスペック的に大きいため、かなり絞って使用しているそうです。

子供室の飾り梁とHR-C。カーテンは特注品

構造上の関係で子供室のHR-Cの下が付加し床になっている

子供室はオフセット引き戸のため、開放するとホールとつながった広い空間に

寝室も子供室と同じデザイン。左側の開口は4帖のウォークインクローゼットへと続く
2階ホールの本棚とワークスペースも造作。見通しのよいFIX窓から明るい光が注ぎます。

スリットが切られたデスク

デスク横の造作の本棚

FIX窓からの採光が吹き抜けの階段から階下に注ぎ、1階も明るくしている

デスクの下にパネルヒーターが入っていて冬も足元が寒くない造り
恭太郎さん:
「この家は『もっとこうしておけばよかった』という後悔が全然ないんです。よく『3回目の家づくりでようやく満足の家ができる』という話も聞きますが、コンセントの位置すら不満がありません。造作の細かい打ち合わせにより、使い勝手のよい機能的な家づくりができました」
“餅は餅屋”でプロフェッショナル集団に任せたい
恭太郎さん:
「今はReborn以外での家づくりは考えられません。予算はかかっていますが、ハウスメーカーではそもそもこの性能の注文住宅は建てられませんし、たとえできたとしてもとんでもない金額になってしまいます。やはり高性能の家を建てるには、それなりの初期コストがかかるものですから」
だからこそ、Rebornの良さをわかる人には家づくりをおすすめしたいものの、ローコスト住宅を求めている人とのマッチングは難しいと恭太郎さん。
恭太郎さん:
「塩原さんは職人でもあり、こだわりや自分の意見があるので、良い・悪いも含めて説明してくれます。一つひとつの住宅に愛着と執着をもって臨んでいて、自分にも他人にも厳しい人ですが、その厳しさは、施主目線で見ると優しさにつながっていると感じます。その価値がわかる人にRebornでの家づくりを勧めたいですね」

明るい吹き抜け空間

2階の木製スリット手すりは、意外にも布団干しにも便利なのだとか
また、塩原さんだけでなく、大工の北村さんをはじめ、全てにおいて工事のプロフェッショナルが集まっているのもRebornの魅力だと恭太郎さんは話します。
恭太郎さん:
「そういう意味では、ある程度信頼し、“餅は餅屋”の精神で任せてしまう覚悟も必要かな」
住まいは一人の力だけでできるものではありません。また、将来まで含めてさまざまな視点で検討しなければなりません。だからこそ、施主と設計士で同じ方向を向き、機能性や快適性、デザイン性、環境配慮などを理解し合ったうえで、目指す住まいを定め、実現していくチームの存在が重要です。
その点、Rebornでは長年の経験と専門知識を持った職人が集まり、プロがプライドを懸けて、より快適に美しく、機能性もデザイン性も追求しながら家づくりに力を注いでいます。ご自身も建築業界に携わる一人として、さまざまな現場を見て“目の肥えた”恭太郎さんだからこそ、Rebornのチームとしての良さをより実感しているのでしょう。


記者感想
初めてRebornの見学会に参加してから、土地探しを経て、設計、施工、完成まで、2年もかからずに実現した國分さん家族の住まい。何度も見学会に参加し、叶えたい家づくりの方向性を夫妻で共有していたうえで、Rebornのホームページも読み込んで塩原さんの考えや思いを理解し、“餅は餅屋”の精神でプロに任せたことが「幸せな暮らし」への成功につながったのでしょう。
一方で、塩原さんにとって國分専務は恩人であり、「ご子息の家を託していただいて感無量だった」とか。加えて、國分専務が愛息のために力を尽くしたことで、Rebornにとって新たな最高性能の高気密・高断熱住宅の第一歩になったのではないでしょうか。
日本は今後、2050年カーボンニュートラルな社会を目指すという大きな目標に向け、より断熱性・気密性を考慮した家づくりが重要になると考えられています。今回の“2050年を見据えた家”の仕様は、今後のRebornの標準仕様になっていく可能性がある点でも、意義深い住まいが完成したと感じた取材でした。