土地の形状は家づくりを大きく左右します。松本市波田で暮らす百瀬さん夫妻が選んだ土地は、南北に細長い、いわゆる“うなぎの寝床” でした。採光が難しい? 建築費用が高くなりがち? そんな心配を抱いていた百瀬さん夫妻が約1年間の検討期間を経てRebornに依頼した決め手は、持続可能な高性能の家づくりの実績と豊富な知識、そして設計力の高さでした。
アパート暮らしよりも寒かった実家
上高地、乗鞍高原の玄関口である松本市波田地区。松本市街地のベッドタウンとしても発展してきた、自然豊かな地域です。
取材日はあいにくの雪模様。しかし、玄関で出迎えてくれたのは、屋外の寒さを感じさせないほど元気に走り回る2人の子どもたちと、それを温かく見守る百瀬雄斗さん・栄里さん夫妻です。長女の來美ちゃんは4歳、次女の叶望ちゃんは2歳。さらに取材時、栄里さんは第3子を妊娠中で、春には新たに女の子が誕生予定でした。家族が増え、今後ますますにぎやかになる光景が目に浮かびます。
雪のなかでも楽しそうに遊ぶ子どもたち
窓から周囲の山々を望める自然豊かな環境
家づくりにあたり、百瀬さん夫妻がまず重視したのが、断熱性能です。それまで家族で暮らしていたのは、すぐ近くにある栄里さんの実家。今も栄里さんの母が暮らしている大きな住まいで、百瀬さん家族+栄里さんの母の5人で暮らしていました。さらにさかのぼると、結婚してすぐの頃は、同じく波田地区内にあるアパートで生活。ところが、來美ちゃんの誕生に伴って子どもの足音による騒音問題が発生したことで、叶望ちゃんの出産を機に、栄里さんの実家に家族で引っ越しました。
取材中も子どもたちはさまざまな遊びに夢中
今は音も気にせずのびのびと遊べる環境に
しかし、アパート時代も冬の寒さが厳しかったものの、栄里さんの実家は輪をかけた寒さ。冬は窓に氷が張り、ストーブを点けても室温が12℃ほどだったとか。厚着をして耐え忍んでいましたが、入浴はかなり苦労したそうです。さらに、南側に山が迫っていて日当たりが悪いため、日中でも室内が暗く、常に電気を点ける必要があるほどでした。廊下は長く、キッチンなど各部屋が離れていたため移動も大変で、冷たい廊下を歩いていた來美ちゃんは霜焼けになって足が紫色に変色してしまったこともあったと言います。
栄里さん:
「冬は日が当たっている日中は、屋外のほうが暖かいような実家でした。やはり断熱がしっかりした暖かい家に住みたいというのが一番の希望でした」
こうして、「いつかは家づくりを」と考えていた百瀬さん夫妻ですが、本格的に動き出すようになったきっかけのひとつが、2020年に始まったコロナ禍です。仕事柄、海外出張が多かった雄斗さんの出張機会がなくなり、それまで以上に住まいに向き合うようになりました。
コロナ禍により家族で過ごす時間が増えたことで、家づくりが現実的に
子どもたちの服装も今はすっかり薄着
実家のねぎ畑を農地転用。家づくりの情報源はYouTube
二人が家を建てる場所として選んだのは、栄里さんの実家が所有していた農地です。松本の伝統野菜「松本一本ねぎ」を育てていた畑で、長年、人に貸していた土地でした。南北に細長い形状は懸念点ではありましたが、せっかくある土地を生かそうと、市街化調整区域で農地転用をすることにしたのです。実家の建て替えを選択しなかったのは、同地が土砂災害警戒区域だったから。畑だった土地は日当たりがよくて土砂崩れの心配もなく、夫妻それぞれの職場が近いというメリットもありました。
市街化調整区域のため、東側には今も別の持ち主の畑がある
窓から見えるのは、住宅街と畑が点在する街並み
そして、肝心な住宅会社選び。実はアパート時代からハウスメーカーでの建築を考え、二人で何社も住宅見学会に参加していたそうですが、コロナ禍での家づくりの本格始動と同時に、雄斗さんはインターネットやYou Tubeでさまざまな情報を調べるように。そして、とあるYouTuberの動画で高断熱・高気密の家の魅力を知りました。さらに情報を深掘りすること数ヵ月。たどり着いたのが「新住協(新木造住宅技術研究協議会)」です。住宅建築技術を開発し、従来の半分の燃費で暮らせる高断熱住宅(Q1.0住宅)の普及と日本の住宅性能の向上を目指す研究機関。全国の工務店や設計事務所、建材メーカーなどが参加していることから、「長野県」「新住協」のキーワードで検索すると、ヒットしたのが、長野支部の会員であるRebornでした。
完成見学会の参加が決め手
Rebornのホームページを読み込み、使用している断熱材や厚さ、設計などの理解を進めていった雄斗さん。
雄斗さん:
「長野市にある会社なので松本市はエリア対象外かと思っていましたが、施工事例を見ると松本市の家もありましたし、ちょうど安曇野市で住宅完成見学会が開催されるところだったので、家族で参加してみることにしました」
こうして2021年4月に参加したのが、安曇野市穂高の千葉さんの住まいです。
栄里さん:
「木を使っている雰囲気や、変わったデザインではなく自然な雰囲気が暖かい家らしさを表していて、すごくいいなと思いました。それまでもハウスメーカーの見学会に参加したことはありましたが、おしゃれすぎるデザインの家は自分たちには合わず、落ち着かないと感じていました」
雄斗さん:
「よく窓の位置がチグハグな家がありますが、Rebornの家は揃っているので見た目的にもいいですね。そういう整った設計も惹かれました」
さらに、雄斗さんはRebornの完成見学会で案内をしてくれた設計士の塩原真貴さんに、断熱や気密のこと、トリプルサッシの効果など、高断熱・高気密住宅で気になっていたさまざまなことを質問。丁寧な返答に加え、最も気になっていたコロナ禍での家づくりについてアドバイスをもらえたことが依頼の後押しになりました。
雄斗さん:
「当時はコロナ禍に突入し、ウッドショックも始まったところで、家を建てても建材や資材が手に入りづらく、価格が高騰するのではないかと不安に思っていました。でも、塩原さんからの答えは『結局、モノの値段は上がっているけど、基本的にここから下がることはない』というもの。実は、そもそも家を建てるかも悩んでいましたが、塩原さんの言葉に納得し、家づくりをしようと決めました」
加えて、土地の形状が細長いために設計が難しく、間取りが限られてしまうのではないかという不安もありましたが、塩原さんのブログを読み、過去に南北に長い土地での設計経験があるとわかったことも安心材料になったと雄斗さん。勉強熱心な塩原さんの姿勢も決め手になったと言います。
雄斗さん:
「ハウスメーカーに依頼した場合、どんな人が設計しているかわかりませんが、Rebornなら塩原さんが設計するのでハズレはないと思いました」
ちなみに、実は雄斗さんの父は現役の大工。その関係会社などに設計を依頼することはなかったのでしょうか。
雄斗さん:
「父が取引をしている会社は大手ハウスメーカーで、高断熱・高気密の家づくりが不得意だったので考えていませんでしたね。それに、Rebornは断熱材の厚さ(※)も魅力で、ほかの工務店などとホームページを見て比較しましたが、外側まで付加断熱をしている点もいいと思いました。同じような断熱レベルの設計をしている会社もありましたが、耐震等級3の家づくりを実現しているのもよかったですね」
※Rebornでは高性能グラスウールを使用し、壁210㎜厚(軸間105㎜・外張り105㎜)・床245㎜厚・屋根250㎜厚・天井300㎜厚以上で施工
こうして塩原さんにファーストプランの設計を依頼。二人のイメージに合ったプランが提案されたことで、価格面での迷いはあったものの、Rebornでの家づくりを決めました。
西側の屋根に太陽光発電パネルを設置
土地については、ねぎ畑を宅地にするために隣地との境界の確定や測量を行い、農地転用申請や開発行為許可申請を経たうえで、盛土や土留めなどの造成工事や上下水道管の取り出し工事(引き込み工事)を行う必要がありました。
雄斗さん:
「東隣の畑の持ち主が東京に住んでいたのですが、やりとりを塩原さんがやってくれたので助かりました」
造成工事自体は栄里さんの母の知り合いの事務所が行い、2022年6月に完了。安曇野市穂高の見学会で塩原さんと出会ってから準備段階で1年以上の大プロジェクトです。その間、同時進行で設計を進めました。ファーストプランから大きな変更はなく、2階建ての南向きの建物は南北に長い土地を生かしつつ、高さを抑えた佇まいに。屋根は、東西(左右)の勾配を変え、長めにした西側の屋根に5.55kWの太陽光発電パネルが搭載されています。
長めの西側は3寸勾配、東側は4寸勾配という、左右の勾配が異なる切妻屋根で、西側に太陽光発電パネルを搭載
階高を抑えることで、隣家に配慮しつつ建築コストも抑えられます
雄斗さん:
「太陽光パネルは希望して載せました。当初、塩原さんからLATENTO(ラテント:温水を作る太陽熱給湯暖房システム)を提案されましたが、自分の仕事柄、海外出張が多く、妻は管理に手間がかけられるか心配だったので、LATENTOは採用せず太陽光パネルの設置だけにしました」
それでも十分、日々の暮らしのなかで太陽光発電による光熱費の恩恵を受けているのだとか。その詳細は後述しますが、太陽光発電パネルによって西日の直射日光が屋根に当たらなくなることで、夏は遮熱効果も発揮しています。
2階の屋根材はディプロマット(自然石粒鋼板製屋根材)
前面道路に面した南側に駐車場や庭を設け、奥に長い家の造り
1階の広いデッキテラスは、夏のプールやままごとなど子どもたちの遊び場として、また、ピクニックや食事を楽しむ家族団らんの空間としても活用。駐車場からの距離も近いので、買い物をした重い荷物などを一旦デッキテラスに置き、室内に移動後、開口部から中に運び入れることもできます。
約1.7mの軒を架けた半外付けのデッキテラス
デッキテラス西側部分は物干しもできるスペース。木製の縦スリットで、洗濯物だけでなく室内にいても外からの目線が気になりません
細長い敷地を活用し、広がりを生み出す工夫を
玄関は細長い建物の東側中央部分に配置。デッキテラス横から東側の長い玄関ポーチを通ってアクセスします。これは雄斗さんの希望でもありました。
雄斗さん:
「南北に長い建物ですが、玄関は奥まった位置で日陰になっても、できる限り日当たりのいい南側からの光を採り入れ、冬は日射で室内を暖めたいと思っていました。その要望を塩原さんに伝え、玄関を建物中央に配置してもらいました」
玄関ポーチは隣地との境界いっぱいまで敷地を使って軒を出せないため、パラペットを立ち上げ、目隠しとなる木製の縦スリットを設置しています。
東側にある玄関までの長いポーチ。パラペットを立ち上げ、床面は洗い出し仕上げ
縦スリットが玄関の目隠しに
デッキテラス横に設けた郵便受けの腰壁は造作。室内からデッキを経由して郵便物が取り出せて便利
玄関は北側からもアクセス可能。2階の窓の高さが整っているのが雄斗さんの気に入っているポイントのひとつ
玄関ドアは木製高断熱のスウェーデンドアで、外面と内面に板を貼っていないヌードドアにレッドシダーを縦張りしたRebornオリジナルです。
Rebornオリジナル製作の玄関ドア。玄関横のサイドライト(細長窓)も造作
スマートロックは後付け。使い勝手がよいとのこと
シューズクロークとコートクロークも造作で設置
照明はいずれも栄里さんがInstagramを中心にこだわって探したもの。作家ものや家具工房製のものなども
玄関から室内に入ると、すぐに2階へと続く階段が見えます。細長い形状の家の場合、玄関と階段を建物の中央に配置することで廊下のスペースを減らせ、家全体をコンパクトに納めることができるのです。また、スケルトン階段により、空間の広がりが感じられます。
玄関と階段をセットにすることで省スペース化
スケルトン階段により、“抜け”が生まれ、より空間に広がりが出て、通気性も高まります
玄関脇のホールの照明は入手困難な人気製品で、栄里さんが頑張って購入した一番のお気に入り。真鍮の落ち着いた光沢感が空間をおしゃれに引き立てます
ホールの階段側のブラケットライト。アンティーク調の真鍮が上品な雰囲気に
南面の大開口で採光し、明るく暖かいLDK
玄関から入って左側(南側)がLDK。日当たりのよい20帖ほどの吹き抜けの空間です。以前の実家暮らしでは日中も電気を点けるほど暗かったため、二人の要望は南側の開口部を可能な限り大きくし、太陽光を多く採り入れて暖かいLDKにしたいというものでした。
雄斗さん:
「吹き抜けは、より光が入って明るくなるとの塩原さんからの提案でした。設計は塩原さんにほぼお任せです。冬の日中は窓から直射日光が入り、夏は日差しが入らない軒の長さのおかげで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができています」
栄里さん:
「日中から夕方にかけてはダイニングで電気を点けることがありません。自然の光で室内が明るいのがいいですね」
吹き抜け窓からも光が広がるLDK。冬でも部屋の奥まで直射日光が届き、自然な暖かさで包まれます
LDKから家の奥まで見通せるので、細長い土地でも広さが感じられます
ダイニングスペースの大きな窓は耐震上、筋交いが必要ですが、壁ではなく開口にしたことで満足の明るさに。また、吹き抜けの南側と東側の高窓からも採光できるので、日中は奥のキッチンスペースまで十分光が届きます。
写真左側のダイニングの窓にはステンレス製の筋交いを入れて耐震性を強化。デッキテラスの軒は春から秋は開口部から直射日光が入らない設計
吹き抜けからの採光がダイニング奥の対面式キッチンまで届きます
一方で、開口部は家の中でもっとも熱の出入りが多くなる場所。とくにこの家の南面の窓は、窓ガラスを固定したFIX窓(はめ殺し窓)ではなく、締め切った状態でもわずかな隙間から熱が逃げやすい引違い窓を2階も含めた4カ所すべてに採用しています。トリプルガラス入りの樹脂サッシであっても、開閉操作ができる分、FIX窓に比べて気密性・断熱性は下がり、実際、30%もの熱が窓から逃げている計算になるのだとか。
となると、冬は日中、太陽の熱を窓から効率的に取り込めるのに対し、日差しがなくなる夜間の寒さが気になるところです。しかし「全く問題ない」と声を揃える二人。すべての窓にカーテンやブラインドが設置されており、太陽が沈んだらカーテンを閉めて熱損失を防ぐなど、昼間に蓄えた日射熱を上手に利用していることがうかがえます。
吹き抜けの高窓には電動ブラインドを設置。キャットウォークがあり、窓の開閉も可能
キャットウォークから明るいLDKを見下ろす
また、断熱に関しては、Rebornでは通常、屋根の断熱材は250㎜厚以上で施工していますが、今回は340㎜と、とくに厚みを持たせています。その結果、引違い窓が多くてもUa値(外皮平均熱貫流率)は0.27W/㎡Kと、断熱等級の最高レベル7に近い数値。HEAT20であればG2グレード以上に相当します。気密測定によるC値も、高気密住宅では1.0以下を目指すべきとされるなか、0.5と高い気密性が示されています。
計算で求めるUa値と違い、C値測定は家全体に圧力をかけ、専門測定器で計測
西側は隣家が近く、夏は西日の日差しも強いため、窓を少なめにして夏の室温上昇を対策。西日による家具の劣化も防げます
こうしたさまざまな工夫により、実際の光熱費(電気代)は、暮らし始めて1年目の昨夏は月々1万円に届かないほどだったそう。ちなみにオール電化住宅です。
栄里さん:
「日中は私が家にいるので、太陽光の発電量を見て家電を回したり、料理もあらかじめ作っておいて夜は温めるだけにしたりしています」
雄斗さん:
「電気代は夏は5000円ほどで、冬は1万円ちょっとでした。雪が多く降った月は2万円ほどになりましたが、それでもアパート時代は、ガス代が冬は2万円超え、電気代も1万円ほど。トータル3万円以上かかっていたことを考えると家計的にだいぶ助かっています」
優れた断熱性と気密性に加え、ちょっとした手間と工夫で日中に取り入れた熱を効率的に利用すれば、暖房の消費エネルギーを減らしつつ、快適で経済的に暮らすことができることがわかります。
リビングのアクセント壁は施工事例を参考に
リビング西側の壁は、ローズマホガニーを使った立体感のあるアクセントウォール。二人のお気に入りポイントです。
栄里さん:
「Rebornさんの施工事例No.20を参考にチョイスしました。間接照明もいい雰囲気で、すごく気に入っています」
テレビ台も造作で、収納スペースになることが多い台下には、あえてパネルヒーターを設置。ソファに座りながらテレビを見ると、真正面のパネルヒーターから輻射熱を感じて暖かく過ごすことができます。
調光式の間接照明でアクセント壁に陰影が生まれ、立体感が出て個性的な表情に
テレビ台の下は壁の色と統一感のある茶色のパネルヒーター
使い勝手のよいダイニングキッチン
ダイニングスペースの吹き抜けの壁には、雄斗さんが希望した大きな棚を設置。その一角に1階用のエアコンが設置されています。通常、エアコンは高い位置に取り付けられますが、この家は2階にもエアコンがあることも踏まえ、清掃やメンテナンスがしやすく、且つ、目立たないこの位置に設置されました。これは塩原さんからの提案だったそう。
雄斗さん:
「棚などの造作系は塩原さんがスケッチで描いてくれてイメージができたので、これもほぼお任せでした」
棚の右上、手を伸ばせば届く位置に取り付けられたエアコン
エアコンの室外機はデッキテラスの下に設けて目立たないように
照明は吹き抜けの開放感を生かし、ペンダントライトではなくライティングレール(ダクトレール)によるスポットライトを設置。夜は多少暗いものの、今のところは問題なく過ごせているそうです。
直接ダイニングレーブルを照らすスポットライトは2つ
今後、暗さが気になったらライトの数を増やしたり、ライティングレールにアームを取り付け、ペンダントライトなどを設置したりも可能
対面式キッチンは、栄里さんの希望でした。
栄里さん:
「実家はキッチンが離れた場所にありましたが、対面式は子どもの様子を見ながら料理ができるので、すごく楽になりました。窓からの光が夕方までキッチンに届き、明るいのがいいですね」
カウンターキッチンなので、できた料理をカウンター越しにすぐに運べるなど、配膳や片付けが楽なのもメリットです。
対面式キッチンなので家族とコミュニケーションを取りながらの調理が可能
夕方になっても吹き抜けの高窓から光が届くキッチン
システムキッチンはパナソニック製で、塩原さんと一緒にショールームに行ってセレクト
全体的に白色でシンプルにまとめ、キッチンの色は迷った末に高級感のあるネイビーを選択
一方、唯一、気になっているのがカウンター下に設置したダイニング側のコンセントの高さ。位置自体はよかったのですが、ダイニングテーブルをカウンターの真横に壁付けしたことで、コンセントがテーブルの下に隠れてしまうように。ホットプレートなどをテーブルで使う場合、テーブルの下に潜って電源をつながなければならず、やや不便なのだとか。
雄斗さん:
「テーブルの高さに合わせて、コンセントが上にくるように設置すればよかったですね。電気配線図にコンセントの位置は表記されていても高さまでは書かれていないので、施工中に現場で確認するといいのかな。DIYの最中に電気業者が配線をするタイミングがあったので、照明やスイッチの高さを一緒に決めましたが、そのときにコンセントの高さにも気を配ればよかったです」
これから家づくりを考えている人には、ぜひ参考にしてほしいとのことです。
一般的な高さに設置したダイニングのコンセント。テーブルの上にくるように設置すれば、より利便性が高まったとのアドバイス
カウンターの壁面に造作した収納棚はティッシュや小物、調味料などを置けて便利
太陽光を活用し、デザイン性と暮らしやすさを実現した住まい。後編でも、実用的なアドバイスとともに、実際の暮らしのなかで感じている快適性を紹介します。
〈後編へ続く〉
記者感想
ライター:合同会社ch. 島田浩美
写真:FRAME 金井真一