暮らしのことば

理想の住まいを予算内で叶えたい。 3年の月日をかけて完成させた、等身大の住まい。

長野県長野市|金井様|2020年
新築

「どの街で暮らしたい?」「どんな間取りが家族にとって心地いい?」。住まいづくりの過程は、理想の生き方をじっくり考える時間でもあります。ただし希望をすべて詰め込んでは、予算がいくらあっても足りません。何を残し、何を諦めるか。住まいづくりは、予算と希望を天秤にかけた取捨選択の連続です。

今回取材した金井さん家族の譲れない条件は、「住み慣れた街で暮らすこと」。3年かけてようやく巡り合った土地は、予算をややオーバーしていました。残りの予算を考えるとRebornでの家づくりは難しい。でも、どうしてもRebornの家で暮らしたい。その熱意が、満足いく住まいづくりを引き寄せました。

手触りのある素材に惹かれて

JR線の駅から徒歩圏内の静かな住宅街。漆喰の外壁と芝生のコントラストが爽やかな切り妻屋根の建物が、金井さんの住まいです。一家は美博さんと加奈さん夫妻、長女の葵ちゃん、そして住まい完成後に生まれた長男・陸くんの4人家族。

南北に細長い敷地は約46坪。道路側に3台分の駐車スペースを確保

好奇心旺盛の陸くんと、おしゃれな葵ちゃんの2人きょうだい

玄関を開けると、味わいあるタイルに木工作家が手がけたブラケットライト。クラフトを愛する加奈さんがこの住まいに合わせて選んだ照明や家具、食器やファブリックで心地よくしつらえたインテリアから、暮らしを楽しんでいることが伝わってきます。

加奈さん:
「土地探しに3年かかったので、その間にインスタグラムをじっくり徘徊して(笑)インテリアのイメージを膨らませたり、いいなと思う家具や小物を少しずつ購入したりしていました。以前のアパートで使っていた家具や照明はとりあえず買ったものばかりでしたが、新居では気に入ったものに囲まれて暮らしたくて」

玄関のブラケットライトは福岡の家具工房「三ッ葉屋家具店」でオーダー

キッチンの窓辺には陶芸作家の内山太朗さんの作品を置いて

階段に設置した曲木加工のブラケットライトはヤマギワのもの

今日のおやつは加奈さん手作りのかぼちゃのチーズケーキ。器もお気に入り

例えばダイニングテーブルは東京の木工作家、岡本 篤さんの作品。岡本さんを知ったきっかけは、インスタグラムで見かけたタオル掛けやトイレットペーパーホルダーでした。

加奈さん:
「とても素敵で、ぜひオーダーしたい!とメッセージを送ってみたら、残念ながら事情で工房を閉めることにしたとお返事をいただいて。それでもタオル掛けと、工房の展示品だったこのオーク材のテーブルをセール価格で買わせてもらうことができたんです。テーブルはフローリングと樹種が同じで、とても気に入っています」

オーク無垢材のダイニングテーブルの位置に合わせてペンダントライトを設置

トイレのペーパーホルダーとタオルハンガーは静岡の家具工房、iwakaguにオーダーしたもの

工業製品よりも、天然素材の質感や作り手の温度が伝わってくるものと暮らしたい。その価値観は住まいにも共通しています。1階は質感に惚れ込んだナラ無垢材フローリングに、DIY塗装した漆喰壁。家具やファブリック、陶器などインテリアの豊かな質感をおおらかに受け止めます。外壁もサイディングではなく、手仕事を感じる左官仕上げを選びました。

加奈さん:
「Rebornの見学会で、木や漆喰が作る住まいの雰囲気にときめいてしまって。木の匂いも心地よくて、それまで見てきたハウスメーカーのモデルハウスとは全然違いました。作られた感じがせず、自然にそこにある感じがとても気に入ったんです」

フローリングと家具の色調を合わせたことで、ファブリックや雑貨の色がほどよく映える空間に

2階の床は柔らかな安曇野アカマツ材フローリング

造作家具も、満足しているポイントの一つ。空間に調和していることはもちろん、サイズがぴったり合っていることがとても気持ちがいいのだそう。

美博さん:
「ダイニングのカウンターは、テーブルの高さに合わせて調整してもらっています。職人さんが施工現場で『高さはこれでいいですか?』と直接聞いて、ミリ単位でサイズ調整してくれたこともありました。隙間がないから見た目がピシッときれいだし、ホコリが溜まりにくいから掃除しやすいんですよね。置き型家具が必要なかったので、引っ越しも楽でした(笑)」

2階ホールにはデスクと手すりを兼ねた本棚を造作して、読書とピアノコーナーに

ダイニングの造作カウンターは、ノートパソコンやタブレットを収納できるプッシュ式引き出しつき

回遊動線でコンパクトでも開放感

延べ床面積約100㎡。数字だけ見るとややコンパクトな印象ですが、室内に入って感じるのは「ちょうどいい広さだな」という感覚です。

理由の一つが、行き止まりのない回遊動線。1階は玄関ホールからリビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣室までぐるぐると回遊できるプランです。廊下やデッドスペースを最小限にして、限られた床面積を有効活用。間仕切り戸はありますが普段は開け放しているので視線が奥まで抜け、さらに玄関の吹き抜け効果もあって光や風も通るため、広がりを感じられるのです。家族がどこにいても気配が伝わるのも安心です。

リビングから見ると左手のキッチン越しにパントリー、右手の玄関ホール越しに洗面室まで見通せて、すべて行き止まりなく回遊できる

右手が玄関ホール。洗面脱衣室と浴室に直行できて、引き戸で目隠しも可能

キッチンからパントリーを通って洗面脱衣室につながる動線や、玄関から浴室へ直行できる動線は、2人の子どもたちとの暮らしに大活躍。成長して、朝晩の身支度で洗面室が混雑するようになっても2方向へ抜けられるのでストレスがたまりません。

加奈さん:
「私の実家もぐるぐる回れる間取りで、暮らしやすかったんです。前に住んでいたアパートはキッチンと洗面脱衣室が離れていたから行き来が面倒で、つねづね『近い方がいいな』と思っていて。子どもは外で遊ぶと汚れて帰ってくるから、脱衣室に直行できるのはすごく便利ですね」

「娘が年頃になっても、2階へ上がるとき必ず顔が見えるように」と階段はリビングから見える場所に。階段の隣にはトレーニング用のバーを設置

奥に洗面脱衣室が続くキッチンはオープンになりすぎないのが魅力。「子どもたちに隠れてキッチンでパクッとおやつを食べることも(笑)」と加奈さん

とはいえ当初は敷地の形が希望の間取りに合わず、試行錯誤があったそう。

美博さん:
「最初にRebornの設計担当の塩原さんに『希望を全部出してみてください』と言われて伝えたのが、対面キッチンと回遊動線だったんです。リビングの隣の和室も希望しました。

でもすでに敷地が決まっていたから、家の形は縦長が前提だったんです。塩原さんから『対面キッチンと回遊動線を両立するとかなり窮屈になるし、和室も作れないですね』と言われてしまって。何を捨てて、何を生かすか。選択肢を提案してもらって相談した結果、対面キッチンを諦めることにしました」

壁付けカウンターに変更したことで、キッチンはぐっとコンパクトに。「配膳しやすいし、ダイニングがすぐ隣で子どもたちに目が届くので満足です」と加奈さん。雑然としがちなキッチンまわりを目隠しできるのもメリットです。

キッチンからリビングダイニングを見たところ。家族の様子がよく見える

玄関ホールとダイニングの間には縦型の木製ルーバーを設置し、さりげなく視線を遮った

3年間、難航した土地探し

「結婚当初は、自分たちが家を建てるイメージはありませんでした」と振り返る夫妻。きっかけになったのは、葵ちゃんが2歳頃の「アンパンマンブーム」でした。

加奈さん:
「住宅展示場でアンパンマンのキャラクターショーがあったんですよ。それ目当てで出かけて、『ついでにモデルハウスも見てく?』なんて軽い感じで見てみたら、『なんだか自分の家っていいな』と、その気になってしまって(笑)。それから本格的に考え出して、大手ハウスメーカーのモデルハウスから検討を始めました」

2階ホールは子どもたちの遊び場。スツールの張り地はミナペルホネンのファブリックをセレクト

美博さんの希望で作ったリビングの畳スペースは子育てに大活躍。産後間もない時期や、子どもたちの体調が悪い時はここを寝室に

並行して土地探しです。住んでいたアパートは通勤にも買い物にも便利で、駅も徒歩圏内。「建てるなら住み慣れたこのエリアに」と夫婦で意見が一致し、希望範囲を「長野電鉄沿線の長野駅から朝陽駅の間で、駅から徒歩15分以内」に設定しました。

土地情報をチェックするうち、価格の相場もつかめてきました。住まいにかけるトータル予算を3,000万円に設定し、「1,000万円ぐらいの土地を探して、建物に2,000万円ぐらいかけよう」と大まかな配分をイメージします。

しかし人気エリアなこともあり、予算におさまる土地探しに難航。その期間は、およそ3年に及びました。

加奈さん:
「散歩がてら歩き回って『売地』の看板を見つけたら電話したりもしてみたんですけど、いい土地はやっぱり売れちゃっているんですよね。あっても広くて高くて、手が出なかったり。地元の不動産屋さんも親身に相談に乗ってくださったんですが、なかなかご縁がなくて」

美博さん:
「最初はウェブサイトで探したんですが、北向きだったり旗竿敷地だったり。ウェブは情報が遅く、人気がない土地が出されることも多いと聞きました。やっぱり不動産屋さんに会って相談したり足で探したりした方が良い土地が見つかりやすいんですが、それでも納得できる土地には出会えませんでした」

住まいの顔になる玄関ドアはヘリンボーン貼りに

住まいは落ち着いた住宅街に位置する

回ったハウスメーカーや工務店は10社以上。各社のメリットとデメリット、価格帯を把握するため、加奈さんみずからオリジナルの比較一覧表を作成して熟考しました。「高いには高いなり、安いには安いなりの理由がある」と理解した上で「建物の予算は削りたくない。そのためにも、土地はできるだけ予算内で収めなければ」と考えていました。

工務店の中でも、特に惚れ込んでいたのがReborn。自然素材が作る空間、断熱性や耐震性の安心感に魅力を感じていましたが、実は自分たちの予算では手が届かないことが早々に判明していたそう。

Rebornの塩原さんに大きな信頼を寄せる夫妻

2階の寝室は2畳のウォークインクローゼット付き。子ども部屋は別に2部屋ある

美博さん:
「担当の塩原さんに最初に予算を伝えたら、『金井さんが希望する地域で50坪程度の土地を買うと、金額はだいたいこのぐらいです。諸費用を計算すると、最終的に家にはこのぐらいのお金しかかけられません。うちで建てるのはちょっと難しいです』と明快に教えてくれました。最初から洗いざらい教えてくれるのがRebornらしくて、信用できるところだと思います」

断熱や耐震、素材のクオリティを保つには予算が必要。それが分かるからこそ納得したものの、その後も「家づくりの参考にさせてください」とRebornの施工現場や見学会に足を運びました。「快く見学させてくれて、ありがたかった」と振り返ります。

2年点検に訪れたRebornの塩原さんと

床下点検に向かう塩原さんに興味津々の葵ちゃん

ついに巡り合った理想の土地

そんな中、見つけたのがこの土地でした。駅から徒歩圏内で静かな住宅地にあり、約46坪とちょうどいい広さ。問い合わせてみるとやはり売約済だったものの、どうしても気になって「キャンセルが出たら教えてください」と不動産会社に伝え、「その後も散歩がてら『もう建ったかな?』と見に来たりしていました」と加奈さん。

それからしばらくして、思いがけないところから縁がつながります。あるハウスメーカーの建築条件付き(※)の別の土地を見学した時のこと。例の土地をそのハウスメーカーが購入しようと話を進めていること、さらに契約キャンセルが出て現在空いていることがたまたま判明したのです。
※あらかじめ決められた施工会社に依頼して家を建てる契約を結ぶことが条件の土地

玄関の吹き抜け越しに上下階がつながり、家族の声や気配が伝わる

リビングからつながるデッキテラスは日当たりのいい遊び場

加奈さん:
「『めちゃくちゃ気になっていた土地です!』と、心が浮き立ちました。しかも、てっきりここも建築条件付きかと思ったら違ったんですよ。

そうは言っても紹介してもらった手前、やはりそのハウスメーカーに依頼するべきか、かなり迷いました。というのも、平均より高い価格帯のハウスメーカーだったんです。そこにお願いすれば、広さや機能など諦めなくてはいけないことが多くなることが分かっていました。それに、無理だと分かっていてもRebornで建てたいという思いを捨て切れなくて」

悩むこと数カ月。夫妻の苦悩を汲んだハウスメーカー担当者が「納得いく住まいを建ててほしいから、土地だけ買って施工会社は自由に選んでください」とはっきり明言する“神対応”。その言葉に背中を押され、購入を決めました。

美博さん:
「とはいえ、当初の土地予算1,000万円に対してかなりオーバーしていたんです。全体の予算を考えると、諸費用を差し引いて建物に1,800万円程度しかかけられない計算になる。その予算で建てられるハウスメーカーもありますが、妻がいろいろ調べてみたところ低価格の住宅は主に断熱性が劣るので、長い目で見ると光熱費がかさむことが分かって。妥協すべきか、いっそゼロから他のメーカーを探すか。土地購入後も、なかなか決められませんでした」

ダイニングは食事や団らん、葵ちゃんの勉強スペースとしても活躍

テレビ背面のディスプレイ棚には思い出の家族のイラストを

どうしてもRebornで家を建てたい!

その頃には、塩原さんとすっかり顔なじみになっていた夫妻。Rebornの見学会に出かけた際に土地を決めたことを報告し、「予算との兼ね合いで、どこで建てるか悩んでいます」と伝えました。

すると塩原さんから、「金井さんには何年も見学会に足を運んでもらって、良いお付き合いになりました。予算的には正直難しいけれどせっかくの縁だから、うちでできるか考えさせてください」との言葉が。

美博さん:
「嬉しかったです。驚きましたよ。もう無理だと思い込んでいたから」

念願のRebornの住まいで、快適な日々を過ごす金井さん一家

笑顔で塩原さんを見送る

土地が予算オーバーした時点で、全体予算をある程度上げることは覚悟していました。そうは言っても、Rebornに依頼するなら百万円単位で減額調整が必要です。そんなことが現実にできるのか? 期待しつつ半信半疑だった夫妻に塩原さんが提案したのが、「DIY」と「新素材のお試しモニター」でコストを下げる作戦でした。

ほぼ全部屋の壁と天井の漆喰塗装と、フローリング・梁・造作家具など木部のオイル塗装のすべてを、職人に依頼せずにDIYで行う。さらに外壁の漆喰はRebornで初めて導入する製品を使い、その代わり「お試しサービス価格」で提供する。

主にこの2つの作戦で、100万円以上のコストダウンが実現。結果、坪単価約70万円(※)で住まいを完成させることができました。高レベルの省エネを実現した高断熱住宅「Q1.0住宅」、しかも規格住宅ではない自由設計の住まいとしては素晴らしいコストパフォーマンスです。当初のトータル予算3,000万円に対して1割ほどオーバーしましたが、念願のRebornの住まいで暮らせるなら大満足。納得の価格です。
※施工当時の価格であり、現在の時勢ではこの価格で建設できません

美博さん:
「ここも、ここもDIYでやってくれたら削れる、とアイデアをどんどん出していただきました。本当に塩原さんの誠意のおかげで実現できたと思います」

感情的な値引きではなく、合理的な提案でコストを下げる計画。透明性が高く、設計施工にも信頼が持てます。夫妻の熱意と、それに応えるRebornの工夫が、金井さん家族の夢を叶えました。

塩原さんと一緒に

外壁の漆喰の風合いも良く、2年たった今も大きなひび割れなどはない

コストが大幅に変わるだけあって「DIYは大変でした!(笑)」と夫妻。

美博さん:
「漆喰塗装は二度塗りなので、毎日少しずつ時間を見つけて塗っても、一部屋に10日以上かかったかな。リビングダイニングの塗装が一番つらかったです。広いから『本当に終わるのかな』と絶望して(笑)」

そしてDIY作業のまっただなか、加奈さんの妊娠が判明! 嬉しい知らせに大いに盛り上がりますが、その後のDIY作業はつわりとの戦いに……。

美博さん:
「それまで日中は妻が作業を頑張ってくれていたんですが、体調が悪い日が増えてからは僕が仕事後に施工現場に行って、深夜まで作業する時期もありました。家が近かったので、まだ頑張れましたね。休みの日は娘も現場に連れてきていたんですけど、待ちくたびれて硬い合板の上で寝てしまったこともあって(笑)」

実家のご両親も援軍として参加。近くに住む美博さんのご両親はたびたび葵ちゃんを預かってくれたり、作業中に差し入れをしてくれたり。加奈さんのご両親は、はるばる小諸から作業を手伝いに来てくれたそう。

新居引っ越し後に生まれた陸くんは、もう2歳に!

夏の暑い日もDIY作業に没頭。木部の塗装作業はRebornの倉庫で行った

DIYで現場に通い、住まいが少しずつ完成していく姿を見守れたのは良い思い出。「毎日見ていたので、家が完成した時は想像より感動しなかったんです」と美博さん。自分の手で作り上げた空間で暮らす喜びは大きく、「できるだけきれいに保ちたいと、意識して暮らすようになりました」と話します。

快適なQ1.0住宅で「毎日が幸せ」

回遊動線の1階は、ほぼひとつながりの空間。間仕切りが少ないため冬は寒いのでは?と尋ねると、「この家、本当に寒くないんです」と美博さん。

断熱性の高いQ1.0住宅は暖房効率が抜群。エアコンは1階と2階に各1台設置していますが、夏も冬もどちらか1台を稼働させれば住まい全体が快適に保たれます。

美博さん:
「暖気は上に上がるから、冬は1階のエアコンを暖房運転すれば2階まで暖まります。逆に冷気は下に行くので、夏は2階のエアコンを冷房運転しています。2台同時に稼働させたのは、真冬の1週間ぐらいだけですね」

Rebornの住宅の暖房は各部屋にパネルヒーターを設置する方法が多いですが、金井さんはイニシャルコストを抑えるためエアコンのみに。これも金額ダウンに貢献しました。「この住まいは比較的コンパクトで総2階建て(※)、かつ吹き抜けで上下階がつながっているので、エアコンだけでも暖まると判断しました」と設計担当の塩原さん。
※1階と2階がほぼ同じ面積とつくりの住宅のこと

住み始めた当初、適温を探るためエアコンの設定温度を毎日記録していた加奈さん。夏の冷房は27度設定で24時間稼働させていました。すると、室温が25〜26度で快適に保たれるのだそう。

玄関上部の吹き抜けで上下階がつながるので、エアコン効率が良い

2階はホールにエアコンを設置。夏はこのエアコンで住まい全体を冷やす

美博さん:
「家の中の温度ムラも1度か2度ぐらいかな。冬の夜、2階の寝室に上がっても寒くないんですよ。ただエアコンの温風で乾燥してしまうので、塩原さんのアドバイス通り大型の加湿器を導入しています」

電気代とガス代は、アパート時代と同程度。むしろストーブに使っていた灯油代がなくなった分、全体のランニングコストは下がったというから驚きます。

美博さん:
「やっぱり家全体が暖かいって幸せですね。子どもたちは冬でも毛布をかけずに寝ているぐらいです。無垢フローリングは冬はひんやり冷たいイメージだったんですが、住んでみると一度も冷たいと感じたことがない。寒い場所がないから、子どもたちも家じゅう自由に歩き回っています。

一つだけ贅沢な悩みがあるとすれば、真冬も家じゅう暖かいので、ミカンやリンゴがすぐに腐っちゃうんですよ(笑)。お米は玄関に保存しています。冷たい保存場所をどこかに確保しておくといいかもしれません」

加奈さん:
「みかんは箱で買えなくて、実家のお裾分けに頼っています(笑)」

パントリーには食品のほかに医薬品や雑貨も収納。収納ケースは白で統一し、家族の誰でも探せるよう中身を書いたシールを貼っている

冬も家じゅう暖かく、裸足で過ごしているそう

工事中や新居完成後、美博さんの同僚や上司が見学に訪れたそう。「見に来てくれた上司が、別の部下に『家を建てるなら金井の家を見に行け!あいつのうちはすごいぞ』と営業してくれたそうなんです」。住まいの魅力が伝わってくるエピソードです。

予算も含めて、自分たちが望む形を実現した思い入れのある住まい。これから家族の新しい思い出で埋め尽くされていくでしょう。

記者感想

妻の加奈さんが選んだ家具や雑貨で彩られた楽しい住まい。「自分よりも、家で長く過ごす妻の希望を大切にしました」と夫の美博さん。けれど長い時間をかけた住まいづくりの過程を聞くと、美博さんも同じくらいの濃密さで話してくれたのが印象的でした。住まいで考えなくてはならないのは目に見える部分だけでなく、土地のこと、工務店のこと、お金のこと。あらゆる要素があるからこそ、家族でじっくり話し合うことが大切です。お2人の絆がうかがい知れるインタビューでした。

ライター:石井妙子 

写真:FRAME 金井真一 

金井様
長野県長野市 金井様
家族構成夫・妻・長女・長男
敷地面積153.63㎡
建築面積54.65㎡
床面積1階:53.82㎡ 2階:46.37㎡
延床面積100.19㎡
竣工2020年
断熱床:HGW(高性能グラスウール)16K 245㎜(大引間105㎜+根太間140㎜)
外壁:HGW16K 210㎜(軸間105㎜/外張り105㎜ KMブラケット工法)
平天井:吹き込みGW(グラスウール)18Kニューダンブロー300㎜
浴室・玄関:土間床基礎内断熱 スタイロエースⅡ 3種B 外100㎜ 内50㎜ 土間床50㎜(折返し900㎜)
家のスペック屋根:アスファルトルーフィング940+砂粒付ガルバリウム鋼板基材 ディプロマット
外壁:スイス漆喰、カルクファサード左官仕上げ
玄関ドア:ガデリウス スウェーデンドア(Rebornオリジナル面材貼り)
窓:樹脂サッシ(エクセルシャノン・トリプルシャノン) LOW-E三層ガラス アルゴンガス入り 樹脂スペーサー
換気:第三種セントラル換気 日本住環境 ルフロ400+ダクト配管φ100㎜ DCモーター
冷暖房:壁掛けルームエアコン2台
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