暮らしのことば

手頃な価格で Q1.0 住宅が手に入る「規格プラン」という選択

松本市波田|菊池様|2019年
新築

Reborn の規格プランで快適な暮らしを実現

自由に設計できる注文住宅に対し、あらかじめ構造や間取り、デザインなどがある程度プラン化された規格住宅。構造計算や家事動線など考えられて設計されているため、コストパフォーマンスや性能の高さはさることながら、新しい生活のイメージが湧きやすいのも特徴です。そのうえ、Reborn の規格(定型) プランは求めやすい価格で Q1.0 住宅が手に入るのが大きな魅力。そのメリットに惹かれ、快適な暮らしを実現した菊池邸を訪ねました。

Reborn の規格プランで快適な暮らしを実現

3 タイプから選べる Reborn の規格プラン

観光リゾート地である上高地や乗鞍高原の玄関口でもある松本市波田の新興住宅地。真新しい住宅が建ち並ぶなか、西洋漆喰で塗られた外壁が周囲とはどこか違う空気を放つのが菊池邸です。遠くからでも目を引きますし、ポストの「KIKUCHI」の表札がまた洒落ています。

迎えてくれたのは、ご主人の翔平さん。妻の結香さんは、この日は風邪気味のため、4 歳になる娘の華帆ちゃんとご実家に帰っていたそうで、インタビュー は翔平さんが対応してくれました。

では、まずは Reborn の規格プランをご紹介。以下が、31 坪規格プランで建てた菊池様邸の設計図です。

ちなみに、Reborn にはこの 31 坪規格プランのほかに、1 階の和室が 4.5 帖から 6 帖に広がり、2 階のウォークインクローゼットが 3 帖から 4.5 帖になる 35 坪規格プランと、1 階に和室がない分、学習コーナーが設置される 30 坪規格プランの 3 タイプがあります。

翔平さん:
「規格プランは本当に住みやすい間取りだったので、ウッドデッキを広くしたくらいで、ほぼプランのまま変更していません。規格住宅のよさは、安さと、すでに他の人が住んでいて最善のプランになっているので間違いないこと。耐震性も担保されていますし、施工事例や完成見学会から暮らしのイメージが湧きやすいので、冷蔵庫の大きさとか、家電のサイズを想像しやすいのもよかったです」

3 タイプの規格プランはいずれも金額があまり変わらないので、ライフスタイルによって選べるのも魅力だとか。

翔平さん:
「我が家の場合は 30 坪だと狭く感じましたし、客間としても使える和室やウォークインクローゼットもほしいと思いました。ただ、掃除の負担や将来的に僕が単身赴任になる可能性も考えると 35 坪は広いと考え、31 坪プランに落ち着きました。うちは子どもが一人ですし、4~5 人で暮らすなら快適な造りですね」

翔平さんのその笑顔だけで家づくりの満足度が伺えます。

10 社以上の住宅会社を訪ね、ネットも駆使して情報収集

大手電気機器メーカーで働く翔平さん。転勤族ゆえに、翔平さん自身は松本市街地のマンション購入を考えていたそうですが、「近所のしがらみもない分譲地 に家を建てたい」というのが結香さんの希望でした。

そこで、まずはインターネットを駆使し、ハウスメーカーや工務店など住宅会社を徹底的に調査。気になった会社は住宅展示場や完成見学会などに参加し、特に断熱を重視して、ローコスト住宅から大手ハウスメーカーまで 10 社以上訪ねたといいます。

各社魅力があったものの、費用面、性能、デザインなどの折り合いで決め手に欠けるなか、塩原さんと知り合うきっかけとなったのが、長野で自然素材にこだわった高性能の戸建住宅を建てるまでの詳細を記録した”のり”さんという管理人のブログ。数ある工務店を検討し、”のり”さんが選んだのが Reborn&坂田木材だったことに翔平さんは惹かれました。

そこで、新潟への出張帰り、思い立って Reborn に電話をし、事務所に飛び込んだそう。

翔平さん:
「塩原さんは、初見は怖い人かと思ったら愉快なおじさんで話しやすかったですし、何を聞いても知っていて頭がいい。希望を伝えると、このほうがいいとか、いくらかかるからやめたほうがいいとか即答してくれるので、家づくりがイメージしやすかったうえに、いい人だったので『この人にしようかな』と。 相性ですかね」

実はもう一社、高断熱で有名な長野市の住宅会社と迷っていたそうですが、そちらは翔平さんたちの希望よりも住宅会社の好みが反映されること、また無機質系のスタイリッシュなデザインだったことから、木をふんだんに取り入れた Reborn への依頼を決めたといいます。また、暖房に他社ではあまり見られない パネルヒーターを採用していたことも翔平さんが気に入ったポイントでした。

「パネルヒーターはやさしい暖かさで室内が暑くなりすぎず、空気も乾燥しすぎないことが魅力」と翔平さん

1 階は白、2 階は茶色のパネルヒーターで家全体の色合いを統一

帰宅してすぐに結香さんに Reborn への依頼を決めたことを伝えると、反対はされなかったといいます。というのも、華帆ちゃんがアレルギー体質だったことから、結香さんは子どもにやさしい自然素材の家を希望していたからです。

翔平さん:
「新建材で具合が悪くなる子もいますが、Reborn は全部無垢材でつくっているし、塗装も漆喰仕上げでいいよねと話しました。実は塗装は施主が DIYで仕上げることは、いざ塗る段階まで隠し通していたんですが(笑)」

その後、塗装が始まると、結香さんから「聞いていない」と猛攻撃を受けたそうですが、まずはこうして Reborn に設計を依頼するに至りました。

注文住宅の価格にびっくり。提案された規格プラン

ご夫妻の当初の希望は、車庫の上にベランダが付き、翔平さんの書斎や、趣味のホームジム、薪ストーブなどを備えた注文住宅。ところが見積もりの金額が予算を遥かにオーバーし、土地の購入も考えると現実的な費用ではありませんでした。そこで予算を塩原さんに伝えると、規格プランを提案されたといいます。

翔平さん:
「早い段階で規格プランの説明を受けて、図面を見てみたらよかったんです。 見積もりの金額も納得しましたし、見積書と一緒に分厚い冊子(参考資料)をもらえたのもいいなと思いました」

そこで、Reborn の規格プランの完成見学会にいくつか参加しましたが、千曲市での見学会で、かつて Reborn で家を建てた人に会い、話を聞くことができたことも決め手になったそう。

翔平さん:
「『Reborn の家はすごく快適だよ』と話していて、『夏場は早朝に窓を開けた後に締め切れば 1 日中涼しい』とか具体的な話を聞けたのが、妻はよかったといっていましたね」

太陽光発電システムを導入したゼロエネ仕様のオール電化住宅

こうして規格プランに決めてからは設計が早かったという菊池邸。そうしたなかで、この家の大きな特徴が、太陽光発電パネルを搭載し、ゼロエネルギー仕様のオール電化住宅にしていることです。 太陽光発電システムの導入を決めたのは、結香さんの実家が電器屋を営んでいたことや翔平さんが勤める会社で太陽光パネルを製造していたことが理由ですが、日射量が豊富な松本市波田でそのメリットをおおいに感じているそうです。

翔平さん:
「昼間は暖かいので電気代も冬場で約 1 万円、多くて 1 万 5000 円ほどで、売電収入と電気代がトントン。今月も電気代は 1 万 1000 円で売電代が 1 万 4000 円なので、プラスになっています。年間収支で考えると太陽光発電で電気代がまかなえますね」

北アルプスの麓で晴天率も高い松本市波田

22 区画を造成した分譲地の一角にある菊池邸

なお、太陽光パネルのほか、キッチンなどの住宅設備は全て結香さんの実家が特約を結ぶメーカーのもので統一しています。翔平さんは仕事柄、いろいろな展示会で建材関係も確認することから、ほかに気になっているメーカーがあったそうですが、普段キッチンを使う結香さんの希望を尊重したのだそう。

翔平さん:
「最初は造作キッチンをお願いしようと思っていましたが、ひとつのメーカー で統一したほうが見た目がきれいでまとまりも生まれます。一般的にハウスメーカーの場合、家電はメーカー指定で限られてしまいますが、塩原さんはどこのメーカーでも選べるところもよかったですね」

お気に入りの床材とアクセント壁、造作家具

では、ご夫妻がこだわったポイントを見ていきましょう。 まず、リビングの床材は木目の美しさと耐久性が人気のオーク(ナラ)材に。 翔平さんのたっての希望で選んだものです。可能であれば家中の床をオーク材にしたかったそうですが、予算の関係上、難しかったため、2 階の床は規格プラン通り、手頃な長野県安曇野産アカマツに。希望は叶いませんでしたが、幅広くて節がないうえ、針葉樹ならではの柔らかさもあるので「裸足でも過ごしやすい」と翔平さんも気に入っています。

1 階の床はオーク材

2 階の床材は安曇野産アカマツ

結香さんの希望は、塩原さんからも「最近人気」とおすすめされたテレビボー ド背面のアクセント壁。板を好きな位置に差し込んで飾り棚にできる横スリッ トの造作で、Reborn の施工事例を見て気に入ったのだとか。小物などを自由に レイアウトして楽しんでいます。

そして、大きなテレビボードは造作品。翔平さんが希望のデザインを絵に描いて作ってもらったお気に入りで、塗装は菊池さんご夫妻が DIY で手がけているのが Reborn 風です。

翔平さん:
「このサイズのテレビボードはなかなかなく、あっても高価なので、同じ金額 を払うなら作ってもらったほうがいいなと大工さんにお願いしました」

収納面も優れていたりと、使い勝手がよいそうです。 造作品といえば、姿見やスリッパラックなどが付いた玄関収納も造作家具。もちろん、こちらの塗装も菊池さんご夫妻が DIY で手がけ、ドアの色と合わせた 濃い目のブラウンで統一感が生まれています。

なお、玄関ホール壁面のゆるやかなアーチ型のニッチは、塩原さんの遊び心によるものだとか。

翔平さん:
「塩原さんが『何か飾ってね』と作ってくれました。このアールの曲線が塩原さんのこだわり。妻はシンプルなディスプレーがいいと、小物や小さな絵を飾っています」

大きなニッチによって空間に奥行きが生まれていますし、間接照明でよりおしゃれな印象に。ディスプレーによって個性や季節感も表現できるスペースは、 もしかして可愛らしい家が好きな結香さんの好みを汲み取った塩原さんからのプレゼント?

ひと間続きの開放的な LDK と、その先に広がるデッキテラス

玄関ホールから続くワンルームの LDK は、構造体である梁を化粧梁としてその まま見せた造りで、天井も構造用合板のあらわし。結香さん好みの濃い目のミディアムブラウンに塗られています。しかし、この塗装の色、選択肢の幅が広くてかなり迷ったそう。

翔平さん:
「人によっては梁を黒色に塗装して天井は白の漆喰で木目が見えないようにスタイリッシュにしたりするそうですが、イメージが湧かなくて悩みました。それに、ハウスメーカーならカタログから内装のパターンや色を選びますが、 Reborn の場合はカタログを渡されたのが、畳の帯の色と浴室の床のタイルを選ぶときくらい(笑)。奥さんが壁紙や内装を選びたい家庭の場合は Reborn で建てられないかもしれません(笑)」

ちなみに、畳に関しては縁のない琉球畳を希望したそうですが、塩原さんから 「値段が高いだけで劣化しやすく、何もいいことがない。縁があったほうが張り替えも楽だし安い」と反対されたのだとか。さすが、はっきりと意見をいう塩原さんならではのエピソードですが、塩原さんを信頼していたからこそ、結果的に翔平さんも縁ありの畳を選んだのでしょう。

リビングの南面には幅 3m の大開口の掃き出し窓があり、その先の庭に面したウッドデッキを規格より広めの 6 帖にしたのは、ご夫妻のこだわり。利便性や安全性、庭との連動性を考えたそうです。

翔平さん:
「外構屋さんもウッドデッキが広いほうが絵になるというので、外構屋さんの意見も取り入れながら、塩原さんと話し合って決めました」

実際に広くしたことでリビングの延長のように使え、ポストに届く郵便物もウ ッドデッキから取れるので便利なのだとか。また、夏はデッキテラスで BBQ も楽しんでいるといいます。

翔平さん:
「木なので熱くならないのがいいですね。最初はタイルデッキを考えていたんですが、これも『見た目はきれいだけど熱くなるし滑るし、いいことは何もない』と塩原さんにいわれてウッドデッキにしました」

床板はサワラの無垢板のすのこ張りに。露天下で経年劣化しやすいため、将来的に簡単に交換ができるようステンレス製のビスで固定されています。

キッチンからウッドデッキに出る勝手口の庇にも塩原さんの遊び心が効いたポイントが。既製品の庇の軒裏に玄関ドア製作で余ったレッドシーダー材が張られています。

2 階に付けられたベランダの手すり壁もレッドシーダー材で、内側の床板はすのこ張り。軒が広く出ているため、通常の雨であればベランダの床が濡れることはありません。狭間(さま)とよばれる小窓がアクセントになっています。

翔平さん:
「この狭間も Reborn の施工事例を見て、松本城をイメージして作った方の家のベランダの四角い穴が可愛いと妻が希望しました」

ちなみに、手すり壁の素材はレッドシーダーのほかにファサードラタンとシベリアンラーチ、3 種類から選べたそうですが、「“さらさら”か“ザラザラ”かどちらがよいか聞かれたんですがよくわからず、木の雰囲気がいい“ザラザラ”のレッドシーダーにしました。ただ、洗濯物や布団を干すときに木が刺さるので“さらさら”にしておけばよかったですね(笑)」

機能性か見た目重視か。今後、規格プランでの家づくりを考えている方はぜひご参考に。
なお、このベランダが直下の掃き出し窓の日除けの役割も果たしています。

玄関までのアプローチになる庭にもこだわりを

庭にもご夫妻のこだわりが詰まっています。当初、高価な外構費を考慮すると砂利にすることも考えたそうですが、塩原さんの提案で平成 30 年度地域型住宅 グリーン化事業・高度省エネ型・ゼロエネタイプの補助金 140 万円が受給できたため、結香さんが希望する「子どもが遊べる可愛らしい庭づくり」をすることに。

翔平さん:
「補助金のおかげで庭をつくれたので、やはり補助金の有無は大きいですし、申請も塩原さんが手続きしてくれて助かりました」

外構もさまざまな専門業者で話を聞きましたが、施工事例を見て気に入ったのが、すぐ近所にあり、数々の受賞歴を誇るエクステリア専門業者「SEEDS」。

翔平さん:
「図面を色鉛筆で手描きしてくれる会社で、ポストのかたちまで提案してくれました。間接照明のような木のライティングなどを聞いて妻がやる気満々になって、家づくりより夢中になっていました(笑)」

ポストのかたちや横のサインは提案によるもの。また、奥まった玄関までのア プローチは結香さんの希望でレンガ敷になりました。

翔平さん:
「外構は費用がかかるので、SEEDSさんもやりたい設計ができない場合が多い そうですが、うちは補助金もあったので、SEEDS さんの思う通りにお願いしました。SEEDS さん的にも喜んでくれましたし、うちの庭を見て周りの家が SEEDSさんに頼んでいて、その契約のたびに謝礼金もいただけるので相乗効果 が生まれています(笑)」

この菊池邸の庭はメーカーの外構デザインコンテストでも優秀賞を受賞し、翔 平さんたちは賞品に東京ディズニーリゾートチケットをもらえたとか(残念な がら新型コロナウイルスの影響で行けなかったそうですが...)。 ほかにも松本市の緑化事業に協力したとして生垣設置補助金 5 万円が受給でき、 プラスαの利点が多かったそうです。

家族仲が深まった思い出深い DIY

ところで、当初は結香さんに内緒にしていた DIY。その裏話も聞きました。

翔平さん:
「内装はビニールクロスにするなら職人が張ってくれますが、同じ値段で漆喰 にできるなら自分で塗ったほうがいいと塩原さんに勧められて、いざ妻に伝えたら驚きつつも、最初の一面を塗るのは楽しそうでした。でも、一回塗ったら 『もう腕が上がらなくて無理』と(笑)」

コテ塗りよりも簡単な分、二度塗りが必要なローラー塗りにしましたが、冬季 だったため一回目の塗装がなかなか乾かず苦労したとか。さらに一面を塗ると、 別の面の塗装の薄さが気になったりと、延々と繰り返してしまったといいます。

翔平さん:
「漆喰だけでなく、床も天井も扉もオイルステンを塗りましたし、造作家具も含めて、ほとんど全て塗装しました。逆に塗っていない場所はないくらい。オイルステンも木材が油を吸うので塗る加減がわからず大変でしたね」

さらに、補助金の関係でかなりタイトなスケジュールだったことから、工期の要求が厳しかったそう。1~2 カ月かけて土日に集中的に現場に通い、大工からは職人の一人のように声をかけてもらって仲よくなったとか。

翔平さん:
「妻は周囲の女友だちが DIY で家づくりなんてしないので『なんで私だけこんな苦労をして家を塗らなきゃいけないの』と塗りながら愚痴っていましたが、 『自分たちは塩原さんに雇われた職人だと思え。今から“やっぱりできません” は通用しないから頑張ろう』と説得し続けました(笑)」

その結果、大工から「早いほうだ」と褒められたそうですが、それでも期限が迫り、最終的に結香さんのご両親も塗装に加わったとか。

翔平さん:
「妻の両親が積極的に手伝いに来てくれて、みんなで漆喰だらけで塗ったので 家族仲も深まりました。妻の実家は自営業ということもあってもともと仲がよく、みんなで力を合わせている感じがいいなぁと思いながら塗りましたね。おかげで妻の両親もこの家に愛着があるといってくれています」

もちろん、菊池さんご夫妻の愛着はいわずもがな。

翔平さん:
「マスキングがめちゃくちゃ面倒でしんどかったんですが、傷跡もよい思い出ですし、自分で直せるのも DIY のいいところ。特に妻はすごく家に愛着を持っいて、今でもたまに『ここが大変だった』と思い返しています」

塗装ひとつとってもエピソード満載なのが Reborn ならでは。それに、結香さんは壁紙などが選べなかった分、カーテンや照明、家具選びは本当に楽しそうだったとか。

翔平さん:
「初めて選ぶ喜びを味わっていました(笑)。ただ、ハウスメーカーだとカタログから選ぶようになりますが、Reborn はカタログなどに縛られずに自由に選べ、 買ってきた照明などを置いておけば設置してくれるのもよかったですね」

夏涼しく冬暖かく、外の音も気にならない快適な我が家

こうして完成した菊池邸。住み心地はいかがでしょうか。

翔平さん:
「この家は玄関ホールにも LDK にも扉がないうえに大きな掃き出し窓まである のに暖かい。結露も全くしませんし、風呂上がりに浴室から室内への温度差もないから老後も安心かな」

高断熱のおかげで床が冷たくなく、冬も裸足で過ごせているそう。

翔平さん:
「一年を通して室温が一定で、夏は涼しいし冬も寒くなりません。室内が快適すぎて家にいる時間が長くなりましたし、冬は玄関から出た瞬間にヒートショ ックが起きそうです(笑)」

暖房はパネルヒーターのみですが、気温が上がる午前 10 時に自動的に電源が切れ、その後は暖かさが持続するのだとか。なお、窓は全てトリプルガラスの樹脂サッシです。

翔平さん:
「塩原さんが『先着数名でペアガラスからトリプルガラスに変更する』というので、お願いしました。それに、塩原さんの見積もりは明朗会計で、見積書の金額を見ながら DIY による工費の節約などを話せるので非常にやりやすい印象でしたね」

華帆ちゃんのアレルギーも問題ないそう。また、ご近所全体で付き合いがあり、週末に一緒に BBQ をしたりと遊んでいるそうですが、ハウスメーカーで家を建てたご近所からはうらやましがられることも多いとか。

翔平さん:
「みんな『夏暑い、冬寒い』といっていますが、うちは何の悩みもありません し、大手工務店に勤めるご近所さんからは『この建築費でこの断熱の厚さは、うちの会社なら無理』と驚かれます。娘も友だちの家に行っても『寒い、帰る』 といってすぐに帰ってきてしまうほどです(笑)」

また、ご近所からはパネルヒーターを設置したうえでの建築費の手頃さにも驚かれるのだとか。それに、建築後しばらく経っていても、いまだに「木の匂いがする」という人もいるといいます。

さらに、家のすぐ目の前を線路が通っていても、厚い断熱材とトリプルガラスに守られ、漆喰に吸音効果もあることから、電車の音は全く聞こえないそう。 そして、31 坪とは思えないほど広く感じるのも魅力だと翔平さんは話します。

翔平さん:
「大手工務店の建売住宅が周辺にありますが、吹き抜けで広さを出しているものの、すごく狭い印象を受けました。この家は扉がなく収納スペースが少ないこともありますが、収納があったらもっと狭くなりますし、ないならないなりに工夫するしかないところもよかったかな」

一方、扉がないので、リモートワークが多い最近は、仕事中の声が家中に筒抜 けになるのがコロナ禍ならではの悩みだとか。それでも塩原さんの提案でリビ ングを間接照明にしたため、夜になると自然と暗くなって眠くなる穏やかな生活を過ごせているといいます。家自体は南向きなので、日中は光が入って明るいそう。

そして、夏は階段部分に取り付けた 8 畳用エアコン 1 台で涼しく、真夏の酷暑 が続く 1~2 週間は 1 階に冷気が届かない日もあるものの、その期間外は早朝に窓を開けて朝の涼しい風さえ入れれば、1 日中 24°Cほどで快適に過ごせると いいます。

翔平さん:
「窓を開けていると気持ちのよい風が抜けるように計算されているのもプロならでは。それに、塩原さんは玄関の鬼門の方角などを教えてくれたのもよかったですね」

トイレがふたつある設計も便利だそうで、結香さんはコンセントが多いところも気に入っているそうです。さらに、家のデザインに飽きが来ないのも魅力だと翔平さん。

翔平さん:
「周囲の家はサイディング材の外壁が多く、どこのハウスメーカーで建てても同じような見た目ですが、うちは特徴的な見た目なのも気に入っています」

たしかに、密集した住宅街ながら「漆喰の家」というキーワードだけで探せる ほど、菊池邸はいい意味で周囲から異彩を放っています。

情報をきちんと集め、つくりたい家のイメージを明確に

それでは、今後 Reborn で家づくりをする人に向けてのアドバイスもいただきました。

翔平さん:
「塩原さんは基本的には何でもやってくれるし何でも知っている分、頭がよすぎるので、ある程度ちゃんと調べた人ではないと会話が成り立ちません。決して、優しくはないので(笑)」

ハウスメーカーの営業は優しくわかりやすく説明してくれるのに対し、塩原さんはわかっている人にしか説明してくれないのだとか。

翔平さん:
「きちんと調べた人しか Reborn に行き着かないとは思いますが、塩原さんは優秀ゆえに聞いたことは答えてくれるものの、ちゃんと質問しないと教えてくれません(笑)」

一方で、「希望や変更があればすぐに対応してもらえ、決断が早く、経験則でア ドバイスしてくれるお客さんに寄り添ったサービスもよかった」と翔平さん。

翔平さん:
「だから、最初にしっかりとヒアリングもしてくれますが、やりたいことは積極的に伝えたほうがいいですね。提案もしてくれますし、できないことはできないとはっきりと言ってくれるのもいいところです。ただ、そこは好き嫌いが分かれるので、やはり相性ですね」

その相性を確かめるためにも、Reborn の見学会はたくさん参加したほうがよいとのこと。特に断熱性能のよさがわかる真冬と真夏の完成見学会はおすすめだといいます。

翔平さん:
「真夏に塩原さん家に行ったらエアコンが付いていないのに涼しくて、エアコンを付けたらもっと涼しくて断熱の大切さを実感しました。住宅展示場は 24 時間エアコンが付いているのでリアルな感じがわかりませんが、Reborn では良くも悪くも等身大の家を見ることができます」

こう話す翔平さんのコメントも等身大で、塩原さんとの相性のよさが伝わって きます。

熱望するのは「Reborn 施主の OB 会」!

DIY についても苦労があった分、アドバイスが続きます。

翔平さん:
「軒天や屋外も自分で塗り、塗装中は屋根の上で太陽光パネルの施工が見えたくらいなので、高所恐怖症の人は DIY ができないかもしれません(笑)。ローラーも最初に支給されますが、すぐにダメになるので、自分で塗りやすいローラーや刷毛を考えて買っていると道具に詳しくなりました(笑)」

しかし、こうした DIY の苦労を一緒に苦労乗り越えたおかげで、夫婦仲も深まったそうです。

翔平さん:
「設計は規格プランでほぼ決まっていたので、あとは DIY でひたすら頑張るのみでした。妻だけ塗装に行った日は髪に漆喰が付いていたり、塗装の特殊な匂いもしていて『一緒に歩きたくないな』と思ったりしましたが、そういう苦労も乗り越えてきたので夫婦仲も良好です(笑)」

そのうえで、翔平さんが「これがあったらいい!」と力説するのが、OB 交流会。

翔平さん:
「これまで Reborn で家を建てたことがある OB の皆さんはそれぞれにこだわりや苦労がすごいでしょうから、経験談を話し合う OB 交流会があったらいいですね。なので、これから家を建てる人は、塩原さんの話を聞いたうえで OB と話せる機会があれば話したほうがいいと思いますし、お客様の声(暮らしの ことば)も読んだほうがいい。普通はあまり苦労話をせず美談で終わるので、お客様の正直な話は参考になると思います」

OB 交流会は実現したら本当に面白そうですが、かえって収拾がつかなくなるかも...!? ちなみに、結香さんのお兄さんも現在、Reborn でのリフォームを検討中だとか。そうそう、Reborn はリノベーションでも本領を発揮しますからね。 住宅情報誌などに広告を出していない分、このように口コミで情報が広まるの も Reborn ならではといえそうです。

翔平さん:
「当初は車庫や書斎、薪ストーブを希望していましたし、僕は大理石などの素材も好きなので、最初に思い描いていた家とはだいぶ違うかたちにはなりましたが、快適性を優先するなら Reborn の規格プランはベストな選択だったと思います」

手の届く範囲で憧れの Q1.0 住宅を実現できる Reborn の規格プラン。使い勝手のよさも考えられているうえ、デザインや素材がある程度自由に選べるのも Reborn ならではの魅力です。

翔平さんの言葉の端々から満足感が伝わりましたが、“ベストな選択”とはなかなかいえないもの。その背景には、とことんまで調べ、家づくりで重視したいことを明確にしていたからこその納得があるのだと感じました。

記者感想

家づくりは、ほとんどの人が初めて経験することだからこそ、迷いや悩みはつきものです。だからこそ、納得の住まいのためには、自分で選ぶ力を身につけなくてはいけません。翔平さんは「ちゃんと調べた人しか Reborn に辿り着けない」と話すだけあって、情報収集を徹底し、きちんと自信を持って見極めていたことも、後悔のない家づくりにつながったのでしょう。 それにしても、”のり”さんのブログは筆者も読んだことがありますし、これまで 取材した方々からも「参考にした」との声があがっていましたが、Reborn における宣伝効果はなかなかのもの。今後、紹介手数料のお支払いが発生するかも ...!?

という冗談(?)はさておき、今回の菊池さんご夫妻のお話をはじめ、今まで のお施主さんの話を聞いて共通して感じることは、Reborn で家づくりをする人の誰もが、Reborn の住宅の性能やデザインはもちろんのこと、塩原さんの人柄に惹かれ、信頼して依頼しているということです。「相性が合わないと家づくりはうまくいかない」ともいわれますが、家づくりは人生を左右するほどの大きな買い物だからこそ、設計士との信頼関係や相性は大切ですし、そのためにお互いの考えを明確にして、正直に腹を割って話し合うことは重要なのだと改めて感じました。

また、家づくりは「理想の暮らしのイメージ」も大切とされますが、「規格プランは暮らしのイメージがしやすいのもよかった」と話す翔平さんからは、“いいと こ取り”の規格プランのお得感がたっぷりと伝わってきました。 そのうえで「『暮らしのことば』もしっかりと読んだほうがいい」との言葉を聞き、気持ちが引き締まった次第です。

ライター:合同会社ch. 島田浩美

写真:FRAME 金井真一

菊池様
松本市波田 菊池様
家族構成夫・妻・長女
敷地面積221.48㎡
建築面積59.42㎡
床面積1階:56.31㎡ 2階:46.37㎡
延床面積102.68 m²(31.11坪)
家の仕様木造軸組工法2階建て
竣工2019年
補助金平成30年度地域型住宅グリーン化事業(ゼロエネ)
断熱床: 高性能グラスウール16K 140㎜+付加断熱105㎜=合計245㎜
壁: 高性能グラスウール16K 105㎜+付加断熱100㎜=合計205㎜
天井:グラスウールブローイング13K 300㎜
屋根:高性能グラスウール18K 300㎜
家のスペックサッシ:シャノンウィンドー 樹脂枠 断熱トリプル(EA) Ar16遮熱トリプル(グリーン) Ar16
換気:第3種セントラルダクト方式 日本住環境社ルフロ400
暖房:PS温水パネルヒーター9台 アコヌクールピコ(ヒートポンプ式熱交換)
冷房:階段室に壁掛けルームエアコン1台
屋根:ディプロマット
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