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国産ペレットボイラー視察@高遠町

2017.05.13

桜の名所として名高い伊那谷・高遠(たかとお)。 「さくらの湯」に行って参りました。   「おや? 久しぶりにゆっくりしてきたのかい?」   そんな声が聞こえてきそうですが、お風呂ではなく、その熱源のボイラーについての視察です。 残念です。   Exif_JPEG_PICTUREまだ桜の花びらが少し残っていました。 まさに早春、といった感じです。 空気がおいしい。 山が笑っている、 というのはこういう風景のことなのでしょう^^ さくらの湯は、地元の方(おばば・おじじ)で平日にもかかわらすたいそうな賑わいぶりです。     Exif_JPEG_PICTURE一昨年前に、それまで重油ボイラーだった熱源。 長野県の補助金に背中を押されて、いざペレットボイラーに。 総額4000万(2000万自己負担・2000万長野県の税金)の設備です。 せっかくだからと、静岡県磐田市の二光エンジニアリング社の国産ペレットボイラーを採用。 燃料となるペレットは、地元の木を間伐して製造された、上伊那森林組合製のピュア1号。 かつては外国産のペレット&外国産のペレットボイラーにシェアを奪われていた日本ですが、 地産地消を目指すその姿勢、その理念に共感し遠路はるばる見学に行ってきました。   Exif_JPEG_PICTUREシステムの説明を聞いています。ボイラー製造メーカーさんがわざわざ説明に来てくれました。 しくみはいたってシンプル。 大型サイロにペレットをがさっと入れておき、らせん型の芯棒が入ったパイプのなかでペレットが移動し、 燃焼室にペレットが投入されます。種火によって着火。送風して完全燃焼に。 ペレット(おがくずを固めたもの)を燃やすと、当たり前ですが、熱がでます。 いや、当たり前ではないのかもしれません。 木が燃えると熱が出る。燃えるという現象は不思議といえば不思議。   その熱が伝わるような直上タンクに水が入っており、水をお湯にしてくれます。 このお湯をそのまま湯船に流すのではなく、水道水(この温泉では源泉)に熱交換(熱の移動)しています。   Exif_JPEG_PICTURE 超、しっかり燃えています 中のしくみは企業秘密のため、ピンボケにしてあります(ウソ)   Exif_JPEG_PICTURE すぐそばに配管がうねうねしています。 熱交換器があるの分かりますか? (ワカンネェダロウナァ~) 昨年は1年間を通して約90トンのペレットを使ったそうです。 1日平均280kg。けっこう燃やすんだなぁ、というのがわたし個人的感覚。 小錦(こにしき)1人前です。 そんでもって、最終的に出る灰が、わずか1kg/日!!   Exif_JPEG_PICTURE   温泉に来る人に無料で分けているそうです。 土壌改良材(肥料的な)や融雪剤として利用しているんだそうです。 まさに骨の髄まで。魚の骨を天ぷらにして食べるのと同じです(オナジジャナイッテ?) これが小錦3人分の灰です。 こんな風に書くと、なんだか禁断の話のようになるので、これ以降小錦は控えます。 直感的ですが、 この灰は、もしかすると、内壁に塗るしっくいに混ぜると面白いかもしれません。   Exif_JPEG_PICTURE 外のペレットサイロ。 5トン分入るそうで、1か月に2回、森林組合さんが放っておいても入れに来てくれるそうで、世話がありません。 ペレット製造工場は、全国で約140か所あるそうですが、この地で造られるペレット=ピュア1号(という商品名)は最高レベルの品質だそうで、品質の良さが灰の出方に大きく影響するらしい。良質なペレットは、灰として残存する量が重さで0.5%以下だそうで、ピュア1号は280kgで1kgですから0.35%と計算できます。 これはまじですごいことだそうで、日常的に行われるべき”灰かき”にかかる世話がとても楽で、さくらの湯を運営する側の人で、簡単にでき、メンテナンスコストが軽減。 1週間に1回程度の灰清掃ですんでしまうのだとか。 う~ん、なんとか家庭用の良質なペレットボイラーがないもんでしょうか? 早速質問してみましたが、「うちはいまのところつくっていない・・・」だそう>< 今後の商品開発に期待です!   Exif_JPEG_PICTURE午後は、上伊那森林組合に移動し、ペレット製造過程を拝見しました。 この地では、原料のほとんどがカラマツと赤松だそうです。 間伐材をまずはおがくずにします。 赤松は黄色、カラマツは赤身のおがくずになっていました。 なんだかイメージと逆です。   Exif_JPEG_PICTURE みよ! アカマツの滝を! 触るとちょっとべたつく感じで、やや生暖かい。   Exif_JPEG_PICTUREこっちがカラマツのおがくず   Exif_JPEG_PICTUREこのおがくずを、 ①温風で乾燥させる ②圧縮成形 ③不良品をはじく(選別) ④袋詰め ⑤出荷準備 おおきくはこんな工程を経て、全国に出荷されます。   Exif_JPEG_PICTUREできたてほやほやは80℃くらいの高温で、 接着剤は全くなく、 リグニンという木の持つ成分のみで形成されるそうです。 なんとなくドッグフードのようね・・・。 おなかすいて、、、、 きませんね・・・・。     Exif_JPEG_PICTURE見たことある人もいると思うけど、最終的には10kgの袋詰めで出荷されています。 ピュア1号 価格は10kg袋入りで486円(消費税込み、配送料別途) 重油や灯油、そして電気は非常に価格変動が大きい昨今ですが、 ここ数年、ほとんど変わらないペレットの販売価格。 使用量が増えてゆけば、むしろ値下がりしること間違いなし。     Exif_JPEG_PICTURE悪口ではないのですが、お米の袋に入ったペレットもあるらしい。 つまり品質や製造会社の理念もバラバラだ、ということ。 また、ペレットストーブも、ペレット材との相性がとても重要らしい。 燃料としての品質安定も、全国的にみれば、ペレットの大きな課題ではなかろうか。   Exif_JPEG_PICTURE住宅の高断熱化(Ua値=0.4程度)がすすめば、 ペレット1袋(10kg)/日で十分に暖房は賄えると考えています。 10kg×暖房期間5か月(150日)として、150袋。 400円/袋として¥60,000 それはそれでいい感じではないでしょうか? さらに、太陽集熱器+補助熱源として小型ペレットボイラーにより熱を蓄え、熱交換し温水暖房&給湯なんてどうでしょう。 あと5年以内に、そんな真にエコ設備を信州の住宅に採り入れたいと夢見ているのです。   2017.5.12 Reborn塩原(毒度7)

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