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薪ラック・薪棚・薪小屋 開発の裏側③

2012.02.19

今回は「知っているようで知らない薪のこと」 自分で薪を乾かすとなると、知っておかなければならないことが増えます。  薪は1把、2把と数えますが、ではその実体は?  どんな積み方がよく乾く保管方法か?  間伐材利用の動きも活発化し始めています。  それらを簡単に解説します。   A.薪の規格 一般的な規格を基準とします。 1束=直径22.5cm×45cm 体積は18リットルで一斗缶と同じ。 重さは8~14Kg (比重はスギ0.4~ナラ0.7(絶対乾燥)ゆえに、7.2~12.6Kg+水分10%) ●針葉樹は木の中に空気が多いため軽くなります。 材の重さに対する水分の重さを含水率と呼びます。 おおむね15%以下がよく乾いた薪です。 ●重さは、樹種と含水率によりかわります。 発熱量に関係するだけに困ったことです。 ●薪の大きさは、22.5cm丸太を四つ割にすると 約11cm×11cmの扇形となります。   B.薪はどこから乾くか 木目や繊維による差が無いと仮定した場合、計算上は 繊維方向に割った面から84%乾きます。両端(木口)からは16%しか乾きません。(したがって木口が少々濡れても気にすることはありません)樹皮のついている面からはほとんど蒸発しないと考えられます。 ●きちんと乾燥させるためにはとにかく原木を割る、そして割った面に風を当てることです。 冬場に伐採した薪はラック(棚・小屋)にいれてひと夏越せば焚けます。 いつ薪割をしたか日付を書いておくと乾燥の目安となります。 薪の木口に発生した割れ目が、その後狭くなったこと、触ると乾いていて冷たくないこと、拍子木のように叩いて乾いた音がすること、重さや色、などからもある程度判断できますがむずかしいです。市販の含水率計などを用いて乾燥度をチェックすることもできます。 C.薪をどう積むか ① いげた ・・・充填率約55%。充填率は悪いが、乾燥はいい。積み下ろしに手間がかかります。       ②上向き・・・充填率約80%、生木に適する 充填率・乾燥とも中間です。実用的でおすすめです。       ③密着  ・・・充填率約95%、乾燥済みの場合はこれが良い。 たくさん入るが乾燥させる場合、乾燥の進行度は悪い。     ●乾燥のためには、隙間を空けて積むことが大事。   D.針葉樹の間伐材を焚こう 間伐材は燃費節約になる ナラは針葉樹の1.5倍火持しますが価格は2倍 針葉樹の間伐材のほうがローコストです。そのうえグリーン材(生木)なら乾燥の手間が含まれないからさらに安くなります。 ●間伐材を焚いても問題ない 針葉樹は油煙が多めですがよく乾燥していれば問題ありません。 時と場合にあわせてナラと使い分けて焚いてはいかがですか。 ●森林保全のためにも間伐材を焚こう 日本の森林は病んでいます。復活させるために薪ストーブでできることは協力しようではありませんか。ましてコストメリットもあるのですから。

山に放置された間伐材

          E.薪の消費量は 前記の太薪を2本ずつ2時間おきにくべるとします。 一日当たり16時間焚くとして 16h/2h×2本=16本=4束/日 1月と2月はフルに焚き、12月と3月は半分とすると シーズンあたり360束となります。地域差や個人差も大きいでしょうから100~600束、平均300束程度でしょうか。 ●ランニングコストは グリーン材(間伐材の未乾燥薪)が200円/束として、 300束で6万円、月当たり1~2万円となります。 ナラ材の場合はほぼ2倍になります。燃料費が高いか安いかは、薪ストーブの暖房以外の効果も含めて考える必要があります。また無料で廃材や伐採木などを入手できることもあります。 また現在、灯油は薪より2割ほど安めですが将来は判りません。 総合的に判断すると、薪はローコストだと思われます。 なお、グリーン材(生の薪)は乾燥薪よりもローコストですから、乾燥用の薪ラック(薪棚・薪小屋)は数年で元がとれます。 

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