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岐阜県高山市 住宅点検

2013.06.29

7年ぶりに再会しました。岐阜県高山市 旧荘川村のOさま邸へ。某有名電気メーカーをめでたく定年退職し、薪づくりや土いじり家いじりの毎日だとか。極寒の荘川。冬は積雪も多いうえに氷点下20℃以下もたびたびで、冬の天気予報を眺めているとたまに全国で最低気温をマークしています。でもいいとこだよ~ここは。この時期はまだ春な感じ。半そでは寒いです、はい。いいなぁ。うらやましい! 掘れば石がごろごろでてきます。それをこつこつ積み上げ、いい感じの土留めが出来ていました。ウリン製のデッキもご自身で拡幅したそうです。すばらしい!           ここは勝手口なのですが、ほぼ玄関!               本当の玄関はここなのですが、現在アプローチを造成中。屋根向きを考えると、冬はやはり使いづらいですね。           勝手口を入ると、真正面に玄関ドアがあるレアな間取りです(笑) 土間といいますか、バックヤードといいますか、工具置き場といいますか、なんとも面白い玄関ホールです。冬はここに野菜や果物を置いているそうです。そう、高断熱の家は、家のなかで寒い場所がないので、リンゴがすぐにボケる、漬物を置くところがない、などのクレームをよくいただくのです。苦笑いクレームなのですが・・・。       あ、思い出しました。 新築当時、大工さんが本当に泣きながら納めた玄関框(げんかんかまち)。 写真をクリックして、よ~くご覧ください。7年経った今でもちゃんと隙がありませんねぇ~。うむむ。 さすがだ。       VCアンコールレッド。高いよ~。これは。 Oさんいわく、「薪ストーブはサイコーよ。これが無かったら生きていかれんわ。」 「トイレやお風呂も、これ1台で十分あったまる。やっぱ断熱がいいからな。よその家に行ったらまるで違う」 「吹抜けがあって寒くないか?そんなんまったくない。逆にあった方がええよ。」       薪の調達や使用量について尋ねました。 「森林組合にお願いして、毎年ナラ原木で7t分買ってるよ。1t ¥13000で税込、配達費込み。割るのは斧1本で割ってる。それは大したことないけど、チェーンソーで切って、運ぶのがえらい。痩せるわ~」 とリアルなご意見をいただきました。 7t分といえばおよそ700束分。乾燥ナラ薪の相場は¥600程度/束ですから、購入してしまえば¥42万!それを自分でつくれば¥91000と計算できます。時間がある方はいいのですが・・・。   そして恒例の屋根裏チェック。 たしか設計では高性能グラスウールが200mmだったけど、なぜか400mm入ってる・・・。 なぜだ?       そしてメインディッシュの床下へ(笑) 定番の高性能グラスウール140mmです。写真をクリックしてよ~く見ると分るのですが、そこはカメムシ死骸の海です。あの香りはしませんが。       1年のうち、ある特定の1日に毎年大量発生するそうです。 「うちは家の中に入ってこないけど、よその家は大変らしいわ。ありがたいこっちゃ。」(気密がとれているという意味)       さらに奥へ進むと問題発生! 土台や大引き(おおびき)と呼ばれる構造材=ひのき の表面にカビが! どうも床下の換気不良が原因のようです。腐ってしまうほどではありませんが、改善が求められます。     いったい原因は何でしょうか?床下に潜る前に、外の家の廻りを点検した段階で、ある程度予測はしていました。 実はこれが原因です。そう薪たな。 はい、賢明な読者の方はもうお分かりですね。 そう、床下への換気障害物となってしまっています。ビニールで覆われているのがよくありません。 この棚が建物沿いにずらっと並んでいます。 建物から薪が離れているところまではいいのですが、ビニールを外して、薪の乾燥を促進させると共に、床下への換気必要性も頭に入れておきましょう。   デッキの下に薪を積むこともやめてください。通気障害になるばかりでなく、白ありの攻撃にあいやすい場所です。 このお宅は、建物の4辺のうち、3辺が床下への通気が十分できない状態にありました。最低でも2辺は通風良好にしたいものです。デッキがぐるっと3方に回っているつくりをよく見かけますが、設計上工夫をしないと床下が危険です。   薪の保管場所、大事です。原木の仮置き→チェーンソーによる玉切り作業場所→マキワリ作業場所→薪保管場所→室内搬入経路→灰の捨て場所、これらを十分に練ったうえで住宅設計しなきゃですね。 たかが薪小屋ですが、このように建物に悪影響を及ぼす可能性があります。  

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