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米杉ざらざら外壁材のせいにしてはいけません~雪国の外壁

2015.02.22

長野市、雨が降っています!春雨か!? あぁ~春巻きが食べたくなってきたぞぉ~(^_^)/~ パリパリの揚げたてのやつね~♪   この時期比較的落ち着くのが建築業界の常ですが、わたくし塩原はまさに今が勝負所。 来たるべき春の着工に備えて図面をシコシコ書き続けております。設計業務は来月3月が沸点に達することでしょう。   でもそれだけではありませんよ!OB宅の点検やメンテナンスも精力的にこなしています。大久保クンが入社してくれたおかげで、ずいぶんいろんな動きが出来るようになりました。 そして先週日曜日は二人で長距離初デートへ(笑)   写真 1 (2)17年ぶりに訪れた福井県のS様邸ポスト&ビーム工法のログハウスへ。 新築当時、私はまだ23歳という若さでありまして・・・、 当然この辺りには肉はついておらず・・・、キビキビ大工として参加したんです。 信じてもらえないでしょうが(笑) 外壁は、今なお私が積極的に採用し続けている米杉(ウェスタンレッドシーダー)ざらざら仕上げ。 『北面からの雨もりがなかなか解決できない(>_<)』 会社が無くなってしまった以上、もうこれは私の信念にかけて直してみせますよ~!   DSC_0009よく、『雪国における外壁はいったいなにが正解なのか?』 という議論になるのですが、私は迷わず、 「木の壁です」、と答えます。もちろん防火上の問題がある地域もあるのですべての地域で対応出来ないのですが、 窯業系サイディング、板金、モルタル、しっくいなど、そうしたものと比較してのことです。 あ、樹脂サイディングもいいですね~。塩ちゃんイチオシです。 これが北側面の全貌です。この外壁面が濡れるような横殴りの雨またはみぞれが降ると、室内に漏水が起こります。   IMG_03391階と2階の境目に位置するこの辺りからの漏水が疑われますが、 すでに過去のSOSによりコーキング(シリコン製)が徹底的になされており、決定的な水の侵入経路が特定できませんでした。 塩ちゃんブログをいつもご覧いただいている読者の皆様はすでにお感じかもしれませんが、この水切りはNGです。 水平方向の出が短いうえに連続していません。 このまま放置すれば、いずれこの丸太の梁は表面から徐々に腐ってゆきます。幸い軒の出(屋根の張り出し)が深く(大きく)、 年間の平均気温が低いせいか、まだ腐れはさほど進行しておらず苔の発生程度に留まっています。     DSC_0021この木製ドア勝手口もNGです。屋根がないので風雨にさらされだいぶ傷んでいます。 このお宅を新築した数年後に、当時の会社内部で「屋根が直上に無い木製ドアの設計禁止令」が出たのですが、 雨漏り発生はもちろん、ドアパネルの反りによる閉まらない・開かない事件が頻発し、結果的にお客様にご迷惑をかけてしまうのです。 しかもそれが築後数年間のうちに一気に進んでしまうのが常です。塩原も何度ドア建て付け調整やコーキングをしたか分りません(@_@;) このあと2時間におよぶ寒中漏水箇所特定調査(塩原が外でした~(-.-))にも関わらず、決定的漏水箇所は確定できませんでしたが、そのことが結果的に原因を特定することになるのです。 己の恥をさらすようでためらいも確かにあるのですが、他にも同様の作りで建築されたポスト&ビーム工法のログハウスがあるので暴露させていただきます。   その原因とはズバリ、『外壁が板壁だから』。加えて『水切り取付け位置の指示ミス』 ガァ~ン(?_?) 先ほど、雪国の外壁は板壁が良い、と申したばかりですが、 今回の場合、板と板の継ぎ目から奥に入った雨水が、通気層を伝わり、そのまま屋外に排出されない、という工法といいますか作業手順のミスによるものと確信するに至りました。 これを見て下さい(クリックすると拡大します) 20150222193057-0001現状の1、2階境部の断面スケッチです。 これを見て、あぁ、と分ればエクセレント。 どう?大久保クン、分るかな? Sさんに聞けば、「雪の時は漏水しない」とのこと。 防水の最終ラインである防水シート(タイベック、とかって言う人もいますが)が水切り板金の立上り部にオーバーラップする形を取るのが王道ですが、この画の場合そうなっていません(>_<) 板壁を通過してきたごく少量の雨水でさえ、やがて壁の際下端に垂れてゆき、梁の上で外に排水されず内部に入り込んでしまうのです。 外壁の仕上げ材が、しっくいやサイディングのような水を通させないものであればそれほど心配はないのですが・・・。   20150222193113-0001 S様にはそのことを伝え、「工法が分っている人に見てもらえてよかった」とおっしゃっていただきました。 ご理解を賜り、誠にありがとうございます<(_ _)> この記事を書いている今も長野は雨が降っています。 福井県も雨が降っていますか? 木板を外壁に貼る際は、必ず雨が板の継ぎ目から入るものだと理解した上で、その水がちゃんと排水される仕組み・納まりをとることが肝要です。 毎日雨が降り続くことはないので、水が停留することがなければ晴れた日にはすぐに乾き、板壁自体、腐ることはありません。 壁内に流れゆく雨水のためにも通気層は必ず設けましょう。通気層内はカメムシやダンゴ虫が好みますので防虫網を設けるなどの配慮も必要です。 しおはら まさき 自筆サイン  

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