今回のブログで最後です^^
山梨県甲府市のQ1.0(キューワン)新築住宅のWEB見学会。
解説するのはおなじみ、設計者兼現場監督を務めたしおはらです(笑)
このお宅の間取り上の最大の特徴といえば、「階段の幅が広い」こと!
壁の内寸で1.03mもあるのです。
一般的には芯々91cm=内寸75cmでコマ取りされることが普通です。
1mの幅があれば、大人がすれ違う事、これ容易なのであります。
基本プランを練っている間、建築主のMさんから、
「亡くなったばあさんの遺言で、『階段は広くとれ』というのが実はあるんです」
という風に切り出されました。冗談のような、ホントの話のようです。
これは設計をする人にとっては大問題!
階段の位置や大きさでその家の間取りが決定づけられることも少なくありません。
家相的にはかなりNG率が高いとされる「家のど真ん中階段」、しかも直線型(大工さんは「てっぽう階段」とも)。
階段はある意味吹抜けですが、ある意味家具とも読み解けます。
・冷気が2階から落ちてくる
・1階の声や音が文字通り筒抜け
・ストレート型の階段は、落ちたら危険
そんな理由からでしょうか?
家相学では、直線型のど真ん中階段は”大凶”らしいのです( ノД`)
私の松本市の実家はてっぽう階段でした。築40年、しかもかなり家の中央に近い位置。
家相的に凶の家で育ったわたくし・・・。しかも13段上がり切り・・・。
あ、補足します、年配の方は13段の階段を忌み嫌う傾向にあります。(処刑台の段数がそうなんだとか)
2階が寝室&子供部屋でしたが、2階にトイレはありませんでした。
そうですね~、記憶にあるだけで5回ほどは転げ落ちました。幸い怪我はしたことありませんでしたが、今から思い起こせばゾッとする風景です。
今でこそ設置が義務化されている手すりもなく、段板に滑り止めもなく、ラワン材にはテカテカのウレタン塗装。
あれで絶対転ぶな落ちるなという方が無理があります。
工事中は、この階段が広いため、資材の搬入出がけっこう楽でした。階段のところどころには、釘ビスやラジオなど、
現場のちょっとしたものも、ここにひな壇のように飾られていました^^
こんな感じにね^^
はいはい、
最終回はもうちょっと深いところまで見てゆきますよ!
前回でも紹介した洗面化粧台。
その脇には造作のキャビネットがありました。
その奥行の深さにちゅうもぉ~く!!
コンセントも奥の方にありますよ^^
ドライヤー、髭剃り機、化粧品ボトル類、歯ブラシに整髪のたぐい、
コップにコンタクト、薬に綿棒。
かなりの収納量が見込めます。
矛先かわって、壁埋め込みのモニターニッチ(と、初命名)。
インターホンにボイラーのリモコン、スイッチをまとめました。
少しでも通路幅を確保したいという想いで造りましたが、
ちょっとかわいくて、実はわたくし、けっこう気に入ってます^^
でもちょっと断っておきますが、壁を凹にするのって、けっこう手間がかかるんですよ。
お施主さんはけっこう気軽に「ニッチ」をご要求されますが、現場ではけっこう大変。
空間の中ではけっこう目立つので、位置や大きさ、仕上げ方や色など、センスが問われます。
考え抜いたニッチ収納が、10年点検で伺った際、ホコリまみれになっているのをみると切ないですね。
はい、次はクローゼット内のハンガーパイプ。
手作り感あるよね!
標準はΦ32㎜のステンレス製パイプに、ステンレス製ブラケットでやってましたが、
今後リクエストがあれば、このタイプでも承ります。
タモ集成の丸棒手摺・無塗装品を使いますので、赤やグリーンなど、アクセント塗装もありかな、と。
2階トイレ内の手すり的カウンター。
トイレットペーパーを下側から押し込むと食らいついて、視界的に見えずにロールを仕舞っておく機能も実はあるんです。
トイレットペーパーは規格がきっとあるんでしょうね。多少の変形はありますが直径10cm。
これは憶えておくといいでしょう。
座りながら手が届く位置に、替えのトイレットペーパーがあると良いかと思います。
1階室内物干し場にある白い物干しかけ。
これも実は売ってません。
在りそうでないんですね。こういうの。
「ないものはつくる」
それが楽しいことだと感じています。
物干し掛けを取り付けるころにはもう現場に大工さんはいませんから、大抵は私のような現場監督さんが物干しかけ取付を行っている、そんな工務店も多いのではないでしょうか。Rebornの場合はほぼ100%そんな感じ。
パステルグリーンの壁に壁面棚( ^)o(^ )
壁掛けTVが予定されており、DVDプレーヤーを置くためのもの。
もう一つ、
お気づきでしょうか?
これまで見てきた内観で、
スイッチの取り付け位置が通常よりも低い位置にある。
世の標準はFL+1.2mですが、このお宅は+0.9mで統一しています。
子供にも手が届くというユニバーサルデザインとも言えますが、ドアや引き戸のハンドル位置は通常+0.9mであるため、
高さをそろえてすっきり見せる効果があるようです。
これも今後お施主さんのリクエストがあれば、採用してゆきたいと考えています。
そろそろ紙面が尽きました。
設計士として、また現場カントクとして長野と行ったり来たりしてきましたが、先日つにお引渡しとなりました。各職人の面々には、各々のもち場でいかんなくその腕前を発揮してもらいましたが、MVPは建築主であるMさんに贈りたいと思います。
1か月半もの間、内装左官に明け暮れ、作業が進めば進むほどその腕前をメキメキとあげ、かつスピードアップ。
DIY左官作業中に第一子の誕生という大きな出来事もありました。
一見するとDIYなんかしそうにない風貌のようにも見え、(失礼!)
「ほんとうにあのお施主さんやるのか?、大丈夫なのか?」と職人も面々からも意見が出ていたほどですが、
一家の主として、父親として、本当によくやり切った!
その意志の強さ、のみ込みの速さ、体力、コテさばきに感服します。
Mさん、おめでとうございます!
たいしたんです!!
こういう時、ニコニコ動画では、
ネ申 ネ申 ネ申wwwwwwwwwwwwwww
っていうふうになるんだそうですね。
2018.4.7 Reborn塩原
甲府市で行われているキューワン住宅の新築工事が大詰めです。
4/1完成予定です。お引渡しまで2週間を切りました。
残された時間で、さまざまな業者さんたちが出入りし、最終仕上げとなります。
今回もリボーンでは定番の、「建築主による内装仕上げ」を行いました。
内壁・天井のすべてを西洋しっくい左官塗り仕上げを、なんと500㎡!!
(プラネットジャパン、マーブルフィール)
スタートは平昌オリンピックの開催日だったでしょうか。
約1か月間、建築主のMさんご家族にとっては奮闘の日々でした。
Mさん!よくぞ頑張った!しかも上手!
時を同じくして、外部では本職の左官屋さんが外壁を仕上げています。
長野市から駆けつけてもらいました。
おなじみ荻原プラスターさんです^^
今年は1月寒気が強く、なかなか苦戦の日々が続いたそうで、この現場には約2週間遅れで。
甲府の暖かさにびっくりしていました^^
リボーンの定番外壁、プラネット クイック&イージー(ドイツのしっくい)左官仕上げです。
外壁が仕上がるとすかさず足場の撤去を行いました。
ご覧の画像は本日夕方5:00。
降るんでしょうか?降らないんでしょうか?
とにかくなごり雪程度にしていただきたい!
わりとおとなし目の外観デザインです。
ベランダ手すりに設置された太陽集熱器=LATENTO(ラテント)
×の養生シートがやけに目立ちますね・・・。
「はぁ~? なんだあれは??」
と道行く人々がこっちを見ています。
「ここが太陽の熱をあつめるところなのだよ」
心の中でつぶやきます。
暖房、そして給湯、このお宅では両方に太陽熱を利用します。
取付角度は約60°。冬の太陽高度から割り出しています。
外壁は付加断熱しましたので、結果的に引っ込んだかたちの窓。
今回からアルミ製の水切りを窓台に用いています。
色はシルバーのみ。水の切れもよさそうです^^
左官壁の納まりがまことにいい感じです。
夕方洗面台を大工さんといっしょに設置してきました。
ウッドワンの無垢の木の洗面台+レッド―シーダーで囲った造作キャビネットの組み合わせです。
これまた白い壁に映えますね^^
次から次へと仕上がってゆく毎日は楽しくもありますが、現場管理者としてはドキドキハラハラです。
関係している職人からの電話は、必然的に身構えます。
今回お施主様のご厚意で、3/31(土)、1日だけの限定で、ご予約の方に限り、家の中を塩原がご案内することが可能です。
「ぜひみたいぞ!」という方がいらっしゃいましたら、リボーン塩原までご一報ください。場所や時間の相談をさせていただきます。
Reborn塩原 メール:shiohara@reborn-nagano.co.jp 携帯電話:090-1121-3993
2018.3.20リボーン塩原
オリンピックと並行して、甲府市の新築現場では、
建築主による内装左官工事が行われています。
その面積、約540㎡!
家じゅうの天井と壁すべてであります!
下地は当然石膏ボードですが、パテ処理の上紙のクロスを本職のクロス屋さんが貼って、このあとを引き継いでいただきました。
2/11(日)でしたから、ちょうどオリンピックが始まった、あのさむ~い時期です。
あれから2週間、2階はだいたい終わっていました!
しかもスゴ腕です!!
場所によってはご覧のように緑色にしたり、ブルーも予定されています。
家のなかはあのクロスの独特なにおいがまったくありません。
ずいぶんと明るくなったな~^^
廻縁はあえてまわしていませんので、すっきりとした内観となっております。
光が当たると、こんな感じになっています。
しっくいは若干光沢があります。
珪藻土には光沢はありません。
ちなみにしっくいにはあまり調湿作用は期待してはいけません。
調湿性を期待するなら断然珪藻土です。
ではしっくいは何がよいのか?
まずは殺菌作用でしょうか。
あるいは消臭効果。
防火性、硬さ、質感。
左官の壁はたとえ傷がついても味わいがありますね。部分的な補修も容易です。
外部では本職による左官工事がようやく始まりました。
長野市から来てもらっています。
まずは防水用の不織布を張っています。
このつぎにラス網と呼ばれるアミアミを張るのです。
この下地づくりがけっこう大変(;’∀’)
「甲府はやっぱあたけ~な~」
を連発。私も室内で作業していましたが、汗をかくほどでした。
やっぱり関東は違いますね~!
残るは約200㎡ほどか・・・。
だいぶ腕をあげたMさん夫婦。
途中奥さんがご出産のため戦列を離れ、ここしばらくはご主人とお父さんが頑張ってくれています。
お父さんはその昔旋盤職人だったそうで、
「やっぱ職人の血だな~」
と感じるわけです。
完成は3月末。
もしかすると完成見学会@甲府をやるかもしれません。思案中です。
現場にはサロンパスが置いてありました。
きっと腕がパンパンになるのでしょう。
鼻がムズムズしました。すでに関東には花粉が飛び始めたようです。
2018.2.27 Reborn塩原
山梨県甲府市の新築住宅M様邸のレポートです。
建て方・上棟から2か月余りが経ちました。
外部木工事はほぼ終了。
室内は天井、床が仕上がりました。
工事はいよいよ終盤を迎えます。
これまでは下地(したじ)作業ばかりでしたが、
これからはそのまま見える「仕上げ」工程になります。
1階の床はナラ(オーク)無垢
無塗装品でしたが、MさんによるDIYで自然オイルをすかさず塗ってもらいました。
床にはプラネットジャパンのハードクリアオイルを塗りました。
ふき取り仕上げです。
プラネット社では、床用の塗料として、ハードクリアオイルとラッペンワックスというものがラインナップされています。
ハードクリアは液状、ラッペンワックスはドロドロの半固形状です。
2階は節有りのひのきをご採用。
ひのきの香りが室内に充満しています。
ところでここ甲府市は、周囲を見渡しても建物にテレビアンテナがほぼありません。
なんと、ケーブルテレビの加入率が80%を超えているとのこと。
地デジアンテナではNHKと民放1局しか見れないのだそうです。
「なぜそんなことが!?」
「山に囲まれてるから電波が届かないだと!?」
「加入料と初期配線で10万だとっ!??」
県外者の私たちは甚だ疑問に思い、いろいろ調べてみたのですが、どうやら政治的な力が働いている模様。
こういうところがあるのですね・・・現代でも・・・汗
リビングの窓辺からは富士山をのぞめます。
しあわせしあわせ^^
それにしても甲府は雨が降らないです!
12月は1日か2日しか雨がふっていないんだそう。
こんなことは珍しいそうですが、それにしても冬の晴天率は長野市と比較になりません。
ここM邸でも太陽集熱器&太陽光発電パネルを併用します。
なんともうらやましい環境ですな。
こういう地域は当然パッシブハウスが考えられるわけですが、
日射遮蔽をちゃんと考えておかないと夏はひどいことになります。
ところで雨樋に、ちょっといつもと違うものを付けてみました。
タニタハウジングの「スタンダード半丸」というやつです。
かねてより気になっていたのですが、これはなかなか良い商品です。
内吊り式になっており、受金具が地上より見えません。
加えてその質感が◎。
今回はブラックとしましたが、艶消しですこしざらざらしている感じ。
まるで鋳物のような質感です。
一般的には鉄に塗装、または鉄に樹脂被膜のものが主流ですが、このスタンダード半丸はガルバリウム鋼板なんだそう。
費用的には当然ながらアップですが、費用対効果は抜群のように感じています。
タニタハウジングという会社は一般の人にはほとんど知られることがないメーカーだと思いますが、
雨樋のことを「雨のみち」と呼んでいる、ちょっと変わったメーカーです。
個人的には好きです♡
2018.1.11 Reborn 塩原
連日15℃近く気温が上がったり下がったりしています。
みなさん、体調管理にお気を付けください。
ついに秋も終盤を迎え、なんともセンチメンタルな気分。
月の明かりにウるっとと来ます、、、。
先月上棟をいたしました甲府市Mさま邸。
屋根(ディプロマット)が仕上がり、骨組だった形が、だんだん面になって参りました^^
「外観はおとなしめで。ふつうに」
と、初回のヒアリングでそうおっしゃった奥様。
単純な切り妻屋根ですが、軒の出は深くとりました。
小屋組みと呼ばれる屋根裏の空間。
最近は平らな屋根で軒がない、四角いBOX型の家をデザイン住宅と呼ぶらしいのですが、私はあまりやりません。
片流れの屋根も積極的には採用しません。
この家の場合、小屋裏には断熱材が敷き詰められます。
小屋裏収納としても活用しません。
小屋裏には束(つか)と呼ばれる、高さの異なる柱が規則正しく立っています。
先週末は、上棟式が行われました。ピンク色のじゅうたんの上で(笑)
私の都合で恐縮であったわけですが、床の断熱材を敷いた直後でした。
そのため仮の足場をつくって、行動範囲が限定される中行われたのです。
実はこの状態での上棟式は生まれて初めて^^
脚の悪い方やちいさなお子さんが参加される場合には危険です。
決して真似しないでください!
今回も基礎断熱工法とはせずに、床断熱工法としたのですが、
今回初めて、床に付加断熱を採用しています。
「床 付加断熱」というのは聞き慣れません。
通常は床に高性能グラスウール16Kを140㎜、根太(ねだ)間に充填して終わるのですが、
熱橋対策として、大引き間に高性能グラスウール16K 55㎜を付け足したのです。
断熱職人を標ぼうする私としては、「初めてやるときは自分自身でやってみて検証する」
ということで、午後2:00スタート。約20坪ある面積を5時間ほどで作業させていただきました。
最初に床下に雑板で断熱材の落下防止板を45cm間隔ぐらいで造ります。
そのうえに断熱材を敷並べてゆくだけです。
断熱材の材料費は3万円いきませんでした。
作業手間としても1人工はかからない程度です。
これによって暖房エネルギーはどのくらい減るのか?
QPEXで計算すると年間で灯油換算▲22㍑(泣)
1リットル¥100としても▲¥2200/年なのであります・・・。
床の付加断熱工事費¥40,000とすると、約18年でペイする計算となります。
これが良いのか、虚しいのか、
悲しいのか、嬉しいのか。。。
結果は住んでみての体感やサーモグラフィーによる温度分布の検証を待ちましょう。
いずれにせよ、塩原の腰はパンパンになって、1週間たった今ようやく調子を取り戻しました。
ジムへ行ってスクワットするより、朝方ジョギングするよりは、世の中のお役に立ったのかな。
この家では初めて省令準耐火に挑戦します。
梁や柱の構造材はすべて石膏ボードで覆われ、なにしろ燃えにくい設計となっています。
原則、断熱材にグラスウールやロックウールを用いた家が対象となります。
コストアップは多少ありますが、火災保険が激減。
なんと約半額になってしまうのです。
それだけ燃えやすい木造の建物はリスクがあるということか。
天井や壁に板を張る場合は、一度石膏ボードを張った上に重ねて貼ればOK。
大工さんには大変な思いをさせてしまいますが、作業量データをとって検証し、今後のお客様に提案して参りたいと考えております。
2017.11.4 Reborn塩原(uruファン)
山梨は甲府市で新築住宅の建て方を行っております^^
地鎮祭のブログはこちら
建築主のMさんのご両親は二人ともに長野県出身。
加えて新住協会員が山梨県に居ない(!?)ため、昨年末にお声がけをいただきました。
設計打ち合わせ期間は、長野市まで見学会に来ていただいたり、私しおはらが山梨のご自宅に伺って打ち合わせを重ねてまいりました。
あらためてインターネットが発達した現代のすごさを実感しております。
台風一過で青空がのぞいています。
長野から旧来の大工さんが5人来てくれています。
けっこう車通りの多い道路は一段上がっており、
こうして見下ろすことができる立地条件です。
朝から1階の柱を立て始め、お昼には、1階の梁が掛かり、2階の床面合板が張られました。
甲府市のこの現場までは、Reborn事務所から約2時間。空いている時間帯であれば1時間45分ほどで現着します。
県外なので遠く感じる人も多いのですが、飯田市へ行くのとほとんど変わりません。
格子状に組んだ4寸角土台の上面には、
あらかじめ「ホゾ」と呼ばれる長方形の孔が開けられています。
その穴に柱をねじ込むといいますか、差し込んで立ててゆきます。
これが建て方の朝一番の様子です。
土台および柱はひのきを用いています。
現場にはあの香りがプンプンのぷん!
柱が立ったところで、次にクレーンを使って梁を渡してゆきます。
自在に動くUFOキャッチャーのような感じで、
20年以上もこの仕事をしていますが、
大工さんがとてもかっこよく映りすこぶるうらやましく、
現場管理人としてはとても気持ちが昂る場面です。
2階の床下地では、厚さ2.4cmの合板を用いています。
15cm間隔で75㎜のけっこう長い釘を使います。
”水平構面(すいへいこうめん)”と言いますが、
この合板を張ると床面が強化され、地震の際、建物がまとまって揺れようとするため、全体として揺れ幅を少なくする働きが期待されます。
木造の架構は局所的に破壊が起こることが多く、巨大地震発生時、まず構造的に弱いところが壊れ、そこをきっかけに全体が破損する、というのがこれまでの地震経験で分かっています。
水平構面という考え方は比較的新しく、おそらく阪神淡路地震以降、木造住宅にかなり広く、早く普及していったように思います。。
2階の床に厚い合板を貼ると、もれなく足元が安全になります。
すぐに使うであろう2階用の材木を乗せて置いちゃったり、
いろんな作業をするうえでとてもありがたい地面となるわけです。
この合板を張らない場合は、仮の足場を作りながら作業を進めてゆくわけですが、
2階の梁を掛ける際に、脚立を立てたり上を向いて歩く場面が多いため、転落の可能性が多分にあるわけです。
雨が降れば多少は濡れてしまうリスクはありますが、工事の安全を考えると、リボーンではこの「ネダレス合板工法」を基本に設計しています。
1階から見上げるとこんな感じに。
実は工事で起こる事故で非常に多いのが、
上からの資材や工具の落下によって下にいる人への直撃なのです。
真上に作業者がいる場合、常に気を付けなければなりません。
腰袋からぽろっとハンマーが落ちてこないとも限りません。
でもこうしてネダレス合板が張られていれば、だいぶ安心感があります。
秋の建て方は最高ですね。
空気は程よく乾燥しているため、材木もゆるやかに乾きやすく、
人も動きやすい。
クレーン屋さん曰く、
「ナガノの人は、甲府で夏に建て前は無理だわ」
その通りでございます(^ム^)
2017.10.26 Reborn塩原(完成予定=来年の3月下旬です)