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1階床の合板気密工法・ダイライト

2012.02.11

大工さんがこの現場に乗り込んでから約1か月。着々と工事が進んでいます。工事が順調に進むことは、当たり前といえば当たり前ですが、その裏側には、建築主とその家族・ご両親・ご兄弟、友人、近隣の方々、不動産屋さん、銀行、材木屋さん、問屋さん、関係している業者さんや職人さん、・・・いったいどのくらいの人々が関わっているのでしょう。みな立派な住処をつくらんとし、その目的というか目標に向かってコツコツその役割を全うしようとしています。みなが理解、協力しているからこそ順調に進んでいることに、感謝しなくてはなりません。自分のためでなく、自分を必要としている人にために頑張る、それこそがモノづくりの真髄ではないでしょうか。 さて、外壁の下地・間柱(まばしら)が終わり、ダイライトを貼っています。ダイライトとは建材メーカーの大建工業が製造している壁用の合板みたいなものです。建築の世界では有名ですが、耐力壁(たいりょくへき)と呼ばれる、地震や台風の時などに家が揺れないように踏ん張る壁を実現するためのボードです。この大きなボードを規定通りの釘で規定通りのピッチで間柱に止めつける。これまでいわばグニャグニャだった木造の骨組みが、ダイライトを張ることによってだいぶしっかりとします。屋根に上っている屋根屋さんも一安心。某ハウスメーカーでは、建て方直後の骨組み状態に屋根材である瓦をのせ、葺き始める前に台風が接近、そのまま倒壊してしまった、というウワサを聞きました。それぐらい、木造の骨だけ状態は不安定だと言えます。ダイライトを貼ってしまえばチョットヤソットじゃ壊れません。 このダイライト、”水蒸気を比較的たくさん通す”という特徴を持っています。ちなみに合板はほとんど水蒸気を通しません。      

 

 

 

 

室内側から見ると、こんな風になってます。 旧来からのやり方だと、ダイライトの代わりに筋違(すじかい)が入ってますね。筋違いはそれはそれでいいのですが、外壁には断熱材が入ります。筋違がある壁に断熱材をきちんと入れることはナカナカ大変です。時間もかかるし、その割にはきっちり充填できません。挙句、そこから熱が逃げていく量が多くなります。私は、外壁にはほぼ筋違を配置しません。ただ、断熱材を入れない、室内の間仕切り壁(まじきりかべ)には筋違を配置します。

 

 

 

 

筋違は床組み工事より先行して取り付けられるため、床に貼った合板=粗床(あらゆか)と筋違の根本はこんな風な関係になります。

 

 

 

 

 

 

ここは重要!白いテープ(気密テープというもの)で、床下から冷気が入ってこないように気密処理します。柱と筋違のわずかな隙間には、発泡ウレタンという、膨らむアワ状のウレタンを吹き、気密を確保します。      

 

 

 

 

 

また、粗床合板の継ぎ目にも気密テープを貼り、床下からの冷気をシャットアウトします。先に述べましたが、合板は水蒸気をほとんど通しません。つまり、床下と室内の水蒸気の移動もシャットアウト。これを合板床気密工法(ごうはんゆかきみつこうほう)と呼んでいます。     ダイライトを貼り終え、合板気密工法がバッチリの1階の室内はこうなります。整理整頓も見事です。これで室内は土足厳禁となり、上履きかスリッパのみで出入りします。建築主の方も事故防止のため、できるだけ上履きをご用意いただいています。職人はミズムシ持ちが多いですからね・・・。

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