住みなおす(平屋考) | 株式会社Reborn(リボーン)

住みなおす(平屋考)

このプロジェクトは、お隣り金沢市に住むK様(OB客)のご実家の建て替え工事なのです。

今年72歳になるお母さんが一人で暮らしています。築42年、2階建て延べ床面積108坪の住まいは、あまりに広すぎる。そしてあまりに寒すぎる・・・。

あちらこちらに直さなければならない箇所があり、地元の業者さんに見積もりをお願いすると、約2000万円の改修工事費がかかる・・・。

それだったらいっそのこと、「高断熱の平屋に建て替えた方がいいのでは?」ということでご相談をいただきました。

ここで「平屋(ひらや)」について少し掘り下げて考えてみます。

一般的な平屋についての考え方。

・階段を使って2階に行かなくていいので、室内の移動が楽。体への負担が少ない。

・老後の理想的な住まいだ。スローライフって感じ!

・敷地が広くないとだめ。建築費は2階建てより割高になる。

そして更に、少し深い考え方。

・廻りが2階建てばかりなので日差しが遮られ暗くないか?

・廻りの家にとっては我が家の高さが低い方がいいだろうから、お隣にやさしい、ってことに。

・真上の2階から聞こえてくる音がないのでいいよね♪

・すぐ上に屋根があるから夏は熱そう。冬はファンヒーターの温風がトイレや洗面、お風呂などに送られずに寒そう。

・洗濯物をベランダに干せないので下着が盗まれやすいんじゃない?

・見晴らしのいい景色が楽しめない。

さらにさらに建築士的着眼。

・2階建て、3階建てに比べると耐震上有利(当然ですね)。地震の時は揺れが比較的少ない上に、屋外へ脱出する時間が早い(避難経路が短い)。

・2階建ての設計時に細心の注意を払う「1、2階での壁の連続性やバランス」についてあまり神経を使わなくても間取りが成立する。つまり設計の自由度が格段によい。

・ガスコンロや薪ストーブなど火を使う部屋(=火器使用室といいます)には、原則天然木の天井や壁が使えませんが、平屋ならその制限がないのです。

・雨樋の破損修理や外壁や屋根の再塗装の時など、メンテナンスが比較的容易。

・平屋に住みたいというニーズは特に根強く、資産価値が高い。(いざ売る時、買い手がつき易い)

 

そんなわけで「平屋に住みなおす」ということについては全体的にメリットがたくさんあり、「年をとって、子供たちが巣立って、老夫婦だけで住むなら絶対平屋がいい!」は頷けます。まぁ、結局はお金の話になっちゃうケースが多いのですがね・・・。

 



平屋は、どうしても家の中が暗くなりがちです。今回のお宅は片流れの屋根を高さを変えて設け、換気を兼ねた採光窓を高い位置に設けました。

建前後の垂木(たるき)という屋根の下地をつくっています。

 

 



 

このように屋根が昇って行って壁にぶち当たる場合の施工は注意が必要です。雨もりが起きやすい箇所でもあり、断熱の弱点になりやすい。

壁にあらかじめ防水透湿シートを張ってから屋根をぶつけます。

 

 



 

とかく公民館的になってしまう平屋ですが、屋根形状を工夫すると少し面白くなります。

 

 

 

 



 

建て方時に腰を痛めたオニロクこと藤田棟梁も針治療を終え、戻ってきました。

床断熱工事(高性能グラスウール14cm厚)を終え、粗床(あらゆか)合板を張っています。

 

 



 

家の中央部が廊下になる設計です。

吹抜けになっていて高い位置より光が差します。

高所用の窓で開閉をチェーンで行う窓を特注しました。夏には排気用の高窓になります。

 

 

 

 



 

この合板は単に作業性が良くなるばかりではなく、床下からの隙間風や湿気を遮断し、気密を約束する部品でもあります。柱がある部分の欠き込みや合板の継ぎ目にも気密テープを用いてきっちりと。

 

 

 

 

 

 


 

おばあちゃんの家ですが、ゆくゆくはこの孫たちが引き継ぐかもしれませんね。

土台や柱、梁など主要な構造材はすべて長野県木曽のひのきです。

またしてもいい家つくっちゃっています笑

 

 

 


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