木造の家づくりは、食べることに似ていると思います。
農家の方が手間暇をかけてつくった作物が収穫され(木が伐採され)、洗ったり食べられない部分を加工して、梱包・包装し発送します。(製材したり乾燥させます。まとまった数量で束ねます)
運送され、スーパーや農協や直売所、市場(材木屋・問屋)などに届きます。
それをお母さん(大工さん、工務店)がスーパー(材木屋や問屋)などで購入し、下ごしらえ(刻み加工)をします。包丁や鍋(のみやのこぎり、かんな)は、その人が作業しやすい、とても大事な道具となります。
長さや大きさを切りそろえ、時にはミジンに刻まれ、煮たり焼いたりしていきます。(柱や梁の骨組みを組立て、下地づくりをします。)
そして最後に塩コショウで味付けをして調理が完了します。(左官屋さんや内装屋さんが仕上げ作業をして家が出来上がります)
お皿に盛りつけられた料理はあなた(建築主)の元に運ばれ、見た目を愉しみ、ゆっくりと味わっていただきます。
料理人もその作物を育てた農家の人たちも、それを食する笑顔が見たいから、そっとその様子を見守ります。
「おいしかった!また食べたい!」
そんな言葉が添えられると最高です!
あっ、住宅の場合、また食べたいは、なかなかねぇ・・・(笑)
床に敷いてあった養生用の紙が本日剥がされました。
これで一気に現場から家に様変わり!
もうここに住める雰囲気です。(実際に住めますが!笑)
このお宅のひとつの特徴である造作家具がいたるところで生活を便利に、かつ楽しくさせてくれます。
隠し味とでも呼べましょうか。
ダイニングのマガジンラックは特にお気に入りのご様子です。
メインシェフである藤田大工さん、駒村大工さんに、最後の最後、手すりや衣類をつるすハンガーパイプ、物干し掛けを取り付けてもらいました。
どこに付けたらいいのか、一番よくわかってる人がやるのが確実です。
テレビ台の上には、藤田棟梁による手作りのおもちゃキッチンが。
シェフの思いがぎゅっと詰め込まれています。
この家についてご家族と設計打合せをしているとき、お子さんから私へ、突然のリクエストがありました。
「僕の部屋にミニカーとか本を飾って眺めるような棚がほしい!」
設計をしていたその時には具体的な仕様は話し合わず、おおよその位置だけ決めておきました。
そしてだんだん家が出来てきたころ、棟梁と彼に直接打合せをお願いしました。具体的にどんなものが置きたいのか、たなの割り付けは何cmにするかなどを記した極秘ノートを発見!(笑)
そして今日ついに電気が灯りました!
木の感触も、足の裏で直接感じます。そう裸足でね。
子供たちに笑顔があふれます。
大人も子供も、作り手もうれしくて仕方がない瞬間です。
以下先日いただいたNさんからの食べる直前リポートです(笑)
いよいよ完成間近で、うれしい反面、お家造りに関わってくださったたくさんの方々と接する機会がなくなるのは、どこかさみしい感じもあります。
自分たちも家造りに参加することができたことも、忘れられないステキな経験になりました。家は買うものではなく、造っていくものということを実感し、愛着がすごく沸く我が家となりました。
こうした心地よい経験、心地よい場を私たちに提供してくださった塩原さんにはホントに感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いします。
それから、鬼六さんをはじめ、お家造りに労力をかけてくださった全ての方々、本当にありがとうございます。みなさんが暑いなか、雨のなか、大切に造ってくださった我が家を愛情持って可愛がっていきます。ありがとうございます!完成まであとわずかとなりましたが、よろしくお願いします。
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ついに今度の日曜日、完成見学会です。夕方、Nさんを胴上げして締めくくりたいと思います。
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