オクボっちが風邪ひいた!?
ようです・・・(*_*)
こんばんは、二日連続、塩原です。
オクボっちファンのみなさん、すみません・・・<(_ _)>
朝からなんだか動きが変だったのですが、夕方になって「体いてぇ~」と言って帰路につきました。
「高いユンケル飲んで寝なさい!」
と、見送りましたが、明日はどうなるか分かりません。
今年の営業もあと1週間なので何とか踏ん張ってくださいね~( ^)o(^ )
今回は、最近Rebornで流行っている「インスペクション」について。
横文字でかっこいい作業のように聞こえますが、果てしなく泥臭い作業です。
日本語訳は、既存建築物現況検査。
つまり建物の状態を見たり触ったりして診断し、改善や修繕が必要な箇所をあぶり出す作業であります。
今回は長野県の北部、中野市へ。
築50年近く経過している木造2階建ての住宅です。
私が生まれる前ですから、あちこち傷んでいるのは当然ですが、あまりたくさん修繕するようでは建て替えも考えなくてはなりません。
しかしここには今なお暮らしがあります。ここで生活してきた時間があります。思い出もあるでしょう。住み慣れた愛着もあるでしょう。
大ナタ振るって新しいものに変えてしまうというわけにも参りません。
でもそこはクールに、想像力を働かせながら、建物のいたるところをゆっくり丁寧に見て回ります。
天井裏です。
オクボっちに潜入してもらいました。
インスペクションの資格を得る際に受けた講習会て習ったインスペクションマニュアルには、「
点検口から頭だけ出し、そこから見えるだけの範囲を見ればいい」ことになっています。
コケて天井を踏み抜いたり、構造材が体重で外れたりと、思わぬ事故につながりかねない、ということのようですが、Rebornインスペ部隊は、「いけるところまでいく」。そう申し合わせております。
このお宅は土壁ですが、天井に断熱材はありません。天井を吊っている吊木も本数は最低限。雨漏りの痕跡はなく、蜂の巣も生きたものはなし。
金物補強の必要はありそうですが状態は良いと診断しました。
続いて床下です。ここもオクボっちにお願いしました。
地面は湿気が多く、畳の下に開けた点検口からはカビの臭いが。断熱材は当然なく、木材はあちこちが黒くなっています。
地面の防湿の必要性があり、また床の断熱材も入れたいのですが潜って作業するには狭すぎる。
床をけっこうな範囲はぎとらざるを得ない状況です。
基礎には大きなクラックも発見されました。
クラックスケールという割れの幅を測る下敷きみたいなものを当てて割れの程度を記録。どのお宅にもたいていは基礎にクラックがありますが、このレベルは看過できません。
床下調査はインスペクションの中でも花形です。
その建物の全体状況がよくわかる部位でもあり、住んでいる人も決して入ることのない未知の世界なのです。
ここもマニュアルによれば点検口からのぞいて見える範囲のみ、とされていますが、Rebornはここも「行けるところまでいくべし」としています。
塩原は過去、この空間で白へびさんやネズミさん、モグラさん、蜂さんなど数々の生き物たちと遭遇してまいりました。
一番困ったのは、飼い猫が入ってしまったこと。まったくもってウカツでした。脱出させるまで1時間くらいは追いかけっこをせざるを得ませんでした。
屋根の上も行きますよ。雲の上にはいきたくないのでほどほどにしていますが、天気が悪いとなかなか屋根上は診断できませんので、インスペクションスケジュールは天気予報が大事です!
塗装や素材の状況だけだはなく、ブカブカしていないか、アンテナの支線が外れていないか、など、実際に屋根の上の不具合は住人の方もほとんど気づいていることが少ないのです。
これなんだかわかりますか?
破風(はふ)です。杉板ですが、見事にうずくりになってます。
木は腐りやすいと一般的に言われていますが、こんなふうにもう何十年も風雨にさらされながらも決して腐ることなくそこにあります。問題はこれを留めている釘。やっぱりここはステンレスを使いたいところ。
破風は木造建築物の見せ所でもあるので、やっぱり私はトタンやサイディングではなく、木がいいなぁ。
軒裏です。こんな細い材料(45mm×70mm)ですが屋根雪にも耐え、真っ黒に変色はしていますが、決して腐ったりしているわけではありません。
木ってほんとすごいですね。
柱の傾斜を調べます。
最近はこんな便利なものがあって結構精度も出てます。柱や床にあてて、垂直・水平の程度を観察します。
あまり傾いているようであれば、地盤沈下や不同沈下を疑います。
基礎を直すにはジャッキアップなど非常にコストがかかりますから、この作業は重要です。このお宅は±1°以内で、かなり優秀でした。20年ほど前に近くの千曲川が堤防決壊し、1階の腰高程度まで浸水してしまったそうです。それでもこの精度。リッパりっぱ!
桜のフローリングは味わいを増しており、剥いで捨てるのは忍びない・・・
その時の床上浸水にも耐えたのか?
近代一般的となった合板やMDF基材のフローリングは、そうした大洪水がきたら、きっと一発でだめになっちゃうんでしょうね。
多少の反りや隙間はあれど、やっぱり無垢板のフローリングはすごいですね。
インスペクション。
それは先人との対話であり、現在との葛藤であり、未来への夢を描くことなのです。