Q1.0(キューワン)住宅を普及させるには | 株式会社Reborn(リボーン)

Q1.0(キューワン)住宅を普及させるには

ずいぶん長いこと加盟し続けている「新住協(新木造住宅技術研究協議会)」。

わたし塩原にとってはとても刺激的な研究会なのです。

全国600社を超える工務店や設計事務所、建材メーカー、家電メーカーなど、断熱技術者や設備関係者が集い、

「どうしたら真の省エネ住宅をつくれるのか?」

「こんな考え方でこんなやり方したけどその結果は・・・」など、家づくりの様々な観点から研究、議論しています。

 

私ども中小零細企業には、当然ながら開発部はありません。

資材や工法は日々発展・発達し、新発想も次々と沸いてきます。

それらを一つ一つ検証するのは、時間的にもコスト的にも、まず無理なことですから、

こうした勉強会やセミナー、あるいはモデル建物の見学、海外視察などは欠かせません。

「毎日勉強!」の想いは、プロフェッショナルには欠かせない姿勢だと自負しています。

 

これを怠ると、どうなるのか?

 

新たなことはできるだけ避け、自分のやったことがあることのみを実施し続ける。

それはそれで頑固一徹、職人らしくていかにもよさそうですが、最新技術情報や日々研究調査をしたうえで、という条件がつきそうです。

 

果てはフランチャイズに加盟し、大資本に屈し、自分のやりたいものがなかなか造れなくなってゆくはずです。

長野県の工務店は、なにかしらかのフランチャイズに加盟しているように感じます。

自社で工法を開発できないのですから、ある程度それは仕方なし。

過去に検証を重ねた結果なのですから、ほとんど失敗をしない工法であり、ノウハウが簡単に手に入り、本部がまとめて資材を調達するわけですからコスト的にも有利になる場合もあるでしょう。

エアパス工法

WB工法

ソーラーサーキット工法

etc.

工法に焦点を合わせても、数えきれないほどのフランチャイズがあります。

 

新住協はフランチャイズではありません。

会員の中には、何かしらかのフランチャイズに加盟している工務店もいますが、そう多くはありません。

ですからみなギラギラしている。情報に飢えている。類は友を呼ぶ。

 

9/1、2、年に1回の通常総会&全国研修会が札幌で開催され行ってまいりました。

毎年場所を変えているのですが、去年は名古屋、そして来年は横浜になりました。

毎年この時期は台風シーズンであり、今年もハラハラさせられましたが無事開催。

 

鎌田先生の基調講演では、のっけから「憂鬱のはなし」から。

IMG_4967何が憂鬱かと思いきや、原因はZEH(ぜっち)=ゼロ・エネルギー・ハウスでした。

「ゼロエネ」という言葉のインパクトに、「キューワン」という言葉は絶対に勝てなそう。

たいした断熱性能でもないのに、盛大に太陽光発電パネル(PV)を搭載してその穴埋めを行う自称ゼロエネ。

 

もはや全館連続暖房が前提の、新住協会員がつくる高断熱住宅があちこちで建っている状況ではありますが、

局所暖房(部屋ごとエアコンをつける)で、かつ間欠的に冷暖房をすることにしたほうが、計算上有利に(PVの容量を小さくできる)なってしまうなど、馬鹿げた手法がまかり通り、抜け穴だらけの1次消費エネルギープログラム。そのプログラム以外にはZEHであることの証明にならない、という理不尽な審査体制。

 

さらに、

断熱を厚くとり、全館暖房を達成させ、家の中の建具を取っ払うと、とたんにPVの容量が多く必要になってしまう、という理不尽な床面積の設定条件。

そのカラクリが次第にあらわになり、私ども断熱や省エネ技術に関心がある技術者を悩ませるのです。

悩みはやがて憂鬱に。

 

IMG_4966「やっぱりみんなそうなのだな~。僕だけが思っていたのではないのだな」

私はそう感じることができて、自身が考えていること、やっていることにある意味自信が持てました。

私も以前、コラム投稿しています「誰も言わなかった、ZEHに向かう危険性

 

 

IMG_4977本来の「ゼロエネルギー住宅」とは・・・、

① 全くエネルギーを使わない住宅、 か、

② 自給自足を旨とし、最小限のエネルギーで生活する家、 か、

③ 無暖房住宅に代表される、暖房エネルギーのみゼロの家。

人体からの発熱や太陽からの熱エネルギーで暖房しようとするもの、 か、

④ 断熱性能を高めることによりエネルギーロスをできるだけ少なくして、

自然エネルギーを取り込むことも考慮された、

冷暖房エネルギーをあまり使わずにすむよう配慮された家=パッシブハウスやQ1.0キューワン住宅

のいずれかだと思うのです。

 

①は、論外。ありえない。でもそう勘違いしている人もけっこう居るんだとか。

②は、反文明的な感じが否めない。できないことはないが、超スゴ高断熱で太陽熱給湯、蓄熱装置や畜電装置(バッテリー)を備え、建材・材木は地産地消、菜園などを備えた、いわゆるエコハウス。一部にこれを目指す動きもあるが、実施お金もけっこうかかり、そうしたライフスタイルを好まない日本人も多い。

③は、一時期さかんに研究・検証されたが、つまるところ非現実的なもので、壁厚が500mmとも700mmとも。普及はしていない。敷地も狭く、気候条件も多種多様な日本にあって、意味のある地域は限定的だと思う。

 

だとすると、やはり我々技術者が今後推し進めてゆくべきは④か。

少なくとも日本全体のエネルギー消費量を減らそうとしている今、その普及を目指すことに真の意味がある。

その快適性と省エネ性は実証済みで、もはや普及を促進する時期にさしかかっている。

キューワン住宅をできるだけコストダウンさせ、家を建てる人が、だれでも省エネ基準の半分以下で冷暖房エネルギーを賄えることができれば、そもそもメカメカしいZEHはいらないのではないか、

そんな論調から総会はスタートしました。

 

全国でも事例がかなり増えてきました。Rebornでもここ2年で4棟の ”Q1.0レベル3”の住宅を建ててまいりました。

 

「こうやったら少し安くできた」、「こういうやり方をやるとこんな問題が発生。どうしたらよいか」

「このメーカーのビスは20円だけど、こっちは1本40円もするぞ」

 

そんなことの意見交換をする場がありそうでない。お酒が入っても話題はそんなことばかり・・・。

Rebornもその一役を担うべく、今後もQ1.0=キューワン住宅を標準仕様とし、さらに実務・検証を重ねてゆきたいと思います。

 

2016.9.3 Reborn 塩原

 


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