なんなの?この暑さ?
長野市鬼無里で新築住宅が始まろうとしています。
森に囲われたこの地でさえも、午前中30℃近くまでぐんぐん気温は上昇^^
足場を先に組んで、いよいよ明日から土台を敷き始めます。
そういえば、最近では珍しくない(建て方に)先行足場ですが、私がこの業界に入ったころは足場なしで躯体を組み上げ、屋根をやる段になって初めて足場屋さんが建物をぐるっと囲うように足場を組んでいました。
これを後行足場、と言うんでしょうか?よくやってましたね、昔の人は・・・。
この建物の建築主Mさんは、1年半前に発生した神城断層地震(俗にいう白馬地震)でここからほど近い鬼無里のご自宅が全壊(>_<)
今回敷地をあらたに購入して、一念発起の新築です。
幸いご家族みなさんに怪我はなかったものの、その瞬間まであった日常生活が、いっぺんにひっくり返るその恐ろしさは、
「その時はその時サ」意識レベルでしかない我々無被害者からは、なかなかどうして想像ができません。
「地震保険に入っていたおかげで、また建てられるだけ、ラッキーだった」
とMさん。昨夏開催、Rebornの新築住宅見学会で出会うべくして出会ってしまったのでした^^
この写真をぱっと見て「基礎だ」とわかった方は現場監督の素質があります。
すぐにRebornの門戸を叩いてください!(笑)
高低差のある敷地に計画されたM様邸は、基礎工事にずいぶん費用をかけました。
基礎は文字通り建物の礎(いしずえ)。
耐震上、超重要な部位であることは疑いようもありません。
ふつう住宅を建てる際は、外観デザインやインテリア、省エネ性能や坪単価などがまず最初の営業トークとなりますが、
Mさんの場合は「耐震性と断熱性能をいかにコストバランスよく両立させるか」、という玄人的な議題が持ちかけれれました。
こういう土地にどう基礎をつくるか?
今回私が出した答えは、総掘りベタ基礎です。
この写真中の左側の高い土地を、すべての周囲で仕上がり地盤面としたい。
つまりガッツり盛り土。
だけど基礎をつくるのは1mほど下がった低い土地。
通常こんな場合は布基礎としますが、ここは豪雪地、鬼無里。
しかもトテモ寒く、基礎を地中に深く入れる必要性があります(凍結深度~とうけつしんど~といいます)。
さて、「総堀りベタ基礎」をどう伝えればいいものか?
べた基礎と布基礎のいいところ取り、のような基礎です、はい。
注意点はただ一つ。家の周りの地面よりも、床下の地面(べた基礎のベタのコンクリート)の方が低いので、止水措置をちゃんとやらないと床下に水がたまっちゃうんです><
これでわかるでしょうか?まるで地下室のような部屋がいくつかできてます。
おもわず床下を何かしらに利用してしまいたくなる衝動に駆られます。
Mさんからもすかさず、暖房用・給湯用のボイラーの床下設置の可能性について検討せよ、と通達が発せられました。
結論的には床下にボイラーを設置することは今回見送りました。排気筒の出口が雪で埋もれないか、とか、今回はあくまで床断熱なので(基礎断熱ではないので)床下はいわば屋外同等環境。家の中(つまり断熱された空間)に置くことの方が熱利用のメリットが出るのではないか? などということで床下積極利用案は採用しませんでした。ま、理由はその他もろもろあるんだけれど・・・。
今日は坂田木材さんより躯体木材の搬入をしてもらいました。
今回の新築住宅M様邸の、最重要にしてなかなか達成困難なテーマは、
「屋根上に積雪が2m乗った状態で、耐震等級3をクリアするべし」
そしてもちろんキューワン住宅^^
積雪2mでの耐震等級3は初めての試みでしたが、Rebornの標準仕様は耐震等級3なので、そこに積雪荷重を2m見込むとどうなるのか、個人的にも非常に興味がありました。
構造計算の結果、筋交いたすき掛けを数か所追加し、水平構面の強化=ネダレス合板を4周釘打ち仕様~にすることでクリアできました。
外皮断熱性能はReborn標準仕様の高性能グラスウール16K付加断熱100mmでなかなかのグレードに。【Ua値=0.309W/㎡K (Q値=1.09)】
温水パネルヒーター全館暖房20℃設定で、灯油600リットル(ここはずいぶん寒いところなんだな~と思わせる数値ですね^^同じ建物を長野市内で建てると430リットルと計算値)第1種換気やヒートポンプ(電気)での暖房熱源も検討されましたが、コスパがやはり灯油がいいとの判断をしました。ちなみにヒーポンでCOP2.5で計算すると、燃費数値で14.6kwh/㎡を得ました。これはなかなかの温熱的高性能住宅といえそうです。