先日玄関ドアを発売している各メーカーさんが一同に集合して、
そのスペックや商品開発コンセプトなどをプレゼンするという恐ろしい勉強会に出席してきました。
私も所属しているSAH会(えすえいちかい)による開催です。
総勢で40名ほどの設計や現場管理実務者が清聴し、ちょっと辛口の質問が出たり、
メーカーさん同士で「うちのは○○さんには断熱性能はかなり劣っている数値ですが」などと互いに牽制球を投げ合いながら4社の話をまとめて聞くことができました。
ショールームでお話を聞いたり、セールスマンに会社に来てもらったりということは頻繁にあるこの業界の商品説明ですが、
このようにライバル同士が一堂に会するというのはかなり珍しいことなのだと思います。
YKKさんの「イノベスト」。
表面にプリントシートではなく、本物の木を張っているという最高級グレード商品です。
そのデカさに改めて「日本の玄関ドアは大きすぎる」と感じたわけですが、聞けば世の中H2.3mがもはや主流なのだとか。
わたくし個人的には2mもあれば十分で、弊社オリジナル玄関ドア=eZドアはH2.18mとやや小さめ。
それでもでかいなぁ、と感じているに・・・。
木になる、いや気になる断熱性能はU=0.9
これは相当やってきたな、という印象です。
しかしながらその金額にはたまげました。富裕者層向けの商品と言わざるをえません。
ここ長野市でもほとんどの工務店、ハウスメーカーはU=2.33の玄関ドアを標準採用しているようです。
北海道あたりだとU=2.33だとさすがに結露や結氷が起こるため、必然的に木製の超高性能ドアが採用されることが多いと聞きます。
ご存知ガデリウスのスウェーデンドア。
ちなみにRebornの家で採用している「eZドア(イージードア)」は、実のところ表面材を張っていないスウェーデンドアをガデリウスさんから購入し、独自のデザインで表の木を張っているんです。
これまでU=0.9とされていましたが、最近になってようやく試験センターの認証が下りたそうで、窓無しタイプで驚異のU=0.77が出たそうです。eZドアについてもこの数値を用いてよいかどうか確認中。
やはり群を抜く断熱性能です。
他のメーカーさん(三協立山アルミ、LIXIL)も高性能化は当然商品開発しており、なかなか1.0を切ることは難しいとされてきましたが、窓無しのものは0.9前後まで性能があがってきております。
「木製玄関ドアは再塗装メンテナンスが大変で、タッチキーなどの電気錠のニーズが最近では多くお客様から多く寄せられており・・・」という論調が目立ちましたが、木製のあこがれニーズを無視するわけにもいかず、浮造り調のシートを開発し、「劣化しにくい」、「本物に近い質感」ということをアピールしていました。
私なぞは本物の無垢の木の家を推奨している派ですから、そのあた心に響くものはあまりありませんでしたが、あのLIXILさんが、ふたたびTOSTEMブランドを表に出してきたのにはびっくりしました( ゚Д゚) ※カタログ表紙の一番上にTOSTEMと。
ははりサッシ・ドアは「トステム」という名称が広く浸透しており、シェア拡大のためには必要だと判断したそうです。大丈夫か?リクシルさん!
LIXILさんは実物の展示がありませんでしたが、カットサンプルのみの出展。GLANDEL2の発売は今年の4月だったそうですが、どうした!トステム!!
ウレタン60㎜充填で、最高断熱タイプのものは枠がアルミと樹脂の複合で、空洞の中にウレタン断熱材を充填しているそうです。
窓無しのものhがU=0.89。
あきらかにYKKさんを意識している感じです。
ガラス入りのものはトリプルガラスでダブルLOW-E、アルゴンガス充填で樹脂スペーサー仕様になっており、U=1.23だそうです。
とまあ、各社しのぎを削って高断熱タイプの玄関ドアを開発している真っ最中です。
問題はその導入コストということになりそうではありますが、そのあたりは私も含め質問する人もなく、メーカーさんからも当然口にすることなく、粛々と説明会は進行してゆくわけであります。
実務者としては、現実的に一番大きい問題として、「断熱性能が高い玄関ドアは金額がすごい」ということなのでありまして、
「玄関からリビングやキッチン、さらに階段のぼって2階のホールまでドア・引き戸なしで到達せしめる」という、高断熱住宅のメリットを享受したいわけで、
あまり性能のよくない玄関ドアを採用してしまうと、なかなか「家まるごとどこでもあったか」にならないぞ、玄関ドアは結露させないぞ、という考え方を持っています。
もっとだれでも超高性能玄関ドアが手に入らない物だろうか、というところが出発点なのです。だから金額は相当重要な選定要素。
最後におまけを。
各社プレゼン&勉強会のあと、定例SAH会ミーティングがありまして、
その会議に北相木村の坂本さんが来ています。
北相木村(きたあいきむら)は長野県の東端にあり、伐採適齢期を迎えた良質の信州カラマツが豊富。
その利用を促進したいということで、フローリングや壁板をPRしに、あるいは商品開発をいっしょに考えたりとしているわけです。
そのさかもっちゃんが、「こんなのどうですか~」と持ってきた「キノハナ」こと木のフラワーボックス。
カンナくず的な木のスライスとドライフラワーをミックスした面白いものを持ってきてくれました。
おまけに蝶ネクタイも身につけて(*’ω’*)
●価格
木のボックス:5,000~12,000円
木の花束:3,000円~
蝶ネクタイ:4,000円
欲しい方は直接連絡してみてください^^
北相木村役場 坂本さん(さかもっちゃん)
電話0267-77-2111
2018.9.4 Reborn塩原
これはぜひほしい!(^^)/