「しんじゅうきょう」ってご存知ですか?
正式には「新木造住宅技術研究協議会」
木造住宅の重要な基本性能である断熱気密、換気、暖房などといった住環境に関する技法を学ぶ場所であり、全国津々浦々の断熱マニア的な技術者が互いに技術を学び、議論しています。
自分自身で「こうやるとどうなるのかな?」といったことを先駆的に誰かがやって、その結果や考察データをもらえたりもします。
また、建築に携わる技術者として刺激をもらったり、好奇心をそそられたり。
入会をしてかなりの年月が経ちますが、得したことは数多くあれど、損したことは一度もありません!
日々勉強。
それこそがプロフェッショナルとしての最低条件だと考えておりますので、今後も新住協にはずっと加盟してゆきたいと思っています。
長野支部の現場研修会、ということで本日Rebornの新築現場をお借りしました。
@鬼無里に会員の総勢13名が集い、付加断熱や左官壁など、様々なことを発表、意見交換をする機会としました。
明日には足場が撤去されてしまいます。
家の外周をぐるぐる見て回れるような、こうした研修会は珍しいのではないでしょうか。
耐震等級3、断熱性能もキューワンレベルは、そろそろ当たり前になるであろう時代。
付加断熱の技術習得はマストです。
この家は1階を米杉(ウエスタンレッドシーダー)無塗装を仕上げとし、2階は西洋しっくい左官仕上げ。
窓の取り付け方法が2パターンあり、その取り付け手法や、なぜそうしたかを説明。
これまで付加断熱はやったことがない、という会員もいて、少しでもお役立ち情報を提供できたのではないかと思っています。
普通、工法やそれにかかる金額などは各社クローズの極秘情報だと思うのですが、
私はどんどんそうした技術公開して、いろんな意見を聞きたいと思っています。
付加断熱はまだ黎明期。どういう風にやるのが効率がよいのか、まだまだ手探り段階だからです。
僭越ながら、長野支部長を務めております。昨晩資料を作成し、会員配布し、説明を加えながら各箇所を塩原が解説しております。
鬼無里は長野市とはいえ、とても暖房エネルギーが多く必要な地域です。
年間暖房エネルギーは灯油換算で570㍑。リッター60円として¥34,200です。
ここ鬼無里は長野市善光寺から見て西側。山間の小さな集落です。
戸隠山と白馬連峰にはさまれており、県内でも屈指の豪雪地&厳寒地です。
住宅をつくる側からすると、とても難易度が高く、やりがいのある仕事でした。
画像をクリックすると拡大するので、ぜひご覧いただきたいのですが、
この建物をいろいろな場所で建てた場合の、暖房用灯油消費量がおもしろいです。
(こんな資料を配布しながら説明・解説してゆきました)
軽井沢よりも暖房エネルギーがかかります!
冬の間晴れる日が少ないため、窓からの日射が少ないためです。
札幌とさほど変わりません^^
来週、新住協の全国総会で札幌に出張します。(9/1,2)
付加断熱工法の手法やコスト、勘所や気を付けなければならないところ。
とにかく効率よく作業し、少しでもコストダウンしなければいけません。
ゼロエネ住宅が隆盛を極めるかもしれない2020年に向かって、
大手ハウスメーカーの断熱仕様は今後も上がってゆくでしょうから、金額的優位性がなければ、我々弱小工務店は出る幕なしです。
そして情報の提供を丁寧に、根気よく出し続けること。
なにせ展示場もありませんし、まともなカタログすらありません。
とにかく存在を知ってもらい、自身のポリシーや、家づくりにおけるアイディンテティーをさらけだすことからはじめようではないか、という風で締めくくりました。
おじさんの遠吠えに聞こえたかもしれません^^
完成見学会は9/17,18で開催させていただきます。ぜひたくさんの方に知っていただきたい。零細工務店がここまでできるのだという可能性を!
2016.8.25 Reborn塩原