山梨県は白州へ~18年前の長野ログハウス建築設計施工のOB宅
白州といえばサントリーのウイスキー「白州」ですね^^
西に甲斐駒ケ岳、北に八ヶ岳。
6/18ついに屋根の上からパチリです☆
あら?
もうわかっちゃいました?
なぜここからのショットなのかって?
今回は煙突掃除ではありません。
煙突そのものの修理です。
過日のブログでも紹介しました。
「ポスト&ビームの弱点」
角煙突の外壁=窯業系サイディング=が一部剥離・落下。
風雨にさらされる環境下にあって、窯業系はやはり長持ちしませんね。
今回土台の修繕に先行して足場を組みました。
ルーフィングに直貼りだったレンガ調のサイディング。
バールでこじると簡単にはがすことができました。
基材も劣化、止めつけている釘も錆びています。
修繕後はカラーステンレス板金横葺き、に生れ変ります。
色はブラック。
黒が一番劣化しません。
煙突トップから。
すすがけっこう溜まってますよ~KITさん(‘ω’)ノ
フルメンテナンスをおすすしますよ~y
屋根勾配は8寸ですからけっこう厳しいっす!
よく建て方の時に思うのですが、
地上から屋根に乗って作業をしている大工さんの風景と、実際に屋根の上にのったときのギャップはものすごいあります。
地上からでは「なんとなく自分でものぼれそう・足場がなくても登れるのではないか」
そう思っても絶対に「あら?これ無理」となります。
8寸勾配は絶壁でっせ、おとっつぁん!
さて、本題の土台の修理。
通し柱の直下です。
ぱっと見は「別に・・・この程度なら何てことないのでは」って感じですが、確実に腐っているんです。
別アングルから。
「むむむ」とならねば建築実務者失格です。
さらに黒い蟻が周辺を忙しく動き回っています。
「あるぞ」
そう確信しました。
早速メスを入れ始めます。
土台に振動が伝わった瞬間、たくさんの黒ありが飛び出してきました。
「じっ!地震だっ!!」
人間でいうところのそういう感覚だったのでしょうか。
新婚大工の小山君は大の虫嫌いなんだとか(笑)
メスで切り込みを入れて、バールやノミで斫(はつ)ってゆきます。
木が腐っているところはみるみるうちに削除されました。
ちなみにこの通し柱がなぜ落ちてこないのか?
不思議に思った方は「するどいで賞」を差し上げます。つっかえ棒もジャッキアップもしておりません。
通し柱は1階2階にまたがった長い柱ですが、その中間点で梁が2方向から突き刺さっており、ぶら下がっていられるんですね。
イメージは吊り輪のようなかんじです(笑)
あくまで「イメージ」ですからね^^
ちなみに私はこんなかっこできません。
写真左下隅の人ならできます(笑)
予感通りありました。
アリの巣(塚)。
土台にはほぞ穴があり、その穴通し柱のオスホゾは刺さっているんですね。
そしてそのホゾ穴の最深部に彼らのマイホームが。
しろありほどではありませんが、黒い蟻も木材を食べます。栄養にするわけではないようですが、巣作りに使うようです。
拡大。
写真をクリックすると拡大しますが、閲覧注意です。
卵やさなぎを必死に別カ所に移動させようとする働きアリたち。
勇気ある行動に、新婚大工小山君は何を思ったか?
蟻社会も完全なピラミッド構造で上下関係が厳しいらしい。
そんなに重たいの一人で運べんのか、状態です。
逃げてもらう時間を作るために、次に壁をはぎます。
外壁の次はご存知タイベックシート。
防水の最終ラインです。
このシートを切るときは慎重に。気密テープで復旧がしやすいようにね。
筋交いの端部があらわれました。
土台の腐れが進行すると、この筋交いの端部も腐り、地震の際に踏ん張れず役に立ちません。
必ずここは確認・腐朽有無のチェックをしておきたい部位です。
太いパイプのようなものは、電気の幹線です。
患部を成形してゆきます。
筋交いの金物もいったん取り外しました。
蟻たちも避難を終えたようです。
ここから復旧です。
まずは柱の引き抜き止めであるホールダウン金物を取り付けましょう。
基礎の天端にコンクリートドリルで穴をあけ、速硬化性の薬液を注入します。
俗にいうケミカルアンカーです。
M16の全ねじを刺したところ。
今日は気温が高いので、硬化まで30分かかりません。
素早く作業を進めます。
筋交い金物復旧、そしてホールダウン金物の設置。
この間約5分。硬化するまで振動は与えないでください。
患部にはまだ腐朽菌がいるかもしれませんので、ホウ酸消毒液(もとは粉末)を患部に塗布します。
ホウ酸はあまり生活になじみがありませんが、ウィキでは下記の如く。