スパイダーマンがようやく出てゆきました。
ここ2週間ほど私の社用車(軽トラ)に棲み続けていたけっこう大きなクモちゃん~名付けて「クモまん」~をようやく捕獲し逃がしてあげました。
みなさんも車の中で蜂や蛾、毛虫などに震え上がったことがありませんか?
突然あらわれる密室での珍客。逃げられず、前方を見つめ続けなければならないなかでの格闘。
あれは精神修行になりますね^^
サンバイザーのあたりからツウ~っと降りてくるクモまん。
初期は「ぐぅぇぇぇぇ~」と叫びながら足元に必死に落とそうと空を切る右手。
多少ハンドルがぐらつき、後ろについている車の運転者も、ぐぃ~んと車線変更して追い抜いてゆきました。
昆虫で交通事故。
実はけっこう多いのじゃないか、と私はにらんでいます。
しかし最近では、
「あ?まだいたの?」
という感じで、上の方にあるであろう彼の命綱である糸を右手ですくい、やさしく足元に着地させていました。
夕べも帰宅しようと車に乗り込み、窓を開けた瞬間にツゥーっと。
そろそろお別れだな、と感じていたので、この日はそっと素手で包み込み、
元気でな!
このところすごい勢いで昆虫が活発に動き回っているのをご存じでしょうか?
少し散歩をしてみるとよくわかります。
そんな時期のログハウス(ポスト&ビーム)丸太土台の修繕工事パート2。
早速みてゆきましょう。
前回のパート1は通し柱直下の修繕でした。
今回は普通の土台部分です。
パッと見は「ちょっとこのあたり黒いですね」
くらいで済ませてしまいますが、中は確実に腐ってます。
叩くとパクパクします。ドリルで穴をあけようとすると、スポッと刺さってしまいます。
御覧のように、このデッキの床がその原因の最たるもの。
屋根から落ちた雨水がデッキの床に跳ね返り、土台を濡らし、木の割れに入り、乾くことなく腐朽菌に侵されてゆきます。
「塗装をもっとこまめにやれば防げたのでしょうか?」
とご質問をいただきますが、割れをなくさない限りは防ぎようもありません。
割れ(ひび)から入った水はそう簡単に乾きません。
丸太土台の表面は塗装が施されているためかあまり腐っておらず、発見が遅れる、ということも言えます。
ノミやバールで突っつくと、ボロボロと崩れてゆく土台。
腐朽菌は「温度」と「水分」と「栄養」があればどんどん繁殖します。
上記3要素のうち、唯一遮断できる可能性があるのは「水分」だけです。
今回はだいぶ腐れが進行してしまっていました。
アンカーボルトも露出。筋交いの根元も影響を受けています。
丸太の柱の直下もほぞ穴があるため、被害が大きい場所です。
穴に回り込んだ水が抜けないためです。
水切りの取り付位置の工夫や、水が入っても抜ける仕組みをとっておくべきでした。
掃き出し窓の両脇と下部も腐れが進行していました。
放置すれば床組みにも影響し、最悪は床が垂れ下がってゆきます。
もうそうなるとなかなかそういう家には暮らせません。
「平らなところに暮らす」、それが最低限の生活レベルだと思います。
水切り板金よりはみ出した木部も腐ります。
大きな割れに沿って、表面から3cm~5cmの深さでダメになっているケースが多いです。
腐った部分を削り取りながら、表面を成型してゆきます。
けっこう根気のいる作業です。
そもそも何が悪いのか?
土台に丸太を使用していることが敗因だといえます。
しかしデザイン的には丸太を使った土台にしたいのも分かります。
「水切り」という部材は、本来壁に伝わって落ちてきた雨水を、切って地上に落とす、という役割があります。
切った雨水が丸太土台を濡らすようでは、水切りとは言えません。単なる見切り部材にすぎません。
1時間程度で2mほどの範囲の土台を削り取りました。
ホウ酸水溶液を塗ったところです。
割れ付近、この部位の腐れの原因となった箇所を特定しやや下向きにドリルで穴を開けます。
この穴にロッド状のホウ酸棒を入れておきます。
最終的は水切り板金にて覆います。
本来であれば全部の土台をこうしたいところではあります。
最初からこうすべきだった、とも言えます><
失敗を教訓に。
教訓を技術に変えてゆきます。
通し柱直下も板金(ガルバリウム鋼板)で囲いました。
同様の症状が出て困っている方は塩原までご相談ください。
遠方でも出向く覚悟です!
株式会社 Reborn
塩原(一級建築士)
携帯090-1121-3993
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