急に寒くなりました(>_<)
いよいよ冬ですね。「ようやく」だと思いますが、我が家もパネルヒーター暖房をつけ始めました。自慢気ですみません!
これから約5か月という長期間、暖房が必要となるここ北信州ですが、断熱材がしっかり入っている家はやはり半月ほど遅れてのスタートとなります。
さて、今回はやっかいな雨漏りについて。
築20年弱のお宅に住む方より、長年治らない雨漏りについての調査と対策をご依頼いただきました。
雨漏りがなかなか治らないのは、和風建築に必ずと言っていいほど存在する広縁です。南側に面する大きな掃出し窓の鴨居付近より漏水し、枠である木材をしみだらけにし、床を劣化させていました。
これまでも建築した工務店に直すようにたびたび依頼してきましたが、いっこうに治らないとのことでした。
この部分は下屋(げや~上に屋根がある1階部分の部屋)になっており、漏水事故が非常に多い箇所です。
このお宅もアルミ製のベランダが設計され、2階の窓からの上がり段差を少なくするために、ベランダの床直下を瓦棒(かわらぼう)葺きのトタン屋根となっていました。
発想自体はとてもよく、漏水さえなければベランダの使い勝手もよくていい感じなのですが・・・。
瓦の屋根、トタンのほぼフラットな屋根が取り合う納まりの難しい箇所で漏水は起こっていました。
幸いにも点検口があり(漏水があったから作った?)、そこから覗くとご覧のとおり雨漏りした跡がはっきり分ります。
調査方法はいつもの如く、1名が漏水箇所室内側にスタンバイし、もう1名が漏水の可能性のある箇所にピンポイントで高圧のエアーをまず吹きかけ、室内側で手をかざしながら原因箇所を探るという方法。
エアー吹き調査の後、「ここかな」と思われる箇所にホースで水をピンポイントでかけてゆきます。
少しタイムラグがあるので、30秒置き程度に吹きかけ箇所を替えながらの調査がポイントです。
むやみに放水するとどこが原因か分らなくなりますので要注意!
原則、「ここは違うだろうなぁ」というところから調査します。
エアー&放水による2段階調査で10分で原因となる箇所を特定できました。
この白いモルタル壁(ベランダの両側に設けられた袖壁)のクラック箇所からの浸水がそれでした。
モルタルの壁がある程度割れることは想定できますが、割れから入った雨水が外に出られないようになっていました。
以前対応した方の処置でしょうか、コーキングが打ってありますがこれが逆効果。
水を抜けにくくしています。
雨漏りはとにかくコーキング、という発想はもう止めなければなりません。
かくいう私もかつてはそういう発想で対応して来ましたが、抜本的な解決になっていないことが多く、ほとんどの場合がいたちごっこになります(+_+)
これが家の中でスタンバいしていて、漏水した瞬間の写真です。
ほんのちょっとしか放水していませんが、すぐに入り慌てました。
結局、抜本的な解決策として、先ほどの白いモルタル壁を剥がさなくてはならず、そのためにはベランダをいったん解体せざるを得ず、けっこう大変な工事になってしまいます。
袖壁は梲(うだつ)という呼び方もあります。
「うだつが上がらない」のウダツです。
ウダツは水切りの設置と通気層(壁の中に水が入ってしまった際、スムーズにその水が抜ける空間)の確保が必須です。
毎度、ウダツの上がらない記事ですみません<(_ _)> 治らない雨漏りはない!、そう信じております。